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1-12 探索開始前には、必ずするべき物がある

X、YouTubeコンテンツも同時に行ってます。

良かったら見て行って下さい。


YouTube:https://www.youtube.com/@Ferrish-Frairies

X:https://x.com/FerrishFrairies

「繋がっているって、ネアカガリアが野犬を集めたの⁉」


 驚き、声を上げるキハナ、でもよくよく考えたら、現状だとこれが一番可能性が高いと思う。


「集めただけじゃない、調教してある程度操っている、例えば条件下で人を襲うとか」


「条件って、どんな?」


「一番考えられるのは、人数と場所、あとは犬笛みたいな合図」


 私の言葉に、キハナが考え込む。もしかしたら、状況整理が始まって、初めて考えているんじゃないかな?


「その二つとも可能性は低いと思うよ」


 考えた末に、キハナが出した言葉がそれだった。私はいい線いっていると思ったのに。


「なんで?」


「まず条件だけど、私一人で国境付近まで行ってるのよ、だから場所と人数が条件なら、私もその時襲われていると思う」


「よく無事だったね」


「言わないでよ、私だって大規模な野犬の群れがいるって知って、今更ながら一人で行った事を怖く思っているんだから」


 げんなりとした表情で言うキハナ、ファウナちゃんもそんなキハナを心配そうに見ている。


「そしてもう一つの犬笛についてだけど、私たちフォルシウェスも、聞き取れはしないけど、多少は感じ取れるよ、だから犬笛なんて吹かれたら気付かないはずがない」


 なるほど、振り出しに戻るか、いや、多少は進んではいるけど。


「ですが、野犬がネアカガリアの仕組んだ事だと言う説は、大変興味深いですね、私は当を得ていると思いますよ」


 おや、ランダルさんのお墨付きを貰った、なら大丈夫かな、あとは具体的な方法と、解決法だね、こればかりはここで話し合っても、どうする事も出来ない。


「じゃぁ今までの情報を元に、調査を始める」


 私がそう言うとファウナちゃんが、目を輝かせて私に近付く。


「調査って何するの?」


 私の手を取って、わくわくしながらそう聞いてくる。

 今までの話が退屈だったのか、または外に出るのが嬉しいのか、見て分かるほどはしゃいでいた。


「聞き込み、村の人に変わった事が無かったか聞く」


 私は懐いてくるファウナちゃんが可愛く、頭を撫でながらそう返した。


「聞き込みって、私さっき言ったよね? 私が知っている事は、基本的にこの村の人が知っている事と同じだって」


 たしかにそう言ったけど、それはあくまでも、全体的な話でしょ、私が知りたいのは個人規模での話。


「個々人で気付いた事に、何かヒントがあるかもしれない」


「なるほど、確かに今はそれくらいしか出来る事はないか」


 私の言葉にそう言ってため息をつくキハナだけど、できる事まだあるよ、ただ後回しでいいだけだから。


「そういう事でしたら、ご飯に行きませんか?」


「ごはん?」


 ランダルさんの提案に、思わず聞き返した。

 そう言えばこの世界に来てから、まだまともに食べていなかった。馬車の中で干し肉をかじった程度かな?


「はい、もともとご飯に誘いにきたんですよ、先ほどの物資で炊き出しをしたようで、一緒に食べませんか?」


 そういう事は早く言って欲しい、状況整理なんてごはん食べた後でもいいじゃん。

 すこし不貞腐れながらも、ランダルさんに続いて家を出て、そのまま後を付いて行くと、最初に馬車を止めた場所に辿り着いた。

 どうやら此処はちょっとした広場にもなっているようで、女性たちが炊き出しを行っていた。また、広場には簡素な椅子があり、みんなその椅子に腰かけ、ご飯を食べていた。


「ここに居る人で全員?」


 見た所おおよそ30人ほどか、思ったよりも少ないと感じた。


「だいたいね、少ないって思ったでしょ? もともとこの国にフォルシウェスが少ないって事もあるけど、国境越えを選ばずに、隠れ住む事を選んだ人たちも居るの」


 なるほど、しかも国境越えなんて、大規模で行えばリスクばかりが高くなるからね。


「では早速頂きましょう、頑張って集めた物資です、食材も期待していいですよ」


 そう言うランダルさんだけど、そう言えばいくら商人とは言え、これだけの物資を支援するなんて、普通に考えれば無理だよね、それもフォルシウェス達が信用するほど頻繁に。

 やっぱり私の予想は当たっているみたいだ。


 そんな会話をしていると、すぐに順番が回ってきて、炊き出しのスープを貰った。受け取ったスープは、ランダルさんが自慢する通り、多種類の野菜とお肉が入っていた。


「へぇ、やっぱ物資が来た直後は豪勢だねぇ」


 キハナも上機嫌でスープを受け取り、ファウナちゃんもお礼を言いながらスープを受け取っている。

 そしてランダルさんとはここで別れ、スープを手に取って三人一緒に近くの椅子に座り、一息つくとスプーンで一掬いして口に運ぶ。


「おいしい」


 思わず声が出てしまった、味付けもしっかりしていて、店で出している味と遜色ない。


「おいしいでしょ、人に聞いた話だけど、炊き出しの人の中に、飲食店を経営していた人がいるんだって」


 なるほど、美味しいはずだ、香辛料も使われているけど、普通香辛料ってかなり高いんじゃないのかな?

 気になるけど、聞いてもしまた失言したらどうしよう。


 ねぇ香辛料って高いんじゃないの?

 え、いつの時代の人よ、そんなの昔の話でしょ

 アンネお姉ちゃんそんな事も忘れちゃったの?


 うん、普通に泣ける、まぁ黙って食べよう、こういう時無口キャラって助かる。

 あれ、そう言えばさっきは結構喋れていた。このキャラ設定に引っ張られる時と、私に引っ張られる時があるのかな。


「それで、聞き込みってどうするの」


 私がそんな事で考え込んでいると、キハナがそう聞いてきた。見てみると既にスープの器は空っぽになっていた。

 食べるの早いよ、私だってまだ半分、ファウナちゃんなんて、三分の一も減っていないよ。


「この亡命の主要な人を教えて、その人たりなら頻繁に森に入っているんでしょ」


 聞くのだったら、まずは異変に一番近いと思われる人たちからでしょ。


読んで頂きありがとうございます。

1-4までの後書きで散々言ってきましたが、

YouTubeコンテンツも同時開催となっております。

その為土日祝は更新お休みでYouTubeコンテンツを主にします。


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