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012_気まずさ半分と嬉しさ半分


「はぁ」


 1人になったブレッグは人目を気にすることなくため息をつく。


 孤独の日々が再び始まった。


 とはいえ、孤独が悪いものでもないということをブレッグは知っている。


 全て自分で決めることが出来るし、誰からも干渉されることはない。


 今は寂しさを感じているが、数日経てば消えてなくなる。


 いつものことだ。 


「ねぇ!」


「うぉわっ」


 突然の声にブレッグは驚きを隠せない。


 声がした方向を確認すると、そこには木の影から体を出したフィオラが大きく手を振っていた。


 ――驚かそうとしただけじゃないよな。


 だとしたらそうとう質が悪い。


 そんな邪な心を持った人間ではないと信じているブレッグはフィオラの目的を予想するが、それより早く小走りでフィオラは近づいてきた。


「どうかしたのか?」


「えっと、その、少し聞きたいんだけど」


 肩を小さく丸めたフィオラは指さす。


 その指が示す先にブレッグが視線を向けると、そこにはさっき死んだばかりの魔物の死体があった。


「あれって食べれたりするのかな?」


「え? 食べられるんじゃないかな。たぶん」


 予想外の質問に動揺したブレッグは特に考えることなく答える。


 そんなブレッグがフィオラの方へ視線を戻すと、彼女は琥珀色の大きな瞳をキラキラと輝かせている。


 胸の前で細くて白い両手の指先を合わせており、何を期待しているのかは一目瞭然だ。


 そこで、彼女の求めているであろう言葉をブレッグは投げかけてみることにする。


「食べるなら調理しようか?」


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