30話 隻腕の英雄
「あれが魔王…」
それまで沈黙を保っていたルーナが、ぽつりとつぶやいた。
顔を見るに目を丸くはしているが、恐怖に押しつぶされている感じはない。
ルーナもまた、俺とともにダンジョンに潜り続けたおかげで、強くなっていたのだ。
アイラはというと笑みを浮かべながら息を荒くしている。
あれほどの強敵を前にしてなお、実に頼もしい。
「まずはきさまらか。いいだろう、きさまらを皆殺しにし、人間どもを亡ぼしてくれる。我が怒りと憎悪を思い知れ」
魔王はそう言うと、俺たちに向けて手をかざす。
魔力を集中させているのだろうか。魔王が何かする前に先手を取る。
俺が剣に手をかけた瞬間、地面が大きく揺れ動いた。
「これで邪魔は入らん」
俺たちの周囲の地面がせり上がり、小高い丘程度の高さで止まった。
垂直にせり上がった絶壁を上ることは不可能だろう。
なるほど、これなら空でも飛べない限りは援護のしようもない。
しかし、それはこちらとしても好都合。全力を出しても周りを巻き込まずに済むからな。
「ルーナ、アイラ!いくぞ!」
俺の掛け声とともに全員が動き出す。
ルーナはアイラの背中を飛び降り、後方へと距離をとる。
アイラは全速力で魔王の目をかく乱するかのように動き回る。
前後左右上下、立体的な動きも織り交ぜ、高速で移動する。
そして、完全死角からの一撃。
「われに死角はないと言った!」
アイラの鋭い爪での一撃を、振り返ることもなく魔王はかわした。
やはり、やつには死角がないというのは嘘ではないようだ。
そしてそのまま、無防備なアイラの背後から、魔王の一撃…。
「清廉なる神々よ、わが魔力を糧に、聖なる光の炎で、かの邪悪なものを焼き払わん…ホーリーフレア!」
白い炎が魔王を包む。
ルーナの魔法だ。
ルーナはダンジョン内での特訓で回復魔法に加え、光属性魔法を習得していた。
まだ、完全ではないが、ルーナの持っている杖は、俺の支援魔法で強化されている。
威力は問題ないだろう。
「こざかしいわ!」
ルーナの魔法に阻まれ、魔王の一撃はアイラの背中を捉えることはなかった。
しかし、ダメージもない様子。
やはり、魔法の類は魔王に当たる直前で消滅しているように見えた。
「まだだ!」
俺は上空から、魔王に向け剣を振り下ろす。
が、魔王はそれを目で確認することなくかわした。
ビリビリ
「空間魔法展開、エアリアルウォール!」
同時に魔王が俺に魔弾を放つ。
それを防御壁で防御するが、あまりの威力に弾き飛ばされる。
しかし、ダメージは殺せた。
体勢を崩しながら、なんとか着地。
魔王を見上げながら、宿屋でのルーナたちとの会話を思い出す。
………
「魔王は魔眼といわれる特殊な眼を持っています。
はるか遠くのものを見通す千里眼、
少し先の未来が見える先見眼、
広い視野により死角をなくす無角眼の3つの眼力を使いこなすと言われています。
これは私の鑑定眼のように訓練して習得するものではありません」
なるほど、前回は先見眼による先読みと無角眼による全方位視覚で、俺の攻撃は無力化されたわけだ。
戦闘で使用するのは、この2つの眼力とみて、まず間違いないだろう。
さて、なにか対策を考える必要があるな。
「これらの眼力を封じるには簡単です。まばたきでも超列な光による目くらましでもなんでもいいので、視界を奪えばいいんです。ただ、これらはギルドに保管されている文献から得た情報なので、これ以外にも他の眼力を有している可能性もあります」
それまで腕組みをしながら難しい顔で話を聞いていたアイラも口をはさむ。
「他には、見えていたとしても防げない攻撃をすればよい。見えていても、身体が反応できなければ、見えてないも同義じゃ」
ということは、やはり速さ重視の連撃か、俺とアイラの連携ならあるいは。
視界を塞ぐというのも、俺に心当たりがある。
「2人とも聞いてくれ、今回の作戦についてだが…」
………
そして現在、作戦は失敗したように思えたが、実は成功していた。
リアムの最後の一撃、魔王のローブの端を切り裂いていた。
前回の戦いでは、やつの本体はおろか、ローブにすら攻撃は当てられなかった。
大きな一歩だ、8日間の努力だけじゃない。3人の連携が活きているのだ。前回も俺一人ではなく3人で挑めばあるいは…いや、過ぎたことを考えるのはよそう。
