第八話「ユーミリア」
少女の傷口が光り輝き、ゆっくりとふさがり始める。
三分もたつころにはすべてふさがり、魔力の粒子も見えなくなっていた。
『嘘、本当に………?』
「痛む所はありませんか?」
『……別に。あの、どうして治してくださったんですか?』
少女が問いかけてくる。
「助けを求める人を見捨てることなんてできませんよ」
『……人は嫌いです。でもあなたは………なんだか他の人とは違う気がします。もしよろしければ、私と契約を交わしてくださいませんか?』
契約を交わす。このゲームでは普通の魔物と契約することはできない。つまり、この少女は────
「別に構いませんよ」
『ありがとうございます。ではあなた様のお名前を教えて下さい。それと、あなた様は異邦人ですか?』
「ティターニアと申します。異邦人です」
『ティターニア様ですね』
彼女はそういうと地面に魔法陣を書き始める。
『我が名は【精霊賢竜ユーミリア】。ここに異邦人ティターニアと契約を交わす』
彼女───ユーミリアが呪文を唱えると魔法陣が光り出した。
『なにか契約内容に編集する部分はありますか?』
そう言いユーミリアは一枚の紙を手渡してきた。そこには契約内容が書かれており、要約すると、
・契約獣は契約者に従う
・契約獣が命令に従わないとき強制力が働く。
・契約は契約者が望んだときのみ破棄することができる
という感じだ。
「契約獣があなたで契約者が私ということですよね?まずこの契約者に従うっていうのはやめてください。なのでこの強制力もなしで。それと契約の破棄は自由で。最後に、契約獣は自分で考え行動するというのを契約内容に追加してください」
『わ、分かりました。あの、本当によろしいのですか?』
「なぜですか?」
『え、だってこんなのいつでも裏切れますし………』
「では、ユーミリア。あなたは私のことを裏切るのですか?」
『し、しません!』
「なら何も問題ありませんね」
『は、はあ。ではこれで契約内容の編集を終了します。末長くよろしくお願いします。ご主人様』