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▽ 約束

 


「…んぁ…おねえちゃん…?」


 十足(とた)が目を覚ますと頼華(らいか)が十足手を握ったまま眠っていた。

 頼華の頬が濡れていることに気がつき、そっと拭った。


「…ぁ…んー?十足!!ごめんね、ごめんね……」


 頼華十足が起きていることに気がつき、安心して謝りながらが強く抱きしめた。

 十足はびっくりして現状の理解ができていない様子だったが、

 頼華が抱きしめてくれたことが嬉しくて、ゆっくりと頼華を優しく抱きしめ返した。


「うんん。謝らないでよ…」

「謝るよ~ぅう~!!!」


 頼華は十足を抱きしめながら大泣きし、

 落ち着いた頃には頼華の目は真っ赤に腫れていた。


「落ち着いた?」

「うん…おねえちゃんが泣いちゃった。」

「ね、僕が泣くところなのに」


 頼華はへらへらしている十足に頭を下げた。


「…ごめんね。先帰って。」

「ううん。いいよ。」

「怒ってる?」

「うん。」


 怒ってると言った十足の顔は笑っていた。

 笑っていたのだが、その笑顔はあまりにも怖くて

 頼華はまた泣きそうになる。


「ごめんなさい。」

「うん。だから約束して…俺を捨てないって。」

「…え?十足?」

「例え、お母さんが…世界中の人が俺を捨てたとしても、

 姉ちゃんは捨てないって……約束して。」


 笑っていた顔が、真顔に変わった瞬間。

 十足の何かが変わった気がした。

 頼華は戸惑いはしたものの


「…うん。私はどんな事があっても…十足を捨てたりしないよ。」


 今度は優しく、十足を抱きしめ、

 抱きしめられたまま十足は話し始める。


「…いじめられてるんだ。僕…」

「え!?」

「でも、大丈夫だよ。僕にはおねえちゃんがいるから。」

「大丈夫?」

「うん。」


 それ以上頼華は話に触れてはいけない気がして触れなかった。



 ― 次の朝



 朝、十足と頼華は手をつないで学校の近くまで登校した。

 人が多くなる手前の交差点で十足は手を離した。


「此処から別々に行こう。」

「どうして?」

「僕と居たらおねえちゃんまでいじめられちゃうからだよ。」

「ダメ。」

「え?」


 そう言って先に行こうとする十足の両手を強くつかみ、頼華は前に立つ。


「どうして、一人で背負うの?そんなの悲しいよ。」

「でも、そしたらおねえちゃんまで…」

「私達は双子だよ?悲しみも苦しみも全部分け合う…

 それが双子だって…昔、お母さんが言ってたでしょ?」


 その言葉を聞いた十足は泣きそうになったが堪え、精一杯の笑顔を見せた。

 二人は手をつないで学校に、教室に入っていった。

 その間いろんな視線を感じたが、二人一緒だからか自然と怖くなかったが、

 二人はクラスが違うのでずっと二人一緒にいることは困難だった。


「じゃあ、放課後また来るね…」

「…うん」


 仕方なく手を離した。

 その瞬間だった、異様な緊張で心拍数が上昇しているのが分かった。

 頼華は心配そうに教室を出て自分の教室にむかった。

 すると、頼華が去ってすぐに十足を”ムカデ人間”と呼んできた男の子達がやってきた。


「ムカデ人間、今の誰だよ」

「え。あ、え、ぅ…」

「答えらんねーの?」


 十足は答えてしまったら頼華にも迷惑がかかると思い言い出すのを拒んでいた。

 すると、体格のいい男子が十足の胸ぐらを掴む。


「答えろよ。口あるだろ?」

「…ぅぁ…お、おねえちゃん、だよ。」


 先日の恐怖のあまり十足は答えてしまった。

 すると男の子達は納得したかのようなそぶりを見せ、十足を離した。


「へぇ~。ムカデに姉がいたんだ。」


 そういうと何もせず去っていった。

 十足は安心したが、何かとてもよくない予感がしてならなかった。



 放課後、頼華と帰るために教室に迎えに行くと頼華の姿はなかった。

 十足は確認のため、勇気を出して教室にいた生徒に声をかけてみた。


「あの、千石頼華知りませんか?」

「あぁ…らいちゃんなら別のクラスの男子3人に呼び出されて

 どっか行っちゃったけど…」

「…え?も、もしかしてそれって、体格のいい男の子と少し釣り目の男の子、

 坊主頭の男の子の3人組ですか!?」

「うん、そうだけど…あ、もしかしてらいちゃんの弟君?」

「あ、はい。」

「よかった!はい、これ!」

「…!?」

「ありがとう。ごめん、急ぐから!!」

「あ、うん。」


 その女子生徒ポケットから紙を取り出し十足に差し出す。

 十足は中身を見ると青ざめ、急いでその場を去っていった。



 ― 23年後、現在


 暗い部屋でずっと頼華の話を聞いていた謎の少女は、笑顔で聞いていた。


「今の千ちゃんならそんないじめっ子、殺しちゃうかもね」

「…。十足が初めて人殺したのが何歳か知ってる?」

「えー?わからないよ~!」


 そんな笑顔に対して頼華は深刻な顔をして答えた。


「…7歳よ。」


 その答えを聞いても、少女は笑顔のままだった。

うわあああああ十足と頼華かわいいいよぉおおおおお


双子最高

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