立ち上がる俺の横にアイラが肩を並べる。
ルーナは一歩下がり、杖を構えている。
俺はルーナに防御壁を張り巡らせ、アイラに向き直った。
「アイラ、俺を信じられるか?」
「無論じゃ!」
アイラは、魔王から目をそらすことなく力強く答えた。
その答えにフッと俺も思わず笑みがこぼれる。
アイラは人化の術を発動し、ダガーを両手に構えた。
俺は目を閉じ、魔力を集中させる。
自分だけでなく、アイラに向けても同様に。
「いくぞ、アイラ!空間魔法展開、エアーロード!」
俺は自分とアイラにエアーロードを発動。
さすがはアイラだ。初めてのエアーロードによる移動にすぐに順応して見せた。
さらには、エアーロードで作り上げた気流の流れを感じとり、その上を高速で移動することで、何倍にもその移動速度を跳ね上げた。
目にもとまらぬ速度での連撃、俺であれば回避はできないが、魔王は紙一重でかわしている。
あれが、先見眼と無角眼の力か。俺一人では相手にならないはずだ。
そんなことを考えながら、アイラの動きを観察する。
見極めるのだ、アイラの作ってくれるはずの一瞬の隙を見逃さないように。
今だ!
俺は魔王の背後から剣を振るった、渾身の一撃。
キィィィン
乾いた音が響く。
魔王は俺の剣を両腕の腕輪で受け止めていた。
やはりだ、魔王には再生能力があるとはいえ、急所が存在する。
それはおそらく、俺たちと同じ、首や頭だ。
「無駄だ、人間。きさまにわれは……」
言葉の途中で、魔王の首ははねられた。
アイラが背後から切り落としたのだ。
終わったと思った。
しかし、魔王の両腕は力なく落下する自分の頭を捕まえていた。
まだだ、と思った時には、俺もアイラも魔王の放った魔弾を受けていた。
地面にたたきつけられた俺にルーナが駆け寄る。
心配そうなルーナに対しアイラに回復魔法をと指示し、俺はポーションのみを受け取り口に含んだ。
想像していたこととはいえ、やはり一筋縄ではいかないな。
だが、魔力の消耗が激しいエアーロードを同時に2人分使っても、そこまで消耗していない。ダンジョンでの特訓が活きているんだ。
しかし、消耗していないのは魔王も同じだった。
やはり首をはねた程度ではすぐに再生するようだ。
魔王はつなげた首を左右に動かし、ゴキゴキと音を鳴らしている。
アイラはルーナの回復魔法を受けている。
まだ、しばらく時間を稼いだほうがよさそうだな。
俺は剣を抜き、魔王に向かい一直線に歩いていく。
魔王もそれに気づき首をかしげた。そして、ゆっくりと地面に降りてくる。
「なんだ、まっすぐ向かってきて勝てるとでも思っているのか?」
「どうだろうな、ただ試したいことがあるんだ。付き合ってもらうぞ、命がけでな!」
俺は剣に支援魔法をかける。
そしてそのまま魔王に向かって剣を振るう。が、魔王は当然のようにかわす。
涼しい顔で…といっても、ガイコツだから表情はわからないのだが。
その間、俺は剣を振りながら同時に支援魔法をかけたり、解除したりを繰り返し、間合いやリズムを変えてみる。
結論から言うと、あまり意味がない。
通常の剣士相手であれば、有効かもしれないが、先読みが可能な魔王には接近戦とて不利な状況に変わりがなかった。
しかし、時間は稼げた。
アイラが回復しているのが視界の端に入っていた。
「ルーナ、今だ!アイラ、合わせろ!」
俺は叫ぶと同時に身をかがめた。
「清廉なる神々よ、わが魔力を糧に聖なる光で、この地を照らさん…ホーリーシャイン!」
ルーナの光属性魔法。
杖により魔力が増幅され、さらに俺の支援魔法により、強力になったその光は、周囲一帯を強烈な光で包み込む。
「ぐっ、こざかしいマネを」
魔王は反応できず、その光を見てしまった。
光は目に焼き付き、一瞬にして視界を奪う。
魔王はルーナの行動を先読みできなかった。
いや、もしかしたら、俺が身をかがめるヴィジョンは見えていたかもしれない。
接近戦で魔王の視線を俺に集中させていたから。
魔王は視界を奪われはしたが、俺の胸ぐらをつかむことに成功していた。
瞬時に俺も剣を振り上げ、その腕を切り落とした。
前回と同じ場面、しかしここからが違った。
魔王は左腕を切り落とされたわけだが、代わりに右手で俺の左腕を肩から切り落とした。
俺の肩から景気よく血が噴き出す。急激な出血によってボーっとしてくる。
いや、まだだ!
