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1-9 モフモフが最高の癒し

X、YouTubeコンテンツも同時に行ってます。

良かったら見て行って下さい。


YouTube:https://www.youtube.com/@Ferrish-Frairies

X:https://x.com/FerrishFrairies

 結局怪しい依頼を受けたけど、報酬提示して欲しかった、いや、聞かなかった私も悪いけど。

 まずは聞き込みをと思い、馬車が停まっている場所まで戻る、するとあらかた荷物は下ろし終えていて、物資をみんなで分配していた。

 その様子を少し離れて見ていると、一つ気になった事がある。あまり大した事じゃないかもしれないけど、誰かに聞こうか。


「ねぇあなた、馬車に乗ってきた人?」


 突然掛けられた声に振り向くと、そこにはネコミミ少女がいた。

 活発そうな顔立ちに、少々露出が高い服、猫を連想させられるクリっとした大きな瞳。私より少し年上位の、金髪ショートヘアの美少女だ。


「そうだけど、子供?」


「む、あなたの方が年下だとおもうけど?」


「そう言う意味じゃない、子供はここに居ないって聞いた」


「あぁ、その事?」


 そう言うとふふんとばかりに胸を張るネコミミ少女。うん、十分子供だよね。


「私はギフト持ちだからね、戦う力も体力もあるのよ、だから国境越え組みに加わったの」


「ギフト持ち?」


 そう言えばフォルシウェスには、動物特有の力を持った人がいるって言ってたね、それがギフト持ちなのかな。


「そうそう、フォルシウェスのギフト持ち、あなたもだよね? その年で実践経験あるみたいだし…たぶん野犬だと思うけど、血の匂いがするよ、ここに来る途中で戦ったの?」


 さすが猫とはいえケモっ子、匂いに敏感…じゃなくて、私もギフト持ちって言うけど。


「私はフォルシウェスじゃないよ」


「見ればわかるわよ、ってか知らないの? ギフト持ちはフォルシウェスだけじゃないのよ、他の種族にもあって、ギフト持ちは比較的強くなりやすいの。

 まぁ比較的ってだけで、ギフト持ってない人でも、努力次第で同じくらい強くなれるけどね、でもスタートはかなり有利だよ」


 なるほど、あれ、そう言えばキャラ作成時のルールにあったような気がする。


「その様子だと知らないようね」


「うん、分からない」


 だって深夜テンションだったから。


「アンネおねぇちゃぁん」


 そんな会話をしていたら、大人たちの集団の中から、ファウナちゃんがこっちに来た。


「その人は誰?」


「ネコミミ少女」


「ネコミミ少女はやめて、キハナよ、宜しく」


「はい、私はファウナです」


「アンネ」


「表現力に差のある姉妹ね、ファウナ、アンネって呼ぶけどいい? 私はキハナって呼んでくれていいから」


「はい、もちろん」


 元気よく返事するファウナちゃんだけど、私は無言で頷くだけ、私だってもう少し愛想良くしたいんだよ。


「それじゃぁファウナ、アンネ、宜しくね」


「うん、それで聞きたいことがある」


「ギフトの事?」


「違う、あれ」


 そう言って私は大人たちの内、数人を指さす。その指さした人たちは、民族衣装のようなかなりゆとりのある布を、帯を使って腰で止めていた。けど全員がその恰好をしているわけではなく、多くは普通の村人の服を着ていた。


「あの人たちだけ服が違う、何かあるの?」


「え、あぁあれもギフトに関係してるの」


「ギフトに?」


「そう、フォルシウェスのギフトは完全獣化って言って、それぞれの特徴となっている動物に変身するの、そしてその変身って二種類あって、小型獣と大型獣。

 大型は戦闘力が飛躍的に高くなる代わりに、持続時間が少ない。

 反対に小型は持続時間が長い、と言うよりも変身を維持するのに消費は無いから、ずっと変身していられる、その代わり戦闘力は落ちる。

 まぁ大型は戦闘向き、小型は侵入、斥候などに向いているかな。

 そしてここが重要なんだけど、体を変化するから、来ている服はそのまま、つまり大型になると、普通の服だと破ける。なのでゆとりのある布で体を覆って、帯で留めている。そして変身するときは帯を外すだけで、服を破る事無く変身できるの」


 なるほど、そう言えばキハナもギフト持ちって言ってたね、そして服は露出高めだけど普通の服、なら。


「キハナは小型?」


「え、えぇそうだけど……なに?」


「見たい」


「え?」


 困惑するキハナ、それはそうだろう、私だけではなく、ファウナちゃんも、期待のまなざしをキハナに送っている。

 私の無言の圧力と、ファウナちゃんの眼差しに、たじたじになるキハナ。


「わ、わかったわよ、私が寝泊まりしている家があるから、そこで見せてあげる」


 折れた、やった、若干肩を落として歩くキハナに、内心ウキウキで付いて行く私、まぁ表向きは無表情なんだけど、それに対してファウナちゃんはキラキラした笑顔。本当に対照的なんだね。


 そして少し離れた場所にある家に招かれた。広さはおそらく五畳ほどか、簡素なベッドに小さなテーブルとイスだけでいっぱいの小さな家だった。

 それらの家具は本当に間に合わせで作ったのもで、単純に木板を組み合わせて作られ、ベッドも簡単な木の枠組みに布を敷いた程度、ちょっとモコっとなっているから、何らかのクッションは入っているみたい。

 家の中を軽く見渡した後、キハナに視線を移す。そして隣のファウナちゃんは、期待の眼差しでじっと見つめていた。


「あんまりじっくりと見ないでよ、恥ずかしいんだから……」


 そう言って顔を赤めて恥ずかしがる姿が凄くかわいい。


 恥ずかしさを払拭するためか、キハナが小さく咳払いする。そして大きく息を吸うと、その後体がみるみる小さくなっていった。あっという間に小さくなった体は、服の下に隠れると、そこから小さな鳴き声と共に子猫が出てきた。


「か、かわいいぃ」


 ファウナちゃんが感激の声を上げる、もちろん私も心の中で叫んだ。そしてその小さな猫をそっと抱き上げる。

 毛並みが柔らかく、抱き上げた手が毛の中にモフっと埋まる。


 おぉ、すごい、これは最高のモフモフだ。


 私は夢中で子猫とおなかを撫でまわした。


「にゃ、にゃぁ!」


「あ、あの、アンネお姉ちゃん……」


 なんかじたばたと暴れているけど、モフモフが優先。


 そうやって夢中にモフっていると、子猫がだんだんと大きくなり、そして……


 うん、そう言えば変身しても服は別だって言ってたっけ、それってつまりは……


「あ、あわわ……」


 真っ赤な顔でこっちを見つめるファウナちゃん、そして私の腕の中では、怒りに震えて私に抱きかかえられているキハナ。

 もちろんキハナの方が背が高いので、抱きかかえているのは上半身だけ。

 それにしても思ったよりもボリュームがあるんだね、何がとは言わないけど。


「ッキ、ッキシャァァァァ‼」


 その奇声と同時に、私は思いっきり殴られた。


読んで頂きありがとうございます。

1-4までの後書きで散々言ってきましたが、

YouTubeコンテンツも同時開催となっております。

その為土日祝は更新お休みでYouTubeコンテンツを主にします。


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