075_二度寝
ブレッグは目を覚ます。昨日と同じベッドで。
硬くて肌触りの悪い寝床だが、二日も使えば居心地の良いものに感じられた。
起き上がって最初に思ったこと、それはダールへの挨拶。
今回の一件で、フィオラと同じくらい親しくなった人物だ。
「もう帰ったかな」
陽は既に上っており、明朝という時間帯は過ぎているように思える。
激痛の走る身体で立ち上がった時、小屋の扉が勝手に開いた。
「おはよう。やっと起きたわね」
小屋に入ってきたのはフィオラだった。
そして、彼女の言葉の意味は――
「あー、もう騎士の人たちは撤収した?」
「えぇ。とっくに」
「そっか」
窓の外へ視線を送ると、太陽の位置は朝というより正午の方が近いくらいだった。
若干落ち込みながらも、気を取り直す。
――また、どこかで会えることを期待しよう。
視線を戻したブレッグは、フィオラが小さなバッグを背負っていることに気付く。
「フィオラも出かけるのか?」
「うん。村の人たちに必要な物がないか声をかけてたら、出発が遅くなっちゃった」
きっと、村人の中で世話焼きな人物が、フィオラにバッグを背負わせたのだろう。
村人と会話をしているうちに、お土産として野菜を持たされたという経験がブレッグにもあった。
「ブレッグはどうする?」
「俺は……もう少し寝てようかな。なんか、凄く眠くて」
「その方がいいわ。怪我人なんだから、ゆっくり休んで」
「そうする」
大きな欠伸を一つ。
怪我を治そうとする身体の作用か、患部に塗っている薬の作用かわからないが、身体は怠くて眠かった。
「じゃあ、行ってきます」
「気を付けて」
フィオラが小屋を出て行ったあと、ブレッグはベッドに横になる。
目を閉じると、すぐに寝息を立て始めた。




