プロローグ
本小説を読んで頂ける前に、
本小説はYouTubeのコンテンツとリンクさせる想定で作成しております。
その為、YouTubeのコンテンツの進行具合で、小説を更新する予定となります為、
小説の更新が不定期となる可能性がございますので、あらかじめご了承下さい。
詳しい内容はあとがきにてご案内いたします。
――世界の外側で、世界は交わる、交わり生まれた交差点に精霊は集う、集いては別れ、また次の交差点で集う。
世界は引き寄せる、その交差点から精霊の一部を――
「――引き寄せられた精霊は世界へ落ちる……ってここで終わり?」
一枚の紙に視線を落とし、書かれている文字を読み上げていた少女が、不思議そうに顔を上げる。
その視線は机に突っ伏している小さな人影に向けられた。その人影は少女の言葉に「んー」っと気怠げな返事を返すだけだった。
そんな返事に、問いかけた少女の少しつり上がった目が不機嫌そうに細められた。
「あのねぇ、中途半端とか、三流詩人みたいな文章だとか、そのあたりはこの際置いといて……」
不機嫌と呆れが混ざった様な感じで、今まで寄り掛かかっていた本棚から体を放し、両手を腰に当てて怒っていますを表現する少女。
まだ幼さが残る顔立ちに、140後半程の身長の為、その仕草は愛らしく感じられる。
そんな態度を向けられた小さな人影がもぞっと動く。どうやら伏していた顔を上げた様だが、逆光とその小さな人影の背後にある大きい椅子の背凭れの影が重なり、対角線上に居る少女からはその表情までは判別出来ない。しかし長い付き合いの少女には、不貞腐れている幼い顔が想像出来た。
「それ、書いたの僕じゃない」
人影が返してきた幼い声の小さなつぶやきに、少女はきょとんとした表情を浮かべる。そして改めて少女が“三流詩人の文章”と評した紙視線を向ける。
「……良く書けてるわね」
「むぅ……」
少女の言葉に小さく呻く幼い人影。
きっと不機嫌そうに、頬を膨らませているのだろうと想像し、クスリと小さく笑う少女。幼いながらも整っている容姿と、ポニーテールに纏めた長い金髪が、陽の光に照らされていることも相まって、その幼い表情は将来を存分に期待させられる。恐らく同じ年頃の少年がその表情を見れば、余程の事がない限り一目で惚れ込むだろうと想像が出来る。
そんな表情を向けられた幼い人影は、座っている椅子から飛び降りるように立ち上がると、机を迂回して少女の近くへと歩み寄る。
それを見た少女は机の前にあるソファーへと腰掛け、近づいてきた幼い人影は、テーブルを挟んだ向かい側のソファーへ座った。
そして日の光が横から照らした為、今まで影となって見えなかった顔が見える様になった。
短く切りそろえた赤髪に、大きくクリッとした瞳、金髪の少女よりも小さな体格。小さな人影と幼い声から想像したままの、金髪の少女と同じか、それよりも少し下の幼く、愛らしい子供だった。
テーブルを挟み、二人の幼い子供が向かい合い座る、それはこの場には違和感のある光景だった。
二人が座るソファーは柔らかく、ひと目で高級と解る代物。先程まで赤髪の子供が座っていた机と椅子は大きく、作りもしっかりとしていて、机の上には本や書類が置かれている。金髪の子供が寄り掛かっていた本棚には、専門書と思われる本がぎっしりと入っていた。
そう、誰がどう見てもここは執務室であり、その主が座るであろう椅子には先程まで赤髪の子供が座っていた。
第三者が見れば、父親の仕事場で遊ぶ子供の図であるが、執務室の主が座る椅子の座面は、通常より高くなっており、それはこの椅子の主は背が低い事を物語っていた。
「んで、何時まで不貞腐れているのよ」
金髪の子供が呆れた様子で言う通り、赤髪の子供は不機嫌そうに金髪の子供を睨んでいた。とは言え赤髪の子供も金髪の子供と同じで整った容姿をしており、幼い顔立ちも合わせ、いくら睨んでも愛らしいとしか表現出来なかった。
そんな見た目相応の子供っぽい仕草に内心微笑みながらも、視線を手に持った紙に向け、ため息混じりで話した。
「はぁ、話し戻すよ、コレなんだけど、もしかして書いたのってギルドの子?」
無視された事に納得がいかない様子を見せる赤髪の子供だが、真面目な話しなので気持ちを切り替え質問に答える。
「っそ、ギルドの研究員、ミノシトルの子だよ、20年位かな? ギルドで研究してて、その研究結果から書いたみたいだよ」
赤髪の子供の言葉に、金髪の子供は驚いた様に、見ていた紙から顔を上げる。
「へぇ、たった20年? 情報が規制されている中、それだけでコレを見つけたの? 優秀ね」
「まぁ、あっち側の遺跡が見つかったってのも大きいけど、それにしてもね……」
「そうね、で、これ発表させるの? なんか抽象的に書いてるようだけど」
「発表は無理かな、今は変に警戒されたくない、向こうもまだ基礎が出来上がってないしね、でも纏めさせるよ、本人の努力で見付けた物だし、形として残して上げないとね。