俺は気にも留めず、右手の剣を手放した。別に止血のためじゃない。
ここまでが作戦だった。やつの腕が再生を始める一瞬が勝負だった。
俺は残った右手で腰にぶら下げてあった銅製の腕輪を手に取る。
その腕輪を左腕の再生が終えようかというところで滑り込ませる。
次の瞬間、魔弾が俺に放たれ、俺は吹き飛んだ。
そのまま、魔王の腕は俺が滑り込ませた腕輪を装着するかたちで再生を終えた。
「アイラ、今だ!」
「おう!」
ドスッ
アイラの2本のダガーが、魔王の胸をペンダントごと貫いた。
「無駄だと言った!死ね、犬風情が!」
魔王の手刀がアイラの身体を切り裂いた。
アイラは力なく、その場に崩れ落ちる。
俺は駆けつけたルーナに上体を起こしてもらっていた。
ルーナは倒れるアイラを呆然と眺めていたが、あいにく俺にも時間がない。
俺は右手を天にかかげ、魔力を集中させた。
「われに魔法の類は効かぬ!わが強大な魔力の前に全ての魔は無力化される…!?」
アイラの横を通り過ぎ、こちらに向かってくる魔王は、そこまで言うと、自分の身体の異変に気づいた。身体が崩れ始めている、不死身のはずの身体がだ。
魔力を統べる者、そして強大な魔力、俺はひとつの仮説を立てていた。
再生能力も魔力が関係しているのではないかと。
現に蘇生魔術というものが存在し、魔法で人を蘇らせることもできるからだ。
賭けではあったが俺の仮説は間違っていなかった。
「なんだ、なにをした人間ども!?われは不死身、なぜ身体が崩れていく!?」
魔王は理解できていなかった。
魔王の左腕に装着されている腕輪は自分のものではないということに気づいていなかった。
あの腕輪は以前ルーナにもらった、魔封じの腕輪だ。装着した者の魔力を無効化する腕輪。
あれを魔王に気づかれずに装着するために、俺は片腕を犠牲にしたのだ。
「じゃあな、魔王。これで終わりだ。空間魔法展開、ホーリーノヴァ!」
俺は極限まで集中させた魔力を魔王の周囲の空間に放つ。
魔王は光に包まれ、やがてその光は超爆発を起こす。
集中させていた魔力の大半を、魔法の範囲を限定することに使ってしまったが、おかげでアイラを巻き込まずに済んだようだ。
「おのれ!おのれ!おのれ、人間ども。きさまの顔は忘れぬ!必ず蘇り、この手で殺してやる。きさまの全てを奪いつくしてやる。身体も知識も経験も家族も記憶も全て!われは何度でも蘇る、何度でもだ!」
魔王は、この言葉を最後に光の爆発に飲み込まれ、消滅した。
勝った、魔王を倒したのだ。
おっと、感動している場合ではない。
俺は俺で血が流れすぎている。
「ルーナ、アイラを頼む」
やっとの思いで、それだけ口にした。
ルーナは俺とアイラを交互に見ている。
どちらも重症なのだろう、しかし、ルーナの判断は早かった。
「リアム様、これを。ハイエリクサーです。アイラちゃんは私が回復魔法で治してみせます」
それだけ伝えて、ルーナはアイラのもとへと駆け寄る。そして回復魔法をかけ始めた。
「そんな、傷が深い…。私の魔法では…」
そんな言葉が聞こえた気がした。
俺は右手で傷口を止血しながら、ヨロヨロとアイラのもとへ歩み寄る。
遠目に見てもわかる、傷が深い。ルーナの魔法では止血がやっとの様子。
傷の一部が肺に達しているのか、アイラの呼吸が安定しない。
このままでは、もう何分ももたない。
「そんな、治って!治ってよ!!」
