1-10 依頼を受けたなら、真面目な話をするべきだ
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ズキズキと痛む頭を押さえ、顔を赤くして服を着なおしているキハナを見つめる。
「なに?」
ご機嫌ナナメな様子で…でもここでだんまりだと、後々の人間関係に悪影響が出てくる、何か言葉を返さないと……
「年齢の割には立派だった」
「もう一度殴られたい?」
失敗した、なんでこういう時に限って、私よりの発言が出てくるの?
「アンネお姉ちゃん」
あ、ファウナちゃんからも何か冷たい目線が……
「アンネって普段あまり喋らないのに、口開くとソレなの?」
ソレって言われると困ります、中身はこんなんなので。
「それはそれとして、聞きたい事がある」
「突然ね、私としては、とことん問い詰めたいけど、なに?」
「亡命に出した使者が帰って来ないって聞いた、何か知ってる?」
モフモフで忘れるところだったけど、本題はこっちだった。子供でも戦闘能力を持って、国境越えに参加しているんだ、もしかしたら何か情報を持っているかも。
「その事? 知ってどうするの?」
「ランダルさんから調べてみてくれって言われた」
「もしかして、ギルドの人⁉」
「違う」
「そう、違うの…」
私の返事に見て分かる程に落ち込む。
「亡命にギルドが関係しているの?」
「え、ええ、聞いた話になるけど、ギルド加盟国に亡命をする場合、ギルドの許可が必要になるの」
「ギルドの許可? なんでギルドが?」
なんか私が想像しているギルドと言う組織から、だんだん離れて行っている。そう言えば軍事同盟の役割もあるんだっけ?
「ギルドは単なる組織じゃなく、条約で加盟国同士を繋げる事もあるらしいの、私もギルド加盟国に行ったわけじゃ無く、実際にギルドを見たわけじゃ無いので、これはランダルさんが話していた内容なんだけど」
またランダルさん? なんか私の中でランダルさんが、どんどん怪しくなってくるんだけど。
「その条約の中に、移民に関する条約があって、亡命などによる移民の受け入れは、ギルドの議会で一度審議しないといけないそうなの。
これは移民に紛れてスパイが入ってくるのを防ぐ目的らしいの、移民の多くはギルドに流れて来るから」
「そうなの?」
「ええ、まぁそれ以外にも移民問題があるからだそうよ、だから亡命を願い入れれば、ギルドの役員が来ると思ったんだけど」
期待させちゃったのか、まぁ悪いとは思うけど、私は悪くないよね。それよりも知ってる事話してほしい。さすがにこの空気で、私からは言えないけど。
「それでアンネが調べるの?」
「そう、一応戦う事が出来るから」
「ちょっと頼りないし、なんでアンネに頼むのかな? ランダルさんは確かに、一緒に国境越えをしたいと言ってたけど」
そんなのこっちが聞きたい。別にいいかと思って了承したけど、確かになんで私に頼んだのかな。
「まぁ現状何も進展ないしね、アンネがいいと言うのなら、調べてくれる?」
「ん、大丈夫」
「そう、じゃぁ私が知っている事だけど、基本的にこの村の人が知っている事と同じだと思うけど、まず一回目は一か月前に二人、予定通りなら一週間ほどで戻ってくるはずだったけど、戻ってこなかった。
二人だから何かあれば一人は戻ってくる想定だったのに、戻ってこなかったから様子を見るために二週間前にもう一人、これも戻ってきていないから、今日あたりもう一人出すか、それとも戦闘能力を持った大人で捜索するか、それを決めかねている感じかな」
うわぁ、これ、途中で事故、事件ならまだいいけど、向こうで消されているなんて事なら、もう絶望的だよ。
「たぶん他の人に聞いても、これ以上の情報は無いと思うよ」
「そっか、それじゃぁもしかして、途中で野犬に襲われたとか?」
「それはない、それくらいの事態は想定してたから、対処できる人を選んでるから」
「そっか、今日こっち来た時、15、6匹くらいの野犬に襲われたから、真っ先に思いついたんだけど」
「15、6匹⁉ なんでそんな数の野犬が群れているの?」
「しかも戦略使われた、地面追いかけている野犬を囮に、崖の上から強襲された」
「はぁ⁉ ありえない、野犬の戦略なんて、5、6匹で囲むくらいだよ」
「やっぱり異常なの?」
「異常よ、もしそんな野犬が森の中にいるなら、森抜けて国境越えなんて出来ないじゃない」
「わざわざ森を抜けるの?」
「当たり前でしょ、街道なんて行ったら、国境に砦があるんだから」
あぁ、まぁそうか、確か隣国とは常に戦争状態だったんだ。
「森には監視が無い?」
「ええ、ここの森はちょっと深いから、軍隊を動かす事は出来ないから、こんなとこ軍隊で抜けようとしたら、かなり消耗するよ、私たちフォルシウェスだから、この森を抜けようと思ったの」
キハナのその言葉に、ファウナちゃんが不安そうな表情を浮かべる。
「あぁ、もちろんファウナのサポートはするよ、まぁランダルさんは自分で何とか出来るって言ってたけど…そう言えばアンネは大丈夫なの?」
「たぶん大丈夫」
一応森を抜けるのは経験済みだ、あの時も体力はそんなに消耗していなかったから、おそらく大丈夫だろう。
「そんな事よりも、今は使者の件」
「そうだけど、結局どうすることも出来なくない?」
「そんな事ない、普通じゃない、異常がある、なら原因はソレ」
「いや、だから、野犬が異常発生しているなんて、どうすることも出来なくない? そんなの少しずつ間引きするしかないよ」
「違う、注目すべきとこは、異常発生じゃなく、戦略を使ったとこ」
つまり、かなり頭のいいリーダーがいる、さっきの戦闘で倒せたのならいいけど、そんな頭のいいリーダーなら、生き残っている可能性が高い。
この騒動、最低限そのリーダーを倒さないと収まらない。
読んで頂きありがとうございます。
1-4までの後書きで散々言ってきましたが、
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