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27番の逆襲

作者: RERITO

注意 この作品は、作者がノリに乗った作品なので、面白くない可能性があります。面白くない作品を見たくないよ。という方は、プラザバック!!

 終わらない夢を見せてやる、と言ったのは、いつだっただろうか。



 僕にとって、小さな背中が大きかった。

 幼少期の頃から、ずっと背中を追い続けた兄貴みたいなやつ。


「俺についてこい。お前のことは、俺が面倒みてやる。」


 短髪の少年が、僕に向けて言った言葉が今でも鮮明と思い出せる。

 幼い頃のちょっとした言葉....。それは、僕にとって、かけがえのない。そう。本当に宝物のような記憶なのだ。


「どうした?分からないところでもあるのか?」


 どうしようもなかった時、よく手を貸してくれた。

 目元に残るクマが、僕にとって...どうしようもなく。遠く感じられた。


「なぁ、ソイツになんか構ってないで、行こうぜ?」


「いや、俺は.....」


「ちょっと、陰キャっぽくて嫌なんだよね。髪切ってないし、ボサボサだし」


「分かるぅ、ちょっと、感じが....あれ、って感じだよね」



「お前ら、コイツに対していじるようなことを言うな。ごめんな。俺は、先に行くから」


「う、うん。」


 そして、僕は一人ぼっちになった。

 十五歳で魔法学園に通ってから、間もなくのことだった。


「.........」


「土魔法の練習手伝ってよ。」「いいぜ。どこが難しいんだ?」


「水を操ることで、形を作る....難しいな」「いや、ぼんやりとした形くらいなら、できそうだけど...」


 放課後は、毎日 学生の自主練の声が聞こえた。

 それぞれが、魔法を上達するように練習していく。座学も、重要ではあるが、やはり実技が出来なければ話にならない。


 僕も、魔法の訓練をしなければならない。

 しかし、練習場はどこも人で埋まっている。一人で練習をすることは禁止されてるわけではないが、団体が、優先されてしまうのは、当然と言えば当然だった。


「先生に相談....するしかないか。」




「あぁ?校庭で、練習したいだぁ?君は、何属性を扱うんだ?」


「ひ、火属性です...」


「ダメダメ、危険だ。練習場で、どうにかなんだろ?火属性なんて危ない魔法を校庭でやって、地域の人に被害でもでたら、どう責任がとれるんだ?無理だろう?」


「で、でも...友達が...」


 先生は、とても嫌そうな表情で睨むと、背中から教科書をひらひらと振った。


「しったこっちゃねぇな。やろうと思わないからだ。やればできる。頑張れよ」


「あ...まっ、」


 待ってください。と、僕は手を伸ばしたが、強風が吹き荒れると先生を囲い消えてしまった。


「先生...。」


 ダメ....か。僕は、大人しく帰ることにした。



『今日は、魔法の実技試験を行う。みな、準備はできてるな?』


『はい。』


 試験!?聞いてない。結局、あの後も、練習場を使うことはできなかった。僕は、一切魔法に触れていない状態なのに...。


『日頃から、魔術の訓練はやっとけと、あれほど言ってるからな。まっ、できる人間とできない人間がいるのはしょうがないことではある。』


 チラリと、僕の方へと目線を向けてくる担任。

 付近から、少し笑い声が聞こえた。


『しかしだな。実力というのは才能も、性格も知識も、全てを総合して決まるものだ。最後まで諦めんなよ?』


 はーい。という気の抜けた声が、上がる。


『とりあえず、試験開始まで三十分くらいの猶予はやる。しっかり、練習しておくように』


 絶望が、僕の瞳を染め上げていた。そんな、僕の気持ちとは違い、みな練習に励む。僕も、頑張らなければならない。

 急いで、場所を探した。



「あの、大丈夫ですか?」


 耳からさらりと、垂れ落ちるブロンドの髪。

 真面目そうな印象を受ける丸メガネを付けた女生徒。


 がっ、学級長っ!?!名前は...確か....え、えーと...


