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ジャノヒゲ女王国  作者: くまごん
2ー森の妖精王と遊ぼうー
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 お茶を飲みながらのんびりしていると、三人組が朝食を持って応接室にやってきた。

 待ったました!!ごっはーん!!

 意識を読んだスイキンが楽しそうに言った。

「リリアナは元気ですね。」

 だってお腹空いてるんだもん。

 三人組はソファに座りながらお茶を飲む私とスイキン、うっきー君に驚いてる。

 美人さんが話しかけてるからスイキン達の事を伝えたのかな?

 ...美人さんには何回もお世話になってるけど名前聞いた覚えがないよね?

「そういえば、二人はご飯食べれるの?」

 飲み物を飲めるから食べれるのだろうけど、今まで一度も食べてるところを見たことがないからね。

 念のために聞いておこう。

「人の食べ物に興味ないっす。」

「同じく。ですが食べられないわけではありません。食べる必要もありませんが。」

「そういうものなんだね。」

 食べたきゃ食べるけど食べる必要自体がないんだ。

「そういうものっす。

 リリアナが食事するなら俺は森の妖精王の所に行ってくるっす。」

「分かった。いってらっしゃい?」

「なんで疑問形なんすか?」

「えっ?だって母なる大樹に帰るのにいってらっしゃいって変じゃないの?」

「そう...っすね。」

 私とうっきー君の間の抜けた会話をスキンが聞いている。

「...なんだか貴方達の会話は聞いてて和みますね。」

 ニコニコ。

 ゾウの表情は分からないけどそう表現できるほどのニコニコ笑顔で言われた。

「そうっすか?」

「そうなの?」

 腑に落ちず聞き返すとうっきー君と完全に言葉が被ったので思わず見つめ合う私とうっきー君。

「そうですよ。仲良しですね。」

 仲良し。...恥ずかしいようなむず痒い様なな気持ちになるね。

 うっきー君も同じ気持ちなのか身悶えてる。


「...それじゃあ行ってくるっす。」

 小さな木の葉に包まれて消えていくうっきー君。

「いってらっしゃい?」

「では、私は寝ます。おやすみなさい。」

「おやすみなさい。」

 スイキンはあっ、そこで寝るんだ。ローテーブルの上で立ったまま目を閉じた。

 ...ゾウって立ったまま寝たっけ???




「お食事の準備が整いました。こちらへどうぞ。」

 会話が終わってしばらくしたらアピスさんに呼ばれて床に引いてあるクッションの上へ移動した。

 ふふん。今までとは違うのですよ。自分で動けるのです。

 ...三人組がガン見してくるのが辛い。今までどれだけ動かなかったんだよ。

 さて今日の朝食は、黒パン、サラダ、スープ。

 いい加減あきてきたね。そうだ!サラダにドレッシングかかっているから黒パンに挟もう。

 気分は変るでしょ。...ナイフはどこ?

 黒パンを持って辺り見渡す私を不思議に思ったのかアピスさんが膝を折って声を掛けてきた。

「いかがなさいましたか?」

「ナイフはありますか?」

「少々おまちください。」

 そういうと目を瞬かせてからどこかにナイフを取りに行った。

 持ってきてなかったのかな?それなら別にいらなかったんだけど...

「お待たせいたしました。何を切りますか?」

「貸してください。」

 そう言って手を差し出せば、ニッコリ笑ってもう一度同じことを言った。

「何を切りますか?」

 貸さない気かな?仕方ない。

「じゃぁこれを切ってください。全部じゃなくてパンの半分くらいまでです。」

 言ってからアピスさんに持っていた黒パンを渡す。

「かしこまりました。

 こちらでよろしいですか?」

 渡されたのは綺麗に切れ込みの入ったパン。なんかパンに切れ込みいれるだけで大変だね。

「ありがとうございます。」

 フォークでパンの切れ込みにサラダを詰めていく。簡単サンドイッチ~!!

 かんせー。

 これを料理と言ったら怒られるレベル!

 毎食のサラダにオイルのドレッシングがかかってるからマズくはないハズ。

「いただきまーす。」

 うん。パン一個じゃ大きいな。

 やっぱ何枚かにスライスするべきだったね。食べづらい。

 でも、味は悪くはないね。このドレッシングが美味しいんだね。

 黒パン以外のパンは見たことないけど他にパンの種類はないのかな?

 菓子パン食べたいな。

 おっと、スープも飲もう。

 何度飲んも美味しいんだけど何かが足りない味してるよね。

 ...出汁の文化がないのかな?慣れてきたけど味噌汁が飲みたい。

 味噌。市場になかったよね?半日しか回っていないけど見た覚えないし...