「ルーナ、アイラのことはもういい。俺に回復魔法をかけてくれ」
「なに言ってるんですか、リアム様!?このままだとアイラちゃんは…」
俺はルーナの言葉を待たずにルーナとアイラの間に割って入る。
そしてそのまま、アイラに口づけをした。
「リアム様!?こんな時に何を!??」
ルーナの言葉を無視し、俺は口づけを続けた。
俺にも時間がない、これでダメなら、最悪2人とも死ぬ。
間に合わなかったか…と思った瞬間、アイラが目を見開いた。
アイラは身体を起こすと、戸惑うルーナに叫んだ。
「ルーナ!何してる!?主に回復魔法を!」
「は、はい!…清廉……よ…魔力……に…」
薄れゆく意識の中で、ルーナの詠唱が聞こえた気がして、俺は静かに目を閉じた。
あれから5日が経過していた。
俺たちは、王都の宿屋の一室で、旅の身支度を終えようとしていた。
魔王を倒すことができた俺たちは、もうひとつの目的を果たすため、南に向かうのだ。
「本当にいいのか?ルーナは王宮で暮らすこともできるというのに。国王は、ぜひ王子たちにと言っていたぞ?」
「いいんです、私は王族の仲間入りはしたくありません。もとよりそのつもりなら、お父様と喧嘩などしていませんよ。それともリアム様は私に王子と一緒になってほしいとでも?」
「あ、いや…」
ルーナの目が怖い、この話はするべきではなかったようだ。
やはり難解だ、乙女心というやつは。
しかし、なるほど。ルーナが家を飛び出した原因はそういうことだったのか。
まあ、貴族やら権力者やらには、よくある政略結婚というやつなのかもしれないが。
今回は魔法訓練所の生徒としての勧誘もあった。いい話ではあると思ったんだがな。
俺は魔王を倒した後の話をルーナから聞いていた。
あのあと、その場でルーナが応急処置を済ませ、ハイエリクサーによって回復したアイラが、俺を王都まで運んでくれたらしい。
王都専属の医術魔導士によって、一命はとりとめたが欠損した腕は、そのままだった。
その魔導士が言うには、蘇生魔術は術者の寿命を、再生魔術は対象者の寿命と引き換えになるらしい。
だから俺は断ることにした。特に不便を感じていないというのもあるが、寿命がどのくらい減るのかもわからない。
俺はソフィリアを助け出すまでは、死ぬわけにもいかないからな。
「それに…リアム様も片腕ではなにかと不便でしょうから。ナニかと…ね」
考え事をしているとルーナが意味深な笑みを浮かべながら顔を赤らめている。
こういう顔のルーナはいつもよからぬことを考えている。
気を引き締めておかなければ。
「アイラもいいのか?」
「う…うむ。わ、われも、あ、主さまに同行するぞ。その…命を救われた恩もある。今度はわれが、リア、いや、あ、主さまの身を守るのじゃ。し、し、し、生涯を、か、かけて、な。」
アイラもあの日から少し様子がおかしい。
俺が話しかけると顔を赤くして、以前に比べそっけない。
たしかに、ハイエリクサーを口移しで飲ませたことは悪いとは思っているが、ああでもしなければ飲みこむことも難しい状態だったのだ。
なんとか、旅の間にアイラには許してもらえるように努力する必要があるかもしれない。
そして、旅支度を終えた俺たちは、国王に出立の挨拶をしに行った。
「本当に行くのか?魔王を倒した英雄だ、ここにとどまれば何不自由ない生活を約束するぞ?」
国王は名残惜しそうに言う。
だが、その言葉は今現在にいたるまで何回と聞かされ、何回も断っているのだ。