「が、学級長、大丈夫です。」


「そうですか?少し手伝うことくらいは、できますよ?」


 結局、学級長のままにした。特に、気にしたふうでもないので、少しホッとした。微笑む彼女に、少し心が緩む。


「あの、火属性なんですけど、扱いが難しくて...まず、火が、全然出てこなくて...」


「そこから...ですか。魔力を体の中でなるべく早く循環させるのです。そうして、勢いが壁を突き破るようにして、放出する。それが、魔法ですよ。」


「そ、それは知ってますよ。流石に....ただ、魔力自体分かりにくいというか」


 火属性魔法を使う。というより、魔術を操る面でそもそも苦労していた。知識だけはあったけど、実践をやってないせいか、初歩も初歩の部分の話なので、流石に恥ずかしさを感じる。


「はぁ....」


 あからさまな、ため息をつく。優しそうな印象ではあったけど、少し不安が付きまとう。


 でも、そうだよな。初歩も初歩だから...

 兄貴だったら...チラッと、視線が大勢の中の一人へと向かう。


「なぁ、見たかよ。全くやってないとか、ありえんのかよ。」


「いや、ないよねぇ...ないわぁ...こんくらいできて当然だってのに」



「おい。あんまり言うと、怒るぞ?」



「いや、ごめんごめん。気に触ったならさ。でもさ、流石にイラッてくるっていうかさ。」


「あ、分かる。私たちは、ちゃんとやってるのにね。全然やる気のないやつが、こんなところに居るって思うとさ」



「.........」



「練習しよっか。」


「とりあえず、及第点取ればいいっしょ。」


「だなぁ。おらよっ!!水魔法、龍の形ぃ!!」


「そんなんねぇだろw」「アハハハハ」



 兄貴....。僕の話題が出る度に、本気で怒ってくれる兄貴がいなかったら今頃はイジメを受けていただろうか。いや、それ以上に、僕がいなければ、ちゃんとした学園生活送れたのかな。


「何ボサッとしてるんですか。ほら、手を出してください。急がないといけないんですから」


「は、はい。すみません。」


「じゃあ、行くわよ?」


「よろしっ、ひゃぁっ!!」


 片手を出して、ギュッと握る。すると、なにかムズムズとするような感覚を覚える。体の内側から、グルグルと巡っている水流のような魔力を感じてついつい声を上げてしまった。


「なに、ひゃあっ!!ってwww」


「おもろ。女みたいな声発してwww」


「ばっか、笑っちゃダメだろwプッ」


 僕は、顔を真っ赤にした。委員長が、僕の顔を見て、クスッと笑った。耳まで赤くなった僕の恥ずかしがる表情が、彼女の瞳に映し出される。


「初めての時を、思い出しますね。」


「......そう、ですか。僕は、恥ずかしい気持ちでいっぱいですけど...」


「まぁ、いいじゃないですか。私は、好きですよ。そういう反応」


 好き....。なんか、うん。好き....か。いや、好き!?!あ、でも...

 はぁ。とため息をついた時が、思い出される。なんだか、同一人物なのか、僕には分からなくなった。


「それじゃあ...その感覚から、魔法を...」


『はい。残念だが、タイムアップだ。これから、実技試験を開始する。一人一人名前を呼んでくからな。あぁ、待ち時間に、練習はしててもいいぞ。五人一斉に試験場に来い。』


 先生の声が、練習場に響き渡る。どこか、決まりの悪そうな委員長と目を合わせる。気まづい空気が一瞬流れた。


「あの、ありがとうございます。僕頑張ります。」


「そうね。私は、始めだから、終わったら手伝いに戻ってくるわ。最後まで、諦めないわよ。ここまで付き合ったんだから」


 そういうと、肩に届かないくらいのブロンドの髪を跳ねさせて、先生の元へと走っていった。

 僕は、手を出して火を出すのに集中することにした。体を、循環する魔力、徐々に速さを上げていき、手元に全ての魔力を集めて、飛ばす。


「ハッ!!」


 しかし、火は出てこない。手を虚しく差し出し、僕は再び目を閉じて、魔力を循環させて放出するという工程をしていた。



「ハァッ」


「なぁ」


「う、うぉ....」


「なんだ。その驚き方は、大分ゴツかったな。そうだったな。お前も、男だったな。」


 壁に、背中を預けた兄貴がいた。 僕は驚いた反動から、地面に倒れて口をパクパクさせていた。


 なんで、兄貴が...他の人達は....


