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妖狐の異世界転生旅  作者: ポポ
第1章 死そして転生
3/50

招かざる客&誕生日

読みにくいかと思いますが、よろしくお願いします!

時間がありましたら、大幅な編集をしたいと思います!


11話以降は読みやすいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

家に帰り、厩舎に馬を入れてから家に入るととてもいい匂いが鼻をくすぐる。


「わぁ、いい匂い……」


「あ、お帰りなさい。貴方もシャイトも手を洗って来なさい」


「「はーい」」


父さんと一緒に手を洗いリビングに戻ると食卓の上にはスイートポテトが乗っていた。


「スイートポテト?」


「あら、よく知ってるわね。どこで知ったのかしら?」


「ご本で読んだよ」


子供口調でそう応えながら行儀良くスイートポテトを食べていく。

隣では口周りを汚して夢中でかぶりついているフィルがいるので思わず笑ってしまうと怒り出した。


(楽しい!前世の俺じゃ考えられない生活だ。

間違えた神様らしき人物に感謝しなくては)



そんなこんなで夕食も済ませて、夜寝る時間になる。


寝る場所は3歳になった頃から2人の部屋が設けられたので、そこでフィルと2人で寝ている。


あの2人は夜も盛んだからね。


シャイトたちが寝室ににはいって1時間たった頃だろう。女性の艶かしい声が聞こえてくるが、子供の身体になったためか生理現象が全く起こらない。

まあ、それはそれで楽だからいいんだけどね。


そのまま聞こえないふりをして本当の眠りにつく。

しかし、殺し屋時代の名残か、熟睡していてもいつ戦闘になってもいいように夜も感覚が研ぎ澄まされている。

今回はそれに助けられたというべきだろう。



夜、1人目を覚ます。


フィルを起こさないようにそっとベットから降りて近くの机の上に置いてあるバタフライナイフを手に取り刃を取り出す。


部屋を抜け、階段を降り、リビングに向かうと人の気配がするのでリビングにつながっている扉をそっと開けると1人の男が侵入して来ていた。


外見は、身長180センチの中肉中背、上も下も動きやすそうな黒色の服で、靴も鉄板が仕込まれていると思われる戦闘履。腰にはダガーと呼ばれている剣を下げており、明らかに招かざる客人だ。


そのまま何もせずに自然体で扉を開け、男の前に立つ。


今から使う戦法は子供や保護欲をそそるような外見でないとダメな戦法なのであまりオススメは出来ないが男の正面がシャイトが隠れていた扉だったので仕方なくだ。


男は一瞬シャイトに驚いた様子を見せたが、子供の姿で”何も持っていない“ように見えたので警戒心を解き父と母の居場所を聞いてくる。


(何も持っていないように見えるからって警戒心を解いちゃダメでしょ)


そんな理由もあったが、最大の理由は外見が子供だからだろう。


袖に隠していたバタフライナイフを素早く取り出し、男の喉元に刃先を当てて押し倒す。


子供が男の大人を押し倒す姿は異様な光景に見えただろうが、重心さえどうにかしてしまえば簡単に倒せるのだ。


「な、なぜ!?」


「しー、うるさいよ。近所迷惑。それから、人は見かけによらないってね☆誰の差し金だ?」


最初は子供口調で話したが、最後はドスの効いた声で問いかける。


(俺って子供なのにこんなドスの効いた声出せんだな……)