とは言え、そこに書かれているように抽象的にだけど」
「ふぅん、それで納得したの?」
そんな疑問を投げかけるのも無理はない、20年の研究成果が世に出す事を禁じられたのだ。そんな事を納得出来る研究者など普通はいない。
「そりゃちょっとは文句を言われたけど、でもコレをそのまま出したら、教会から悪魔信仰、魔王信仰なんて言われるよ」
「そんなの今更でしょ? 表立っていないだけで、あっちは自分たちの信者に、私たちの技術は神々と敵対した悪魔の技術だって言ってるんだから」
「でも今まではそれを証明出来る物がなかった、でもコレが世にでたら? 教会の連中はコレをその証明にするだろうね」
「めんどくさい……」
心底嫌と言わんばかりに深いため息を付く金髪の子供、そんな様子をみて赤髪の子供は話しを続ける。
「まぁミノシトルの子で良かったよ、ミノシトルは種族的に名誉欲よりも探求欲の方が強いからね、なんせ今回のお詫びに、コレについて知ってる事教えるって言ったら、『ボクは答えを知りたいのではなくて、答えを見つけたいんです』って言われたからね」
その言葉に金髪の子供は関心した声を漏らす。
答えを知ると言う結果よりも、答えを探し出すと言う経過に意欲を傾ける。ミノシトルが“小さな探求者”と言われる所以だ。
「それで? 本人が納得したからお詫びは無し?」
「まさか、成果による報酬はあって然るべきだからね。その成果の元となった遺跡の管理者にしたよ。
そしたら喜んでた、多分管理は人に任せて、自分は研究に没頭するでしょうね。
まぁ向こうの基盤が出来上がったら世に出していいかもね」
「基盤ねぇ……どれくらいかかるの?」
「さぁ、早くて50年、長くて100年か、もしかしたら200年になるかも、向こうも情勢がね」
「なんとも気の長い話ね」
「まぁね、でも足掛かりは出来たから……
あぁそうだ、それ返して貰っていい? その内容で進めてもらうから」
「え? ああ、なるほど、抽象的な表現の確認の為に冒頭部分だけ書かせたのね。
でもなんでこんな中途半端なの?」
「取り敢えず冒頭部分だけでいいから、明日までに書いて来てって言ったら、翌日に『ボクは探求者であって、吟遊詩人じゃない、そんな言い回し思い付く訳ないでしょ』って言われてコレを顔に押し付けられた」
「なるほど、じゃぁコレ」
「むぎゅ」
赤髪の子が差し出した手を無視し、金髪の子が体を乗り出し、手に持った紙を赤髪の子の顔に押し付ける。
堪らず小さく呻くが、顔に押し付けられた紙を手に取ると、金髪の子を不機嫌そうに睨み付ける。そんな視線に小さく笑って答えると、金髪の子は大きく重いドアを開け部屋から出ていく。
その後ろ姿をしばらく睨むが、閉じられた扉に遮られると、小さくため息をついて後を追う様に部屋から出ていく。
主のいなくなった執務室には、沈みかけた陽の光が差し込むだけだった。
読んで頂きありがとうございます。
さて、前書きにてご案内いたしましたYouTubeのコンテンツですが、
コンテンツに関しまして詳しい内容は下記になります。
YouTubeコンテンツのコンセプト
小説世界のキャラクターがYouTubeにアクセスして、いろいろなコンテンツをする。
メインコンテンツ
・異世界探求雑談→視聴者が小説世界のキャラクター(作者)に対して質問や、探索を支持し、小説世界を疑似的に探索する。
キャラ設定といたしましては、異世界の成人男性(作者)の記憶があるミノシトルの子で、若干のTS設定が入っております。そのためボイチェン配信になりますためご注意下さい。
また、YouTube上では世界観を守る為、直接的には宣言していません。
・ゲーム配信→そのまま
・作業雑談→blenderなどの作業をしながら雑談
主となるのは「異世界探求雑談」ですが、視聴者に探索してもらうと言うコンセプトから、小説世界の設定はこちらで先に出そうと思います。
その為、小説で出す設定がYouTube内で出ていない場合、小説の更新は一時休止となります。
予定では第一章では更新の停止はございませんが、第二章でYouTubeコンテンツの進行状況によって影響が出てまいります。
YouTubeの異世界探求雑談コンテンツは、なるべく視聴者を集めてから進めたいと思っていますが、小説の更新にあまりにも影響が出るようであれば、異世界探求雑談コンテンツを強制的に進める、もしくはコンテンツ内容の見直しを視野に入れております。
もしよろしければYouTubeのコンテンツもご視聴お願いします。
またYouTubeの初配信は10月12日を予定しておりますが、詳細はXにて告知いたします。
YouTube:https://www.youtube.com/@Ferrish-Frairies
X:https://x.com/FerrishFrairies