表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

▽ 撤退

文章を書く能力がほしい

 

 下村が鹿間に首を捕まれ、息ができず意識が保てなくなっていく最中、聞き慣れた銃声音がした。

 その音がしたと共に首を掴んだ手は離された。

 意識が戻っていく中、確認すると

 鹿間は首を掴んでた右手を押さえ、私ではない誰かを睨みつけていた。


「おいおい鹿間。大切な部下を殺されたら困るな。」

「課長!」

「待たせたな。下村、勘槻。下がれ……後は任せろ。」


 鹿間の睨みつける方向には愛用の銃を構えた課長、後には特対の組織犯のメンバーが能力を発動し威嚇をしていた。

 数は敵の増援より遥かに少ない。

 だが、組織犯は能力などが優秀な者が集められた課。

 数の差は関係なかった。


「……ッチ。あんたコイツらの上司か?」

「そうだが?」

「上司ならもう少し部下の教育をしたらどうだ??弱すぎて反吐が出そうだったぜ?」

「それは失敬。なら俺が相手をしよう。」


 鹿間は数が有利だからなのか余裕の笑みを見せていた。

 私は勘槻を援護するため、鹿間から離れた。

 謎の少女は課長達が来たにもかかわらず、

 勘槻に攻撃を続けていた。

 私は勘槻に当たらないように氷の能力を使って威嚇をした。


「勘槻!離脱するよ。」

「先輩!気をつけて!この子供は…!」

「えへへ!えへへ!わんちゃんもう1匹!!あーそびーましょー!!」


 勘槻に攻撃をしていたはずの子供は

 凄い体制で勘槻の攻撃を躱し、

 凄い速さで後方にいる下村の方へ走ってきた。

 私は少女を止めるため遠距離攻撃をしたが、

 早すぎるため当らず、詰め寄られてしまった。


「狙撃……下手だね?こうやるんだよ?」


 少女は下村に向かって自分が持っていたパチンコをポケットから取り出し、ゴムを引く。


 私は危険を感じ、もう1つの能力を解放しようとした瞬間、声に似合わないお堅い言葉が聞こえた。


「パチンコを終いなさい。さもなくば撃ちます。」


 少女は急に止まり、パチンコのゴムを緩めた。

 困った顔をしていた少女の先にいたのは、

 銃を構えた警視庁統括部長 秘書の要 遥香(かなめ はるか) だった。

 少女は急に怯えた顔をして、暗闇に消えていった。

 要は後追いせず、私たちの元に駆け寄る。


「大丈夫ですか…下村さん、勘槻さん。」

「はい……ありがとうございます。

  要さんは何故ここに…?」

「たまたまです。一般の方が逃げていたので事情を聞いて。」

「その銃は……」

「あぁ……秘書ですが、一応警察なので持たされてるんですよ。」


 今の時代どんな危険があるか分からない。

 そのためか持たされていたのだった。


「そんなことより、まだ敵はいます。気を抜かないで」

「「はい。」」


 私達がそうしてる間にも、課長は鹿間と交戦をしていた。

 数は向こうが有利だが、力は課長達が勝っていた。


「なんだよ!なんだよ!!お前!!能力使わず俺と対等だと…!?チートじゃねえか!っぅ…」

「気が荒だっていると、自然と隙はできるんだぞ?知ってたか!鹿間!!」

「っぐぁ……っ……今日はここ迄だ……。ふっ……俺も暇じゃないしな…」


 押されてる状況に気がついた鹿間は、

 課長達から距離をとり意識のある仲間を引き連れ、暗闇へ消えていった。

 課長は無能力にも関わらず、命に関わる傷はなく鹿間と対等に戦っていた。

 鹿間との戦闘を終えると、

 課長は大きく深呼吸をしてずっと隠し持ってた恐怖を沈めた。


「動ける者はノイズの負傷者を連行しろ!手当は車でしてやれ。」

「課長!!よく鹿間と戦ったのに死ななっかたですね!!」

「課長、ありがとうございます。」


 私と勘槻は課長に駆け寄った。

 すると課長は下村のおでこに全力でデコピンをした。


「っあぃた!!!か、課長の全力デコピンはぁ、まじで…痛いのに…」

「ったく、お前たちは!!特に下村!!!まーた、一人で突っ込んだな!?」

「だってー!!保護対象追ってたら鹿間いたんですよ~!?捕獲するしかないでしょ~!?」

「…あ!!保護対象!!」


 下村は涙目でおでこを擦りながら課長に反論する。

 下村の言葉で、本来の任務を思い出した勘槻は焦った顔をしていた。

 その様子を見ていた課長は、勘槻の頭に軽くデコピンをし、

 安堵の笑顔を見せた。


「保護対象は無事保護した。鹿間の甘い言葉に乗せられて、遅ければ麻薬売人にされるところだったらしい。

 勘槻。お前も自分の任務放棄は関心しないな…。まぁ、どうせ下村が突っ走って勘槻を巻き込んだだけだろうが?」

「課長~!?何で、私が全部悪い!!みたいに言うの!?」

「違うのか?」

「………違わないですけど…。あ、今行きます。」


 全てお見通しの課長に反論できず、

 下村は不貞腐れた顔で、医務班に呼ばれ連れてかれた。

 すると、勘槻は課長に向かって頭を深々と下げた。


「私がついていながら、先輩に能力の制限を解かせてしまったこと、

 本来の任務を怠ってしまったこと、申し訳ございませんでした。」

「そう自分を責めるな。勘槻は悪くない。

 というか、下村の自我は残っているのは…お前のおかげだぞ?」


 今回の件、勘槻は自分を責めていた。

 自分が与えられた任務を遂行できなかったこと、自分の力が使い物にならず先輩に頼ってしまった事に。

 だが、課長は泣きそうな勘槻の肩を優しく掴み、思ってもみないことを言い出した。


「下村は単純バカだからな……お前が煩く力の制御をしろと言ってただろ?

 それが足枷になって全力を出さずに済んだんだ。

 全力で戦ったアイツの映像を見たこと有るだろ……アイツが自我を保てなくなったら何人死ぬか分からない。それに勘槻の能力は本来援護型だからな。あの状況じゃ仕方ないじゃない。」

「……課長……!」

「勘槻。お前は悪くない。

 俺はむしろお礼を言いたいよ。ありがとな。」


 課長は勘槻にお礼を残し要の元へ向かう。

 その場に残された勘槻は、予想外の事に胸が張り裂けそうになっていた。

 力が抜けたのかしゃがみこみ、不安から解放された安堵で、涙を流した。

あ、れ??


サム・バーキンスが、かっこいいだと!?

こんなはずでは!?!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