「ひっ、ど、どうか命だけは……!」


「だから、うるさいってば。殺すよ?」


「わ、わかりました。話しますんで命だけは……!」


「わかった。考えとく。で?誰の差し金?」


「隣の王国のトリビア子爵現当主です」


うわぁ自分の命の為だけに依頼人の名前を言うとか殺し屋失格だな……だが、こちらにとっては都合のいい情報だ。


蔑みの目を男に向けながら礼を述べる。


「ふーん、ありがと」


そう言って俺はこの男が侵入したと思われる窓から男を突き放し逃す。

しかし、俺はそんな甘い男ではない。


死体遺棄の面倒が減っただけと考えたのだった。


俺は容赦なく逃げている男の背中の心臓の位置を一突き。

刺した場所からは大量の血が溢れ出してくる。


「がはっ……な、なんで?…命だけ、は助けてくれるって……」


「考えとくって言ったの。わからなかった?」


不敵な笑みを浮かべながら男の疑問に素直に応えてから、ナイフを引き抜き、男の服で血を拭ってからその場を立ち去る。


死体は適当な魔物や獣が処理してくれるだろう。


家に戻った後は何事もなかったようにベットに潜り込み、朝を迎える。



翌日、昨日何事もなかったように起き出し、いつものように過ごしていく。


そこから更に数ヶ月、五歳の誕生日を迎えた。

シャイトがフィルと同じ年齢だとわかったために誕生日を同じにして双子ということにしたのだった。

もちろんこの事をフィルは知らないし、父さんと母さんの2人はシャイトにも知られていないと思っている。


そして、この世界では誕生日パーティー的な事は5年に一度、5の倍数の年にやるらしいのだ。

ちなみに、この世界での成人は15歳で、酒の年齢制限などないので、5歳児でも酒は飲むことができるが、まだ舌には合わない。


午前中に父さんが買い出しに行き、シャイトとフィルと母さんの3人で家の飾り付け、そして午後になると父さんや母さんの友達が遊びに来た。


何度も遊びに来てもらったことがあるのは4人の内3人で、残り1人は他の大陸を拠点として活動しているため、あまり会えないそうなのだが、今日は偶然近くに来たのでよったとのことだった。


しかし、その4人が問題だった。


1人は現王国騎士団団長、元勇者一行(男)。

1人は王国研究員、元勇者一行(女)。

1人は現国王、元勇者一行(男)。

1人は放浪人、元勇者一行(男)。


最後の1人は問題ではないか…


いや、誕生日に勇者パーティーが揃うってなんかヤバくない?

何がヤバイのか分からないが……


とにかく、昔の仲間が勢ぞろいしてワイワイと楽しい明るい空気になっている。


名前は、

騎士団長がアレイド(アレイド・クロード)

王国研究員がミルファ(ミルファルファ・シクロイ)

国王がレイモンド(レイモンド・フォン・ミルハイド)

