世界の成り立ち
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夕食を食べ終えたシャイトは、片付けを他の四人に任せてバハムートの隣まで歩いて来ていた。
バハムートは既にというか、最初っから虫の息であった。
シャイトには治癒系統の魔法が使えないのでどうにもならないが、欠損した部分の再生はできる。無機物でも有機物でも、なんでも可能だ。
シャイトの指先から流れ出漆黒の霧がバハムートの巨体を包み込み、傷を塞いでいく。
先程の家のように逆再生でもするかのように……少々気持ち悪い。
漆黒の霧が晴れると、バハムートの体に傷は一切見当たらず、完全体だ。
あとはバハムートの自然治癒力を期待するのみだが、シャイトが目を覚ますまで待つはずがない。
暗黒物質を魔力に変換し、その魔力で純粋な身体強化を施したシャイトは片足を振り上げて思いっきりバハムートの顔面を蹴り上げる。
ズゴォン
とてもではないが、何かを蹴った音ではない。何かが爆発したような音がした。
「おいおいおいおい、この程度でくたばる奴だったか?俺の知ってるバハムートはもっと強かっただろ?腑抜けちゃって」
ピクリ
「はぁ……これだから図体だけがでかい奴は。女神の家臣も落ちぶれたもんだな」
ピクピク
「てか、女神のやつまだこんなクソ野郎飼ってたわけ?馬鹿なの?クソなの?死ぬの?」
ガバリッ
『我を罵るのはいいが、我が主人を罵るのだけは許さんっ!!』
「やっと起きたか、耄碌したジジィドラゴンめ」
『むむむ?この罵倒……もしや、お主、妖狐であるか?』
そう、シャイトとバハムートは面識があった。
正確には、妖狐とバハムートなのだが……まあ、そんなことはどうでもいい。同一人物なのだから。
「ああ、久しぶりだな。ジジィ」
『けっ!まだ1500年ちょいしか生きておらん小僧に言われたかない』
「一万年以上生きてるジジィに言われたかねぇな。さっさと死ね。アルシャファルが迷惑してるだろうが」
『そんなのは我が主人が決めることだ。お主は黙っておれ』
千五百年と一万年。普通の人間では想像もつかないレベルの話を繰り出すシャイトとバハムート。
お互い罵倒を投げかけているが、そこに険悪なムードは一切ない。
「それより、腕落ちたか?」
『お主が強くなったんじゃ。認めたくはないがな……あ、あとあの子娘達はなんじゃ?人間の形をしている人外か何かか?』
女神の家臣であるバハムート。そのバハムートをシャイトと一緒とはいえ、圧倒したのだ。バハムートには、普通の人間には思えなかった。
しかし、人外とは酷い言い草だ。彼女たちが聞いたら心外だと言って断固として認めなかっただろう。
「エレノアとアリスの二人はあまり分からない。あの二人は最低でも六百年は生きてる。それと、葵とフィルだが、俺の娘と妹or姉だ」
『妹or姉って……随分と適当じゃの』
「しゃぁねぇだろ。分からねぇんだから。詳しくはあの老害クソババァにでも聞いてろ」
『我が主人を貶しているのか褒めているのか分からんぞ……』
ジト目でシャイトを睨め付けるバハムートだったが、一息吐くと、翼を広げて地面から飛び立つ。
「おい!まだ何も聞いてねぇぞ!」
『我は調べることができた。詳細についてはそこの袋の中を見るがいい。正しい判断を下す事を切に願う』
それだけ述べると、バハムートは夜闇に紛れて消えてしまった。
戦闘の余韻で荒れ果てた草原には、シャイトと家と拳大の袋が置いてあった。
バハムートが言っていた袋とはこのことなのだろう。シャイトは、その袋を拾うと、家に向かって歩き出した。
ガチャリ
ボフッ
自分の部屋の中に入ったシャイトは、そのままベットに倒れ込み、仰向けになる。
袋の中に手を突っ込むと、中は意外に広い。空間拡張を施された魔導具だろう。かなりの高級品だ。
