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妖狐の異世界転生旅  作者: ポポ
第1章 死そして転生
11/50

反撃の気配

よろしくです!

アメリカ・ニューヨーク


そこにある高級ホテルの高層階の一室。

17歳になろうかと言う年齢の頭部から“猫耳”、臀部から“猫の尻尾”を生やした少女がそこにいた。


少女は下着の上からダボダボな男物のパーカーを羽織り、右手にコーンスープの入ったマグカップ、左手にパンとベーコンエッグを乗せた皿を持ち、60インチ程の大きなテレビの前にあるソファに腰をかけ、朝食にする。


いつもはつけないテレビを気まぐれでつけると、朝のニュース番組が放送されていた。


『It's a newsletter. The highbinder who will call himself a handle name "SANATOSU" in dawn Japan on January 26 was shot to death.

"SANATOSU" the highbinder who will introduce himself,〜〜President,〜〜President,〜〜the Prime Minister,〜〜a queen,〜〜it's thought to have participated in the first prince unsolved assassination case, and the police is checking a relation between other unsolved murder cases.

By the next news ……』


(速報です。1月26日未明日本国内でハンドルネーム『サナトス』を名乗る殺し屋が射殺されました。

『サナトス』名乗る殺し屋は、〜〜大統領、〜〜大統領、〜〜総理大臣、〜〜女王、〜〜第一王子などの未解決暗殺事件に関与していたと見られており、警察は他の未解決殺人事件の関係性を調べています。

次のニュース……)


コーンスープの入ったマグカップが床に落ち、部屋中にガラスが割れる音が響き渡る。


「そ、そんな……う、嘘でしょ?……“パパ”こんな簡単に……あり得ないあり得ないありえないありえないありえない!!」


少女は頭を抱え、俯きながら、翡翠色の綺麗な目を死んだ魚のように濁らせ、独り言を呟く。

その独り言は切なさと、怒り、そして何より悲しみの感情が強かった。


しかし、テレビに表示されている『サナトス』の年齢は20歳。少女の年齢は17歳。

どう考えても親子同士の年齢ではない。


少女はソファから立ち上がると、パーカーを一旦脱ぎ、外に出れるような格好をしてからまた同じパーカーを羽織る。


黒の胸に“I am a hitman!”と印刷されたパーカーのフードを被り、下半身は、ジーパンという格好だ。


一見、どこにでもいそうな少女だが、いくつか違う点がある。


それは、男性もののパーカーであるため、“I am a hitman!”の部分が強調されているのと、ジーパンのポケットに偽名のパスポート、そして、パーカーの内側にある小型拳銃だ。


