第十四話「出会った記念」
『ええっ、いいんですか?』
「はい」
『で、ですが……』
うーむ、なかなか納得してくれそうにないな。なら、
「ユミィ、今日の記念に受け取ってくれませんか?」
『き、記念……?』
「はい。ユミィと出会った記念です」
そういうとユミィは花もほころぶような満面の笑みで髪留めを受け取ってくれた。
『ふふっなら仕方ありませんね』
「ありがとうございます。店主さんもありがとうございました」
さて、次はどこへ向かおうか。
「ああ、お嬢さん待って」
店主さんが話しかけてきた。
「?なんでしょう?」
「よかったらうちとフレンド登録してくれんか?」
「はい、いいですよ」
素敵な商品もみせてもらったし、フレンド登録くらい別にいいだろう。
〈プレイヤー:リンカとフレンドになりました〉
「ティターニアちゃんね。今後とも『リンカの工房』をご贔屓に。また来てな」
「はい、また来ます」
気がつけばログアウトする時間になっていた。
「ユミィ、ログアウトする時間になってしまいました。また二日後くらいに来ますね」
『はい。分かりました』
「ティターニアちゃん、ログアウトするなら宿屋でしとき。このゲームログアウトしている間も体はのこるから」
「そうなんですね。教えてくださりありがとうございます」
宿屋でログアウトした。