袋の中に入っていたのは、バハムートの鱗が数十枚と、歯が数本。あとは、一本の巻物だった。
鱗や歯は、何故入っていたのか分からなかったが、バハムートはそういうやつだったというのを思い出して脇に置いとく。
問題は、一本の巻物だ。
外見は、綺麗な青色の巻物。しかし、然るべき人物が見たのならこれは只の巻物ではないことぐらいすぐに気がつくだろう。
留め金を外し、開いていく。
☆
今から約50億年の時を遡る。
今から50億年も前と言ったら、この異世界の星アルシャファルが誕生した頃だった。
そして、その星には、全知全能の神が遣わした下級神が十七神存在していた。そのうち、七神は神法(魔法の上位交換)と呼ばれる名手。もう七神は剣技の名手。残りの三神はそのどちらも優れた神だった。
☆
三十億年が過ぎた。
アルシャファルは地盤が安定し、生命が誕生した。地球と同じく最初は水から。そして、陸地へと移って行き、空へとも飛びだった。
☆
さらに、十億年の時が過ぎた。
ついに、知的生命体が誕生したのだ。
獣と人間の中間。
後に、獣人と呼ばれるものたちの誕生だった。
それ以前にも知的生命体が生まれていたのだが、種族繁栄に繋がらなかったのだ。
対してこの獣人は、獣の身体能力と、神から与えられた魔法。そして、知識を使い、基礎ができた。
しかし、それも長くは続かなかった。
獣人が死滅し、次に誕生したのは人間だった。
獣人たちが残した知識と魔法。そして、獣人たちにはできなかった剣技の開発。
唯一、その全てを使い、繁栄し、この地に根付いたのが人間だった。
歴史書には最初の人類が人間と書されているが、実のところは違うというわけだ。
☆
さらに、二億年ほど経った頃には、この星全土に人間が根付いた。
実にいいことだ。
しかし、神たちは何を思ったのか、人間から魔法技術を奪ってしまった。
☆
そして、何千万年という時が過ぎた頃には科学というものが発展していた。
ロケットに銃。瞬間転移装置に浮遊技術。様々な技術が創り出され、次第に人々の記憶から神の存在は消えて行った。
神たちは人間の進歩を興味深く観察していたのだが、それに疑問を持ち始めたものがいた。
後に“邪神”と呼ばれる神であった。
そのものの疑問は時が経つにつれ深まって行き、それが、恨みに変わった。
ここまで手助けしてやった神たちを忘れるとはどういうことだ。
何故感謝をしない。
こんな感じのだ。しかし、その邪神以外は、全く疑問を持っていなかった。
むしろ、喜ばしい進展だとも騒いでいたほどだ。
それが余計に疑問を加速させて行った。
☆
さらに何千万年という時が経った。
人間たちの技術はどんどん上がって行った。
今では宇宙に進出し、他の惑星に移り住んでいるほどだ。
なぜ、移り住んでいるのかというと、アルシャファルに存在する資源が底をつき始めていたからだ。
宇宙に進出する際には他惑星の知的生命体とも戦争をしていた。
SF映画みたいな宇宙戦争というやつだ。
☆
宇宙戦争から三億年ほどがすぎ、人類が宇宙に広がった頃、神たちは創造神の命で宇宙の外側にて集まっていた。
この時に集まったのは下級神から昇神した上級神十七柱のうち、十六柱だった。
一柱かけていたのだが、誰がかけているのかは御察しの通りだろう。邪神だ。
『皆に集まってもらったのはアルシャファルから生まれた人間たちのことだ』
皆沈黙して主人の言葉に耳を貸す。
『我はこの宇宙に存在する生物たちに手を加えたくはないが、仕方あるまい』
『では、見守るだけでいいのでは?』
『流石にやり過ぎた』
一柱が手を挙げて質問をするが、すぐに言葉に詰まる。
確かに、あの人間たちはやり過ぎた。
他惑星に住む知的生命体と共存するわけでもなく、惨殺し、自分達の土地とした。
まだ、一つや二つだけなら神たちも黙っていたのだが、被害はすでに数十にも及ぶ。
