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昨日の夕食時アピスさんから首相さん達との面会を聞かされた。
ただ、忙しい人達だからいつになるかは不明だそうだ。
面会ねぇ。夕食会じゃないだけマシかな?
でも、まだ何も情報はないし...
あれから話しかけてもアピスさんにははぐらかされるし、フォルカーさんは逃げるし、リカさんは適当だし。分かったのは昨日の部屋から出るなは熱があったから念の為の外出禁止?だったらしい。別に軟禁されていなくて私の考え違いだったから良かった。
...面会時に首相さんを質問攻めにした方がいいかな?
はっきり言って私にあの三人の口を割らせることは出来なさそうだし。
そうなると今日はどうしよう?いいお天気だから外に出たいなー。
昨日が念の為の外出禁止なら今日は出掛けてもいいかな?
...直球勝負いくか。
身支度が終わった私はアピスさんに外に出たいことをそのまま伝えてみた。
「お外に出たいです。」
直球すぎたかな?でも他に言い方ないしね。
「では、中庭でも散策なさいますか?」
「行きます!行きたいです。」
外に出れるその言葉に手を上げて直ぐに食いついた。
「では、御準備いたします。少々お待ちください。」
しばらくして準備が整ったらしく中庭に向かおうとしたらアピスさんに抱っこされた。
解せぬ。
「私、歩けますよ。」
「通り道には階段も距離もございます。恐縮ですが抱き上げさせていただきます。」
キラキラそうエフェクトがかかった様な眩しい笑顔は至近距離で見ると目が潰れる。
眩しい。
そう思っていたらそのまま中庭にまで連れて行かれた。
連れて行かれた中庭は曾おじい様とパンを食べたバラの庭園だった。
そういえばあの時はバラをゆっくり見て回れなかったよね。
「降ろしてください」
アピスさんに言って降ろしてもらいバラに近づいて行く。
凄い香り。見事に咲いてるね。赤に白、ピンク、黄色どれも綺麗。
そう思いながら目の前にあるピンクのバラに目を向けると、バラの影から小人?が顔を出した。バラの影から出た小人は少し太り気味な二頭身で緑色のボディにピンク色の髪を持っていた。
小さい体で何かをアピールしようと必死に動いていてとても可愛らしい。
誰?...あっ!手を振ってくれてるの?
手を振り返してみたら驚いたらしくすぐにバラの影へ隠れてしまった。
何だったんだろう?とりあえず可愛かった。何あの2頭身。カワイー。
近くを見渡してもバラの影を探しても、もう小人はいなくて不思議に思いながらも庭の散策を続けた。
妖精がいるのなら小人もいるのかな?
ゆるキャラを小さくしたような雰囲気してたな。本当に可愛かった。
夜になり就寝準備をしている時にリカさんが慌てた様子で寝室にやってきた。
私の髪をとかしていたアピスさんが私に声を掛けてからフォルカーさんに代わってもらってリカさんを廊下に連れて行くときに少しだけ声が聞こえた。
「リカ。うるさい。何事だ。」
...怒ったアピスさんってあんななんだ。
...対応が違い過ぎて振り返って見ちゃったよ。王子様どこ行ったの?
「殿下?」
二人が出て行った扉を見つめていたらフォルカーさんに不審がられてしまった。
「あ。いや。アピスさんの対応が違ったような気がして...」
正直に話してしまった。
「そうでしたか。ラナンキュラス様とリカは親類関係になりますので気安さが出てしまったのでしょう。
勤務中に申し訳ございません。」
「えっ?いや。別に怒ってなんかいないですよ。」
謝ってきたフォルカーさんをなだめているとすぐに二人が戻ってきた。
「失礼いたします。殿下。
先日お話した首相との面会は明日昼頃に決まりました。」
「分かりました。」
明日か。
ベッドに入ってしばらくしてから声を掛けられた。
ー眠れないっすか?-
ー子守歌でも歌いましょうか?-
スイキン。うっきー君。うるさかった?
ーいいえ。ただリリアナの不安が伝わってきました。-
不安、そうかもね。多分、明日の面会で私の今後が決まるから。
ーリリアナはどうしたいっすか?-
私は正直まだ分からないこと知らないことばかりだから今、放り出されたら困る。でもね、あんまりここにいたいとも思わない。
数日間、丁寧に扱われてきたけど私、前世は庶民?だよ。王族ですっていきなり言われても王族として立てる気ががしないからねね。
ー分かりました。では、明日の面会時はワタクシも一緒に参りましょう。ー
スイキン!?
ーそういうことなら俺も行くっす。-
うっきー君。
...ありがとう。心強いよ。
今後どうなるかは分からないけど、それでも二人は一緒にいてくれるから前を向ける気がするよ。