俺の心は決まっている。
「ありがたい申し出ですが、お断りします。まだ、私には助け出さなければならない者がいますので」
そういうと俺はぺこりと頭を下げる。
同時に国王の苦笑とため息が聞こえた気がした。
「ふむ、お前は最初からわれの思い通りにいかぬ男よ。有事の際は頼っても?」
「ええ、なにかの際は、いつでも使いを寄こしてください」
俺は顔を上げ、にこやかに答えた。
「ふむ、では行くがよい」
こうして俺たちは王都を出て南に向かった。
道中はあまり魔物に出くわさなかった。これも魔王がいなくなったおかげかもしれない。
ゆっくりと穏やかに移動し、数日が経過する頃には見覚えのある森の中を歩いていた。
最近のことのはずなのに何年も経っているような懐かしさを感じる。
思えば、本当にいろいろあった。今までの思い出が蘇る。
マズイ、緊張してきた。ソフィリアにはどんな顔で会えばいい?片腕をなくし、両脇に美女を引きつれて迎えに来たと言ったところで、ソフィリアは気分を悪くしないだろうか?
心配だ、やはりひとりで来るべきだったか。
俺が難しい顔で考えていると、ルーナが俺を覗き込んでいた。
じっくりとまるで観察するような目で。
「大丈夫ですよ、リアム様が誤解されないようには努めますから」
「へっ!?あ、いや…その…」
驚くほど間抜けな声が出た。
ルーナに心の中を見透かされたようでうまく返答ができない。
優しくにこやかに語りかけているはずのルーナの視線にも、なぜか怖いものを感じる。
そうこうしているうちに見覚えのある建物が見えてきた、ソフィリアの家だ。
トントントン
俺はドアの前に立って、扉をたたいた。
心臓の音がうるさい、まだ何を話せばいいか決まっていない。
なんなら、今日は留守でもいいんだぞとさえ思えてきた。
ギィィ
木の扉はきしみ音を立てながらゆっくり開いた。
目の前には、ソフィリアがいた。
ソフィリアは一瞬、何が起こったのかわからないといった様子で目を丸くしていた。
「ソフィリア、待たせたな」
それだけ伝えると、ソフィリアは目にあふれんばかりの涙をためて、両手で口元をおおった。
俺は、そんな彼女を優しく抱き寄せた。
同時に彼女の長く華奢な2本の腕が俺の背中に回され、強く抱きしめられた。
もう、緊張や話題を考えるなんて雑念は、俺の頭から消えていた。
「ソフィリア、俺と一緒に来てほしい。きみと一緒に外の世界を見てまわりたいんだ」
「はい、もちろんです」
ソフィリアは顔を上げ、俺を見上げながらそう答えた。
涙を流しながら、微笑みかけるその笑顔は、今まで見た何よりも美しいものだった。
こうして俺たちは旅に出る。
あてもない旅、終わりない旅へと歩み始めるのだった。
本話で一章完結です。お付き合いいただきありがとうございました。
次話から第二章「大陸捜索編」となります。
引き続き、お付き合いいただければ幸いです。
数ある小説の中から、この小説をお読みいただき、ありがとうございます。
また、ブックマークや作品への評価をしていただいた読者の皆様、本当にありがとうございます。
引き続き頑張っていきますので、
下にある☆☆☆☆☆から評価、作品への応援を、どうかよろしくお願いします。
星をクリックしてもらえるだけでうれしいです。
ブックマークもしてもらえると、本当にうれしいです。
作者の励みになりますので、何卒よろしくお願いいたします。