『我ら神は人類に宣戦布告をし、一度滅亡させる。意義は?』
『『『……』』』
『沈黙は意義なしと捉える』
それだけを言うと、そこに集まっていた全ての神が一瞬にして姿を消した。
そうして、後にも先にも、これ一度きりと思われる神話大戦が幕を開けた。
☆
神話大戦は悲惨の一言に尽きただろう。
天使の軍勢と人類の軍勢。
数は圧倒的に人類の方が勝っていたが、いかせん地力が違う。
どちらも神に造られた存在なのだが、天使には神法というものがあった。
白く黄金に輝く羽を広げ、頭にある光輪を高速回転させ、超強力な超圧縮レーザーを放つ。
その破壊力は人類の持つ宇宙戦艦の主砲と同等か、それ以上。
一個体だけでそれなのだ。人類に勝利の二文字は最初っからなかった。
最初のうちは、拮抗した戦いだったのだが、徐々に徐々に神側が優勢になって行き、神たちが勝った。
それが一億年前のこと。
この神話大戦で消滅した神は十七柱中十四柱。三柱のみが生き残っていた。
人類が神を殺せることを証明した戦いでもあった。ことが神話大戦最大の失態だろう。
☆
そして、アルシャファルに再び知的生命体が誕生した。
今度は、人間、獣人、魔人が同時に。
二柱の神は人類に再び魔法技術を与え、呪いをかけた。
“技術進歩を遅らせる”という呪いだ。
しかし、この呪いをかけたせいで、すでに瀕死に近かった一柱の神が長い眠りにつく。
永遠ではないのは、死んではいないからだ。
自分を自分で封印し、時間の流れを止めたのだ。
そして、現在に至ると言うわけだ。
☆
シャイトはその長い長い巻物を元に戻して、袋にしまう。
女神とは直接会ったことがあるし、封印した神も水晶体になっている状態でなら見たことがある。
しかし、生き残った残り一柱の神というのは、邪神のことだろう。
そして、巻物を終い終えたら出現するように仕掛けられていたのか、一通の手紙がパラリと落ちた。
『妖狐よ。認めたくはないが、其方の力は絶大だ。どうか力を貸してくれ。力を貸してくれるというのであれば神城に来るといい。
覚えておろう?
女神・アルセイド』
「…………珍しいこともあったもんだ。……もしかして、明日滅ぶか?」
そんなことを呟きながら、クシャッと丸めて屑篭に投げ入れる。
すると、突然発火し、どこかに引火することもなく灰になった。
☆
バハムート襲来から約三年の時が経ち、シャイトとフィルの誕生日を迎えた。
今年で15歳になる二人。
この世界では、15歳から成人と扱われ、酒も葉巻も……とにかく、なんでもOK♪になる。
誕生日パーティーも開いてもらった。まあ、参加人数はシャイトとフィルを合わせて五人だったが……。
エレノアからは、今まで使っていた剣では使いにくかろうと、儀礼用と実践用を兼ね備えた艶無しの黒い剣だった。
材料は、バハムートの鱗を剣身に使い、剣心にバハムートの歯を使ったそうだ。
儀礼用も兼ねているというだけあってとても煌びやかだった。
使う機会はあまり無いだろう。
普通に買ったら……いや、買えずに国宝指定されるだろう。
アリスからのプレゼントは今持っているワンドの改良だった。
性能も格段に上がり、こちらも国宝指定されるのでは無いかと思わせるほどのものだった。
今現在は、ネックレス形状になってシャイトの首に掛かっている。
葵からのプレゼントは……大きな箱だった。
いや、中に何か入っているのかはわかるが……中身もだいたい想像がつく。このリビングに葵がいない時点で明白だろう。
というわけで、放置。
最後にフィルだが……こちらは葵と違ってちゃんとしていた。
包みの中を開けると、藍色のローブが入っていた。
機能性も抜群で、見た目もいい。儀礼にも実践にもつかえるものだ。
あと、普通のローブと違う点を挙げれば、羽織るタイプではなく、袖を通すところがあり、前で止める金具も付いているところだろうか……?
