第七話「声の主は小さな少女」
「おーい!聞こえますかー!」
藪の中に入ってもうかれこれ10分ほどたつがまだ見つからない。時々聞こえてくる泣き声からすると、だいぶ近づいてはいるようだが。
『誰かいるんですか………?』
「!」
どこからか少女の声が聞こえてくる。
『助けて下さい…………。私はここです…………』
「待っていて下さい!今いきます!」
私は声が聞こえた藪を掻き分け奥へと進んだ。そして声の主と思われる少女がそこには座り込んでいた。そしてその少女は『人』ではなかった。
尖った耳のすぐ上あたりからは小さな純白の羽が生えていて、体全体が仄かに発光している。羊羹色の髪は毛先の方にいくほど黄色味が強くなっており、金色の瞳は満月のように輝いている。
そして白い足には深々と矢が突き刺さっていた。
『ッ!ひ、人!?に、逃げなければ───うっ!』
「動かないで下さい。少し痛みますよ」
私は足に刺さった矢をゆっくりと抜いた。矢が刺さっていた場所から血のかわりに魔力の粒子が立ち上る。
『────ッッ!』
少女は目にいっぱい涙を溜め必死に耐えている。
「ふう………よく耐えましたね。そうだ」
私はインベントリからポーションを取り出す。
「これを飲んでください。怪我を治す薬です」
『う、嘘です!こんな真っ赤な液体が薬のわけありません!そ、それに、人間は私に矢を放ったひどい奴らです!』
「いいから、飲みなさい!」
『ッ!』
私は少女の口に無理やりポーションを含ませる。少女はこちらを睨みつけながら渋々飲み込んだ。