 米、味噌、醤油、あとお風呂!!日本人の魂が欲しているんです!!

 世界を見て回るなら見つけられるかな?探してみよう。

「っとごちそうさまでした。」

「殿下。それではお着換えさせていただきます。」

 食べ終わるのを後ろで待ってたんかな?大変だね。側仕えも。

 着替えかぁ。またあのフリフリヒラヒラかぁー。

 ...違う!動けるんだよ!自分で選べばいいじゃん!!

「あの、今日はお洋服は自分で選びたいです。」

「...かしこまりました。では、衣裳部屋へご案内いたします。」

 少しだけ間があったけど、洋服選びが出来る!!

 よっしゃ。フリヒラ地獄からこれで抜け出せる!!話せるって素晴らしい!!


 寝室に衣裳部屋に行く扉があったんだね。

 今まで気が付くと服一式が用意されているからどこに服があるのか知らなかったけど、衣裳部屋あったんだ。この部屋で何日も過ごしていて扉に気が付かないって私って一体?


 アピスに許可をもらったので衣裳部屋に案内してもらおうとしたらエスコートの為に手を差し出されたのでしぶしぶ手を置く。

 だから室内だって。危険なんてないから。すぐそこだから。

 部屋は埋め尽くす程のドレスで溢れていた。

 凄い数。この衣裳部屋、前世の私室くらいの大きさなんだけど...

 置き場のないくらいにドレスや靴があるよ。ここまであるとお店みたいだね。

「どうぞお好きなものをお選びください。」

 そう一礼して、アピスさんは後ろにさがった。

 ...好きな物ねぇ。...とりあえず片っ端から見ていくか。

 それにしてもフリフリヒラヒラ、派手な物ばかりだね。作った人の趣味かな?

 楽そうなワンピとかシャツ系ないかな?

 そういえばズボンが見当たらないね。ドレスばっかりで...

 あっ。いいの見っけ。

 見つけたのは淡い黄緑色のシンプルなノースリーブのロング丈ワンピース。

 スカートの裾に広がる白のつた模様の刺繍が入った可愛い一品です。

 これかな?...背中にボタン多いね、着るのが面倒そうだなぁ。

 上は丸襟でシンプルな作りだし、ただ少し肌寒いかな?色の濃い羽織るものが欲しいね。

 羽織るものはどこにあるのかな?

 顔を上げて見渡すとバッチリとリカさんと目が合った。

「本日はそちらをお召しですか?」

 人懐っこい笑顔でショップの店員よろしく寄ってきた。

 ...聞いたほうが早いか。

「あと、色の濃い羽織るものが欲しいんですけど、どこにありますか?」

「こちらでございます。」

 示されたのは上にあるハンガーラック...見えない。

「そのワンピースでしたらこちらの羽織り物はいかがでしょうか?」

 出されたのは紺色のシンプルなカーディガン。

 胸元にある白で刺繍された四葉のクローバーがポイントだね。

「うん。それでお願いします。」

 即決!!ちょっと可愛すぎるコーデかもしれないけど子供だしいいよね?

 可愛いものは好きだしね。

 満足している私にフォルカーさんが近づいてきて一言。

「では、靴とアクセサリー、髪形はいかがいたしますか?」

 ...まだ終わらなかった。

 でもここまでくればあとは早いかな?

「先に靴を見せてください。」

 そう言われた場所には子供用の靴が50足ほど並んでいた。

「靴はこちらにございます。」

 足って成長するんだよ。

 こんなに沢山あってもさ、履かないうちに成長しそうなんだけど...

 んー。どうしよっかな?

 今日のこのワンピなら靴は黒か紺の靴に白い靴下で清楚で可愛らしくいきますか。

「んーと、あっこれ。」

 見つけたのは黒でリボンがついた光沢のある革靴。

「かしこまりました。

 それでは、ドレッサーにご案内いたします。」

 フォルカーさんにエスコートの為に手を差し出された。

 ...もう我慢しなくていいよね?

「一人で歩けますから大丈夫です。エスコートの必要ありません。」

「なっ!ですが...」

 うわぁ。凄い驚いてる。言い方マズったかな?

「大丈夫です。それより早く着替えましょう。」

 フォローが思い浮かばずに引きつった笑顔でフォルカーさんの手を引き寝室にあるドレッサーに足を向けた。





「変りすぎだろ、あれ。」

「確かにな。...リカ。

 俺は少し席を外す。殿下の相手をしてろ。」

「報告か?」

「あぁ。もう連絡は入っているかもしれんが、殿下の変わり様が凄まじいからな。」

「別人みたいだしな。」

「...おい、分かってると思うが気を抜くなよ。」

「分かってる。

 ...殿下の相手はしておく。」


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