「もう試験に行ったよ。どうやら、試験が終わったら、そのまま帰る方式のようだ。」


「委員長が.....」


「あぁ、来れないってことだな。ほら、手を貸してやる。」


「あ、うん。ありがとう。」


 兄貴の硬い手を握り立ち上がる。どこか居心地が悪そうな顔に、自然と言葉が出てこなくなり、気まずい空気になる。


「なんか、ごめんな。」


「え?」


 兄貴から、発されたとは思えない言葉に、動揺する。

 なんで、兄貴が謝るんだよ。僕が....僕が、悪いんだ。僕が、みんなに馴染めなかったから。


「違う。そんなの、違う。だって...余計なことだよ。僕は...違う。僕が....」


「いや、俺がきちんと守れてたら、惨めな思いさせなくて済んだのに。悪かった。」


「.......っ!!余計なお世話だよっ!!」


「.......そう。か.....」


『次のやつ、早く来い。』


「俺の番か。まぁ、なにはともあれ、悪かった。それだけ言いにきた。」


 そういうと、小走りで走っていく兄貴の姿を、僕は呆然と眺める。

 ドサリッと、言う地面に腰を落とす音と共に、地面を見つめた。


「.....なんで、あんなこと言っちゃったんだ。」


 兄貴が、悪いなんて、ごめんなんて...

 そんなの、僕が言う言葉だって言うのに...



 は、はははは....



「いいんだ。これで...むしろ、これが良かったのかもしれない。」


『最後の五人は、こっちに来い。』


「はい....」


 上手くなんて、できるわけがない。



『22番。水属性か。玉を、向こうの的に当てたら及第点だ。では、始めっ!!』


「分かりました。ハァッ!!」


 男子生徒の水の玉は、龍の形を形成し、的を貫いてしまう。先生は、口をニヤリと不適に笑った。


『合格だ。いや、飛び級してもいいくらいの実力だ。』


「ありがとうございます。」


『だが、形成速度が少し遅いな。そこを加味して、B+だ。』


「え、Aじゃないんですか?」


『A?だぁ?甘っちょろいこと言ってんじゃねぇぞ?これは、実技試験だ。相応以上の実力を出すのは、当たり前だからな。』


「うぇ...精進します。」


『ふむ。次っ!!』


 着々と、魔法を放ち厳しい評価を与えていく先生。

 評価シートには、僅か数瞬の出来事に、いくつもの指摘が書き上げられていく。


「ニャー」


 気の抜けたような音が聞こえた。猫?こんなところに...?


 実技試験用の訓練場は、シンプルな的が数個並んでいるのみ、コンクリートで出来た地面に、四方を壁で囲っている。どこにも、猫が入るような場所なんて存在しないはず...


「ニャー」


 後ろから、聞こえている?僕は、ゆっくりと声の発生源へと目線を寄せる。


「ぅ....ぁ......誰.....」


 碧色の宝石のような瞳に、黒い毛むくじゃらの猫が座っていた。見た目は、猫なのに大柄の人に睨まれたような気配を感じる。


 先生は、見えてないのか?


「せんせ....」


『しゃべるな。人間。我に、手を煩わせる気か?』


「.....いや、」


『黙れと言っておるのだが?』


「.......」



『次、27番....そんなところでなにしてる?こっちに来い。』


「は、はい。すみません。」


 猫のことは、気になるけど。

 あまり、そっちに気が言ってしまうと、猫に殺されてしまいそうだった。


『火属性魔法....だったな?きちんと魔法は、使えるんだよな?』


「....は、はい。」


 一度たりとも、魔法など使ったことはないが、有無を言わせない先生の圧力にはい。と言う他なかった。


『よろしい。では、やってみたまえ。』


「.........」


 体の中で、魔力を循環させて放出する。その一連の流れをイメージして、魔法を行使する。大丈夫。分かってる。僕は、できる。できる。


『ダメじゃ。その程度じゃ、魔力など出てこんわ。』


 だから、誰ですか。あなたは...


『ワシか?ワシは、ただの、猫じゃよ。』


 猫っていうわりに、口が達者ですね。そんなに言うだったら、見せてくださいよ。魔法を...


