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ジャノヒゲ女王国  作者: くまごん
2ー森の妖精王と遊ぼうー
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 目が覚めると王宮の寝室のベットの上だった。

 ...夢?...じゃないよね?

 きゃっはっーーーー!!

 なにあれ凄い!絵本みたいな世界!!まさにファンタジー!!!

 空まで伸びる大きな木に、輝く虹、中に入ればそこにいたのはいろんな動物、見たこともない植物に森の妖精王!!リスザルさん!!!あと、アスレチックも楽しかったー!!

 スズランに吸い込まれたらそこは不思議の世界でした。ってマジ絵本!!

 ...さいっっっこう!!!

 また遊びに行きたいなー。何だったら今すぐにでも!!


 コンコン


「リリアナ殿下お目覚めでしょうか?」

 この声はリーダー、アピス君かな?

 はい、はーい。...リリアナ起きてるよね?動こうよ。

「失礼いたします。」

 今日も王子様みたいに決まったアピスが勝手に部屋に入ってきた。

 もうさ、リリアナが何も反応もしないし何も話さないから勝手にやってるよね。

 手間はかからないだろうけど、世話しててもつまんないだろうな。

「お目覚めでしたか。

 本日はリドラス筆頭大公様よりお食事のお誘いが来ております。

 いかがなさいますか?」

 リドラス曾おじい様。大公だったんだ...

 なんかアピスからの視線が痛い?

 そういえば昨日、私がいなくなった後どうなったんだろう?


 コクン。


 見ましたか?奥様。見ました。今、リリアナが首を縦に振った!!

 祝!!初!アピス相手に反応したよ。

 ほら、アピスも驚いてこれでもかってくらい目を見開いてるし!

「かしこまりました。では、御準備をさせていただきます。」





 それから着替えてからアピスに抱き上げられて向かう先は中庭のバラが咲き乱れる庭園。

「おはようございます。リリアナ殿下。」

 曾おじい様は庭園入口で待っていたらしく近くまで行くと声を掛けられ、そのまま当然のようにアピスの腕から曾おじい様の腕の中へ。

 ...何だろうこの荷物扱い。

 歩けばいいんだけどリリアナが歩かないからなー。

 ボヤいていたらいつの間にか滑らかな白い石で出来た東屋に到着していたが、入らずに東屋近くの木陰に布とクッションが準備してあった。

 敷いてある布の上に優しく降ろされすぐにアピスによって膝の上にブランケットを掛けられる。

「さて。リリアナ殿下。食事にいたしましょう。

 なに、私と二人きり難しいことは何もありません。」

 二人きり?側仕え三人組が少し離れた場所で待機してるけど?

 曾おじい様がそう言って、黒パンを差し出してくれた。

 少ししてからリリアナが黒パンに手を伸ばして、下を向きながらモソモソとゆっくり食べ始めた。

 それを見て満足げに頷いた曾おじい様は自分も隣に座り黒パンを食べだした。


 この黒パンは銅貨一枚だって、平民の味だって、フィリップが言ってた。

 初めて会って時から顔は怖くてもずっと暖かくて、優しくて、いつも気にかけてくれて、大公様で、本当はこんな黒パンを地面に座って食べるような人じゃなくて...きっと、今日のこの時間はリリアナの為だけに用意してくれた。

 いつか自分で感謝を伝えられたらいいな。

 曾おじい様...いつもありがとうございます。


「リリアナ殿下、昨日はどこに行かれていたのですか?急にいなくなり心配いたしました。」

 心配した。確かにそう曾おじい様はいった。

 昨日、私は誰も私の事なんか心配しないってそう思っていた。

 違ったんだ。ちゃんと私を見ようとしてくれている人はここにいるんだ。

 ...ごめんなさい曾おじい様。心配させて。

「ごめんさい。」

 ...リリアナが小さい声だけど今、確かに話した。

 驚いたのは私だけじゃなくて、曾おじい様も少し離れた側仕えの三人組もリリアナを凝視してる。

「謝られたいわけではありません。そこは楽しいところでしたか?」

 コクン。

 リリアナが首を小さく縦に振った。

「どのようなところでしたか?」

 小さい声。だけど確かに聞き取れる声でゆっくりと舌足らずな話し方で話し出した。

「おーきいきがあって...きれーなおにーさんとおサルさんとあそんだの。あとおいしかった。」

 あれ?間違ってはいないけど?...向こうでは寝てたんじゃないの?

 なんで知ってんの???

「...そうですか、楽しかったようで何よりです。

 ですが、今度からお出かけするのなら()()()()()()くださいね。」

 優しい声と温かな眼差しは最初から何も変わっていないのに最後が特大の釘だ。

 すみませんでした。でもあれは、森の妖精王が悪いと思います。

 口に出していたらお説教になりそうなことを考えてると曾おじい様に頭を撫でられた。

「本当に心配した。...本当に無事でよかった。」

 それは間違いなく家族としての言葉だった。

「ごめんなさい。」

 リリアナと想いが重なった気がした。


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