あ、あともう一つあった。
名前
シャイト・アーカイド♪
将来の旦那様ッッッ☆
であろうか……。
なんでシャイトがフィルに恋心を抱かれたのか本人にもわからないのだが、一つだけ言えることがある。
フィルは本気だと言うことを。
約二年前に遡る。
夕食を済ませ、本を読みながら休んでいたシャイトのところにフィルがやってきて、いきなり告白したのだ。
「シャイト。私、あなたのことが好きみたい。だから、恋人になってくれない?」
「………………ん?」
さすがのシャイトでもたっぷり10秒ほど置いてから返事を返した。
「だから!私と付き合って!」
「いやいやいやいや、俺たち兄妹だよ?そこらへんわかってる?」
この世界でも近親婚は認められていないし、近親交際も認められていない。いとこ同士は可能だが。
「正確には兄妹じゃ無いでしょ。義理が付くわけだし、何より、公的には私達は兄妹じゃ無い!」
回想から復活したシャイトは引きつった笑みを浮かべるしかなかった。
あの日から、フィルの熱い視線ものらりくらりとかわし続けたのだ。
まあ、あの時、断らなかった代償が今返ってきていると思われる。
そして、シャイトがフィルに贈ったプレゼントはブレスレットだ。
前回はシャイトお気に入りのナイフをあげたのだが、女心をわかってないと言われてしまい、今回はブレスレットにしたのだ。
勿論、ただのブレスレットなわけがない。
魔導具でシャイトの自信作だ。
魔力タンクと断絶魔法障壁の二つが付与されている。
魔力タンクとは文字通りで、魔力をストックすることができると言うものだ。一般市場にも広く出回っているものだが、容量が違う。
一般的なものは、五千から一万ほどストックできるが、これは、十万ほどストックできる代物だ。
もう一つの断絶魔法障壁とは、魔力タンクに魔力がストックされている時、そのストックされている魔力を使って魔法障壁を展開するものだ。
絶対無比なるもので、《ディレイトキャノン》でも数秒は耐えることができる。
ブレスレット装着者に対しての不意打ちがあまり効かなくなると言うことだ。
実に優れものである。
売ったら五千万ルイスはくだらないだろう。
そうして、パーティーは無事に終わり、片付けに入った頃、シャイトが放って置いた“箱”がガバッと開いて、中から身体中にリボンだけを身につけた葵が出てきた。
「私のこと忘れてないっ!?」
「あえて放って置いたのだけど……」
「ひどいっ」
葵は目尻に光るものを付けながら自室に閉じこもってしまった。
(はぁ……どうしろってんだか……)
フィルは恋敵が脱落しそうで表情に出してはいないが、喜んでおり、エレノアとアリスは心配そうな視線を葵の部屋へと送っていた。
その日の夜
コンコン
シャイトは葵の部屋の前にきていた。今日のことを誤る?ためだ。
幾ら何でも開けてやるべきだったと今では思っており、反省もしている。
「葵いるか?」
「………」
返事はないが、中に気配があるのでいるのだろう。
シャイトの言葉を無視するほどとはかなり心にきたのだろう。今まで、数回しかシャイトを無視したことがないのだから。
「葵〜、入ってもいいか?」
「………」
やはり、返事はない。
ドアノブに手をかけ回す。シャイトとしては、鍵がかかっているものと判断していたのだが、意外にも鍵はかかっていなかった。
「さすがに鍵くらいは閉めろよ……誰か来たらどうすんだ?」
「夜這いなら大歓迎。侵入者には気付く。だから開けとく」
いつものシャイトに対する口調ではなく、眼鏡に話すような口調。
かなり付き合いのある人物にのみ向ける口調になっていた。
シャイトはベットに腰を落ち着けて、毛布に埋まっている葵の頭を撫でる。
15歳が24歳の頭を撫でているのだが、肉体的には同年代くらいに見える。
シャイトの血と言うべきか、妖力と言うべきものか、はたまたそのどちらも流れているからか、葵は年を取っていない。10代後半に見える。
「柄にもなくいじけてんなよ。ポジティブなところがお前の売りだっただろうが」
「謝って」
「ごめん。さっきはマジで悪かったから」
ピョコンと頭部から猫耳をつけた葵が頭だけを出して、シャイトを上目遣いで見てくる。
決して計算して可愛くしているのではないのだろうが、とてつもなく可愛い。
「心の底からそう思ってる?」
「思ってるよ」
あまり葵の顔を凝視していると変かと思い、目線をそらしながら答えるシャイト。
その表情や仕草がたまらなく胸に突き刺さった葵は、舌なめずりをしてから肉食獣のような炎を宿し、
「じゃあ、許すよ。けど、条件があるんだけど」
「なんだ?」
「一晩ここで過ごして」
(ぐへへへへ……!ここで抜け駆けしてフィルと差を付けるっ!男女関係にまで発展すればさすがにフィルも手を出さないはずだし……!!!)