『えぇ....ワシは、ほれ。愛娘を見に来たのじゃ。それに、不正はよくない。実によくないことじゃ。』


 あなた、試験に勝手に来てるんですよね?先生に、告げ口しちゃってもいいんですか?


『ええいっ!!喧しいわいっ!!ガキは、黙って落第しとけばよいのじゃ』


 魔法使えるんですか?


『使えなくもない。ワシを誰と心得よる。』


 知りませんが、助けてください。


『教育に悪い。助ける義理などないわっ!!』


「あの、その前...」


『ワァーワァーじゃっ!!分かったのじゃ。ワシが、手を貸してやるから告げ口だけは、辞めるのじゃ。』


 猫が、早歩きで僕の傍に寄ると、足に絡みついてきた。試験中なのに鬱陶しい。それに、声質的におじいちゃんなら、この行動は流石に...


『ええいっ!!やかましいわっ!!お主は、黙って、魔法を放ってる風にすればよいのじゃっ!!』



「どうした?やらないのか?いや、できないの間違いだったか?できないなら、さっさっと評価を下げて終わりにするが...」


「で、できます。やってやります。」


「では、さっさとやりたまえ。」


 僕は、足にくっついてる猫には、意識を向けず、なるべく仰々しく動くことにした。力を振り絞るように、拳を握る。


「ハァアアアアアアアハァアアアアアアア!!!!」


『なにしとるんじゃ。ただ、魔法を打つだけじゃなかったか?』


 いや、その...どうなるか分からないので、その...それっぽい仕草でもしといた方がいいかな。と...


『え、演出は必要かの?』


 出来れば、宜しくお願いします。


「ハァアアアアアアア!!ハァアアアアアアア!!」





「ハァアアアアアアア!!!」


 なにやら、変な奇声を発し始めた27番の男の子。

 私は、さっき魔法の試験を終わらせたばかり学級長を努めさせていただいている可憐なる女生徒よ。


 私は、完璧な評価をいただいたのだけれど...少しだけ、未練があった。


「はぁ...私、後で手伝う。と言ってしまったのに、結局、そのまま帰ってきてしまった。私が教えたからには、できる限り完璧にしようと思っていたのに...あの先生、意地が悪いですね。」


 彼への未練から、時折、窓から見える訓練場の様子をチラチラと確認していた。27番の子が大丈夫なのかどうか心配だからとかそういうのでは決してない。


「個人的に、あの残念な子がどんな無様な姿を晒すのか気になるのよね。」


 うん。それ以外有り得ない。ちょっと話したから、最後まで見届けてあげたい。そんな...師匠心みたいなものだと思う。


「い、いったぁ...ちょ、ちょっと前を見て歩いてください。」


 背後から走ってきた男子生徒が、肩をぶつけてきた。

 だ、誰てすか?こんなことする人は...


「あ、あぁ...すまん。つい...気をつける。」


 ぶっきらぼうな強面な顔、短髪の男...確か、クラスの中でも発言数は少ないものの、そこにいるだけで、存在感を示すような人間だったわね。



「あなたは、中田さん。でしたか?」


「あ、あぁ、そういう君は、学級長のやす子さん。だったか?」


「それにしても、意外ですね。あなたが、周りも見ずに廊下を走るなんて、普段は温厚そうな雰囲気でしたけど、こんなに周りに対して配慮のない人間だとは思いませんでした。」



「..........そう、だな。」



 中田さんの顔には、明らかに気持ちを抑えるような表情があった。

 私がいない間に、なにかトラブルでもあっただろうか、それにしても余りにもこれは....


「27番さんが原因ですか?」


「.......」


「図星...ですね。あの人は、なにか持ってるような雰囲気がありますしね。」


「.........振られたんだ。さっき」


「..........そう......でしたの......」


 まぁ、男同士でも、色々あるでしょう。たまにありますよね。自分の気持ちだけは、きちんと伝えたい的なそういうもの。確かに、譲れない部分はあるでしょうけど...お互いの気持ちは、真剣に考えるべきでしょうし...なにより、同性同士でなにかを添い遂げようというのなら、なおのこと色々な距離感はあることでしょう。私は、そんな田中さんを応援していこうとは思いますし、重要なことはやっぱり気持ち....ここは、気持ちをきりか....