放浪人がトーラス(トーラス・マンド)だ。


パーティーは順調に進んで行き、終盤に入る。


「フィル、シャイト。これはお父さんとお母さんからのプレゼント」


そう言って母さんからもらったのは、2人とも同じ大きさの箱だった。


「開けて見てもいい?」


フィルがそう問うと、2人が頷いたので一緒になって開けると中には木製のワンドが入っていた。

フィルのはレリーフが彫られており、シャイトのは無地だがいくらでも改造ができそうな感じだ。


本で読んだのだが、ワンドの効果は表面に彫られている模様や文字で変わると書いてあったので、俺のは今特に模様や文字がないので改造が可能ということだろう。


「「ありがと!」」


決して被せるつもりはなかったのだが……

そんな二人の子供に2人は微笑みを浮かべた。


今日から魔法解禁だ。


アレイドさんからは、フィルは女の子でも使いやすそうな短剣。シャイトは子供ように作られた直剣。

ミルファさんからは、ワンドと同じ効果を発揮する指輪を2人お揃いで貰い。

レイモンドさんからは、魔導具の効果が付与される前のお揃いの服。

トーラスさんからは、珍しい宝石を数個貰った。


皆んなにお礼を言ってから母の部屋から魔導具生成の本を取り出し、読んでいく。


魔導具生成の仕方は、まず魔導具にするものを用意する。

次に付与したい魔法と関連性のある模様や文字を彫る。

最後に彫ったところに鉱石を粉末状にし、金属に溶かしたものを流し込む。

この時注意することは流し込む時に付与したい魔法をイメージしながら流し込むことだ。


とっても簡単だ……正直簡単すぎて何度も見返した程だ。


今はまだ夕方なので1つくらい作る余裕があると思い母に許可を貰ってから作ることにした。


「母さん!なんか金属ある!?」


「どうしたの?なんで金属なんか必要なの?」


「魔導具作る!」


「え!?じゃあ、作り方はわかるの?」


「本で読んだから大丈夫!」


「で、でも、危ないし」


「シャリル、私でよければ見るけど?」


「そう?なら、よろしく。この子こうなったらブレーキが効かないのよね」


母さんが困ったような顔をしながらミルファに頼んだので、俺はミルファさんにお礼を言ってから母さんに金属を渡してくれるように頼む。


「う〜ん、いいのがないわねぇ」


「シャイト君、私が出してあげようか?」


「本当!?」


「うん、ちょっと待っててね『魔力よ・金属を成せ』」


今、ミルファさんが言ったのは詠唱と言われるもので、無詠唱より効力が増し、魔力制御が簡単になるのだ。


先程の魔法で作り出して貰った純銀を今度はかなりの温度で熱して溶かし始める。


溶けるまでの間に彫刻刀の様なものを取り出してワンドに模様を彫ろうとしだすと母さんに止められた。


「まだ危ないでしょ。私がやってあげるからどんなデザインにするの?」


彫ろうとしていたデザインは少々複雑なのでワンドに直接書き込んでいく。

その様子をフィルと母さんとミルファが興味深げに覗き込んでくるが多分何書いているかわからないだろう。


なにせ今ワンドに書いているのは漢字だからな。


なぜ、漢字かというと漢字なら1つの文字で何個でも表現できたり、文字の省略にも繋がるからだ。


「何書いてるの?」


フィルが聞いてきて、別に隠す必要もないので正直に応える。


「漢字って言って難しい文字だよ」


「どこの文字だ?見たことないな…」


この質問はトーラスさんだ。


彼は世界中歩きまわっているのでこの世界の言語はほとんど知り尽くしているのに知らない文字が出てきたので興味を持ったのだろう。


知らないのも当然だ。この世界の文字ではないのだから。


表面にびっしりと書き込んで母に彫ってもらう。


書き込んだのは、威力倍増、魔法補助、想像、変幻、情報処理速度倍増、接触常時発動。

この6つだ。

威力倍増はその名の通り、威力を倍増させるもの。

魔法補助も言葉通り。

想像は想像したものをすぐにイメージに変えることを可能にするもの。

変幻はワンドの形状だけでなく、俺がイメージしたものになってくれるというもの。

情報処理速度倍増とは五感から入ってくるもの全ての処理速度をあげるもの。

接触常時発動は身体の一部に触れていることでワンドの効果を常時発動できるもの。


まあ、効果はこんな感じだ。


そのあとは、溶けた純銀に先程貰った宝石を粉末状にして混ぜると銀色からエメラルドに変わった。

その液状化した銀を彫って貰った所に綺麗に流し込む。


円錐形なので流し込むのが物理的に不可能な為魔法を使ってイメージを固めながら流し込み、一瞬で固める。


おー、ダークブラウンの木の色に、エメラルドの文字がびっしりと入ったワンドって中々かっこいいな…

ワンドだけに限らないが。


しかし、漢字は失敗したな…今度は英語にするか。


心の中で英語になってほしいかな……なんて呟いたので、文字が変幻し、筆記体になった。


変幻ってこういうのにも使えるんだな。


早速使って見たくなったが、まだ魔力制御なんて出来ないので、魔力制御を完璧にしてから使うことにした。


また、フィルのを見せて貰うと模様は蔦と花と葉とそこで遊んでいる妖精のレリーフが入っており、効果は風に愛されるというものだった。


何にか意味あんのか?


ミルファさんに聞くと、シャイトのワンドが異常なだけであって、子供が使うワンドは最初はこんなものだという。


その後も楽しくパーティーが続いていき、あたりが夕焼け色に染まるとお開きになった。


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