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ここどこだろ?
泣き過ぎて頭が痛い。部屋が明るいから朝かな?
逃げ出す時にいた部屋のような豪華な寝室に一人で寝かされていた。
誰もいない。スイキンどこ行っちゃったんだろう?
とりあえず前と同じ間取りなら隣は応接室があるハズだから行ってみよう。
...体が動かない。ひさびさだね。この感覚。
「ふぇ。」
あーリリアナ泣かないで。
コンコン
?誰だろう?
「失礼いたします。リリアナ殿下。体調はいかがでしょうか?」
丁寧に礼をとって入ってきたのは黒いスーツを着て背が高く服の上からでも筋肉が分かる灰色の髪色を撫でつけている怖い顔をしたおじいさんだった。
...ダメじゃね。これ?
「ひっ。わーん。」
やっぱり泣き出した。
一人で心細いところに丁寧な言葉使いでもそれだけ怖い顔してればね。
「...こちらのタオルをお使いください。」
このおじいさん子育て経験あるのかな?昨日の女の人みたいに泣いているリリアナ見ても狼狽えないや。
「うっ。ひっ。くっ。」
リリアナが怖がらないようにそっとタオルを差し出してくれた。
「もうすぐ昼食のお時間ですので、お食事にいたしましょう。」
あれからしばらく経ちリリアナが落ち着いたころおじいさんに連れられて隣の部屋に行くとテーブルの上に豪華な食事が用意されていた。
「ひっく。あの、フィリップは?」
「...現在、第一級牢に収容されています。」
第一級牢!?なんで!!
「フィリップにあわせてくーさい。」
「まずは、お食事をいたしましょう。どのような物がお好きですか?」
「やぁ。フィリップ!あうの!!」
リリアナがまた激しく泣き出した。
・・・私が逃げるって言わなきゃ今もフィリップと一緒にいられたのかな?
でも、あのまま部屋にいたらきっと襲撃されただろうし...
誰かに助けを求めればよかった?誰に?分からない。
よくない頭でいくら考えても答えは出なくていつの間にか意識を失っていた。
私寝てた?寝た覚えないんだけど...
また寝室。誰が運んだのかな?日の差し込み具合から今は夕方かな?
「フィリップ。どこー?」
リリアナごめんね。私、頭悪くて・・・
「やぁ。...フィリップ。うぅぅ。」
リリアナがまた泣きだした。
「フィリップ。どこー?フィリップゥ...ウゥ。」
...よし!悔やむのは終わり!
これからのことを考えよう。泣いてるだけじゃ助けられないしからね。
切り替えていこう!
この様子じゃ考える時間は泣き疲れて寝落ちするまでしかないからね。
.........
うん。何も浮かばない。とりあえず状況整理。
フィリップは誘拐犯として第一級牢ってところにいる。
朝、見た筋肉執事さんなら詳しい状況が分かるかもしれないけど...
「フィーリップー。」
今のリリアナじゃ行動が一致なんて不可能だろうし、リリアナに順序良く説明しろというのも難しいことだよね。そもそもそれを伝える手段がないしね。
リリアナが自分で行動が出来るまで私に何も出来ないの?。これ。
リリアナー泣き止んでよー。