「お、おい。大丈夫か?」


「い、いえ、その、頑張ってくださいね。」


「....?」


 いけませんね。動揺が過ぎました。

 流石に、色々と考えてしまいます。


 まさか、このクラスに男子が好な方がいらっしゃったなんて、私は...どのような対応を...



「ハァアアアアアアア!!!」



 この声は、27番!?!


「これは、もうやけになってしまったということですか?火属性魔法...私は土属性なので比較的に楽に試験を突破出来ましたが...難しいことで定評のある属性魔法....諦めてしまうのも、無理もないでしょう。ましては、やけになって、叫んでしまうなんて.....」


「いや、やす子...それは、違いそうだぞ。見てみろ。」


「な、なんですか。あれは....」


 そこには、大気は渦巻き、赤い光が空を穿ち、まるで龍でも現れてきそうなほど異様な雰囲気を出しながら、この世のものとは思えぬ力がありそうな光景が目に写った。


 その異様な光景の中心にいる。27番は、力に苦しみ藻掻くかのように大きな声を張り上げながら、爛々と紅き視線を的へと集中させていた。



「こんなことって....ありえるのでしょうか。」


「.....27番......お前.....ここで死ぬ気か?」


「嘘でしょ。ただの、試験ですよ?私は、聞いたこともありませんよ。試験で死ぬなんて、そんなの...そんなの、許しません。中田さん。戻りましょう。このままでは、あの人が....」


 田中は、首をフルフルを振った。


「ダメだ。これは...これは、アイツの戦いなのかもしれねぇ....」


「そん...な......」


「見守るしか、方法がないんですか。」


「あぁ....そうだ。見守るしかないんだ。」




『ワシは、見たことがある。龍が現れる瞬間を....』


 は、はぁ...龍ですか?


『あぁ、そうじゃ。この世のものを、破壊するかのような炎の玉を吹き、そして大地を焼き焦がす。赤い龍じゃよ。』


 赤い龍.....




「お、おい。そこまで、しなくてもいいんだぞ。」


「ダメです。」


「いや、しかしだな。」


「僕には、覚悟が足りなかった。この学校を壊す覚悟が....」


「いや....試験...,だからな?」


「安心してください。寸止めでいきます。」




『きっと、ワシにとって....娘を、大事にすること以上に、お主に力を与えるという重要な使命があったのかもしれん。』


 な、ど、どうしたんですか?おじいちゃん。きちんと、火の玉を放てるんですよね。


『う、うむ...その、放てるには、放てるのじゃが....』



「行きますよっ!!ハァアアアアアアアッ!!!」



 豪華の炎が、燃え上がる。巨大な質量を持ったその爆炎は、まさに天井を突き破るほどの光を放つ。


『制御ができんじゃった☆ごめんちゃい』


 なぁあああ!!んじゃこりゃああああああ!!



 解き放たれた炎の玉が、的を焼き払い。壁を、粉砕して、コンクリートを一瞬にして、蒸発させる。


「がぁあぁああああ!!」


「ぁぁあああぁあ....」


「きゃあぁあぁあ....!!!」


 その火の玉を放った僕は、ゆっくりとため息をつく。


「ふぅ.....あの......その.....僕の性じゃないって言ったら、信じてくれます?」



「なぁあに、してくれてんだぁああああ!!!」


 あ、ダメみたい。

作者のコメント


小説久しぶりに書いた....w

勇気に、投稿したいなぁ...と思って作ったのですけど、流石に手が震えました。(ひ、ひよったわけじゃないんだからねっ!!)


こんな一発書きの小説を出すとか、恐れ多いわっ!!w


おじいちゃん。どっから出てきたっ!とか、兄貴との伏線との話はなんだったんだっ!とか、そういうの全部、この瞬間の爽快感のために、全部捨てましたよっ!!


私事ですが...


あと、ちょっとで山上転生連載が始めれるんや...ドキドキが止まらねぇ....



(追記)


評価ついててwww流石に、笑いましたw

これを出した時の手の震えが嘘のように笑いに変わりました。評価ありがとうございます。


27番が、25番になってるぅうぅうううう!?!?w

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