葵の計画は、シャイトをここで一晩過ごさせ、混成事実を作る。そして、自分がシャイトのお嫁に行くと言う寸法だ。
そんなこと、シャイトが見抜けないわけがなく、その日の晩は鉄壁の防御を敢行された。
できたことといえば、シャイトの腕枕と、シャイトを抱き枕にすることと、頬にキスをしてもらうくらいだった。
翌日の朝、シャイトが葵の部屋から出て来たところを目撃してしまったフィルとひと騒動あったのだが、それは置いとこう。
今は、ダイニングで朝食をとっているところだった。
「成人にしたことだし、ここから出て世界を見て来たら?」
突然そう切り出したのは、アリス。エレノアも同意を示していた。
シャイトはすでに世界各国全て回っているのだが、それは百年前の話であり、今の話ではない。すでに回ったことがあるなんていったら自分が妖狐だと言うことがバレるかもしれない。
まあ、シャイトとしてはバレても何も問題はないのだが、どこから世間にバレるかわからないし、バレるとかなりめんどくさいので、極力隠す方針をとっている。
そして、シャイトとしても一度は神界に赴かないといけないと思っていて、どう理由をつけようか迷っていたところだったので、渡りに船だとそれに賛成の意を示す。
「俺としてはそれもありかと思う。別にこれでさようならではないだろうし」
「私もシャイトが行くならそれについて行くまでよ」
そして最後に朝からシャイトにベッタリな葵が答える。
「普通に旅してもつまんないから、バラバラに転移していこうよ!勿論私と私のパパは一緒に♡」
言外に“フィル!お前はいらねぇんだよ!”といっていることに気づいたフィルは眉をヒクヒクとさせているが、それよりも決定的にフィルを怒らせるものがあった。
“私のパパ”
「葵のシャイトじゃ無いでしょ?私のよ!」
いつものバチバチと電流が流れている錯覚を引き起こす視線が交わり、朝のひと時が過ぎて行く。
神界に行くのがかなり遅いような気もするのだが、寿命という概念が存在しないものたちにとって二、三年というのは一、二週間もしくは、二、三日と同じくらいの感覚だった。
シャイトたちが旅立つのはあの朝から一週間が経った日だった。
結局、みんなバラバラで行くことにはならず、三人同時に行くことになった。
「じゃあ、また今度会える日までお別れだな」
「そうね、また今度」
軽く別れの挨拶をしてから下山して行く。
下山といっても草原をただただ歩くだけなのだが……
☆
下山して行くシャイト達を見送ったエレノアとアリスは家の中に戻り、アンティーク調のイスに向かい合わせにして座る。
「妖狐、あの人が唯一お母様が手こずった相手かぁ……後1ヶ月もここに入られたら私も惚れてたかも」
そう口にするのはアリス。
「私はもう惚れてるんだけどね……」
頬を朱色に染めているのはエレノアだ。
「「帰りましょうか」」
二人していった言葉を最後に、草原にあった一軒家は跡形もなく消え去っり、草原という空間も陽炎のように消え去った。
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今後ともよろしくお願いします!!
亜神になって異世界転移しちゃいますってやつも投稿しているので、よかったらそちらも見てください。