床にほったらかしてあった可愛らしいショルダーバックの中から数ドル引き抜き、灰皿の上に置いてから、ホテルをチェックアウトする。


大通りに出た少女はタクシーに乗込み、ジョン・F・ケネディ国際空港へ向かう。


もちろん行き先は日本だ。


少女はショルダーバックからスマートフォンを取り出すと、『眼鏡』と登録されている人物に電話をかける。


プルルルルルル、プルルルルルル、プルル


電話に出たのは、女声で透き通るような声の持ち主だった。


『現在、おかけになった電話ばん……』


「ちゃんとしろ」


『すみません〜。だからそんな怒んないでよ』


「頼みたいことがある」


『報酬はあるんでしょう?』


「貸し1つでどう?」


『いいねぇ〜。で、頼みごととはないかな?子猫ちゃん♪』


「子猫ちゃんゆうな。パパが誰に殺されたのかを調べて欲しい」


『これまた難しいことを……まあ、子猫ちゃんの頼みとあったらしょうがない!お姉ちゃん頑張っちゃ……』


全て言い終える前に通話終了ボタンを押すと、画面にLIMEの通知が入る。


ーー勝手に切らないでよぉ〜!( *`ω´)ーー


「はぁ……」


少女は大きな溜息をつき、画面全体に移る写真を眺めて、翡翠色の瞳から大粒の涙をいくつも流す。


「パパ……」


そこには、今の悲しげな表情と違い、満面の笑みを浮かべる少女と少女が『パパ』と慕う男が映し出されていた。





「もっと考えて行動しないとすぐ捕まるよ?子猫ちゃん♪」


とてもゴッツイ携帯に向かって喋るメタルフレームの眼鏡をかけ、腰まである長い黒髪が目を隠す様に覆い、隠された目は煌々と生き生きとしている目を持った女がそこにいた。


部屋の中は壁一面パソコンで埋め尽くされ窓などはない。

パソコンの光だけが唯一の光源だ。


女は持ち前のタイピング技術で子猫ちゃんの周辺機器を妨害、そして空港のシステムに侵入し子猫ちゃんと自分のチケットを購入。


「あの人はここまで読んでいたのかな?まあ、今となっては聞くことは出来ないけど……約束は守るよ」


唯一、外へ繋がる扉が開く音がした。





ジョン・F・ケネディ国際空港


一台のタクシーが停車した。


タクシーから出て来たのは黒いパーカーのフードを目深にかぶった少女だった。


少女はタクシーに代金を支払うとチケットを発行。

法律で日本に持ち込めないものは特殊な紙に包んで、ゲートをくぐる。


勿論、パーカーの内側に隠されている拳銃にも、ショルダーバックの中に入っているスペツナズナイフもゲートは反応しない。


今の時刻は午前11過ぎ。飛行機の離陸時刻は午前11時半なので、待たずに搭乗可能だろう。


飛行機内をうろつき自分の席を探す。

前の方で。


ビジネスクラスに自分の席があるのを確認し、座ると、隣の人が話しかけて来た。


「で、計画を教えて欲しいな。子猫ちゃん♪」


「子猫ちゃんゆうな。クソ眼鏡」


「酷くない!?クソ眼鏡はひどっ!」


「いちいち反応がデカすぎ……」


「まあまあ、いいじゃないの。で、計画を教えて欲しいんだけど」


ググイッと顔を近づけて来た女を片手で押し返しながら質問に答える。


「パパを殺した人、片っ端から殺すだけ」


周りにはまだ、誰もいない。

いや、ビジネスクラスの席を全て買っただけだ。

そのため、こんな他人に聞かれたくない話も出来るのだ。


「それはそれは……でも、2人だけじゃ難しくない?」


「2人?」


「そう、私と子猫ちゃん」


子猫ちゃんと呼ばれることに少女は諦めたのか、深い溜息を吐いた後に話し始める。


「確かに日本警察全部を相手にするのは無謀。だけど、パパを殺した奴だけでいい」


「え〜、それじゃあ面白くないじゃん。壊滅させたくない?しばらくは昨日できない程に!」


「無理、日本全国なんて」


「だ〜か〜ら〜、その為に仲間を集めようか?って話をしてるの」


何を言っているのかわからなかったのか、少女は小首を傾げ、可愛らしく頭上にはてなマークを浮かべている。


「でも、殺し屋は報酬がないと動かない」


「ふふふ、別に殺し屋じゃなくてもいいのよ。昔、恩を売った政治家とか国王とかに協力してもらって。いや、協力という脅しで暗殺者を合計100人程貸してもらったわ。それから、頭のおかしな殺し屋が10人程。どう?かなり面白くなるわよ」


「確かに……でも、関係ない人なんじゃ?」


「殺し屋は頭のおかしい奴ばかりだから……政治家とか国家元首は少なからず日本の警察はウザいとでも思ってたんじゃないかしら」


ポンッ


ちょうどよく眼鏡が話し終わったところでシートベルト着用サインが点灯した。


「じゃあ、おやすみ。あなたが今回の主力となる全力なんだから休んどきなさい」


そう言うと、眼鏡は席を移動してパソコンを何台か立ち上げた。


一方、少女は自分の尻尾を股に挟み、撫でながら眠りに落ちて行った。


「パパ……」


一筋の涙を流しながら。





少女と眼鏡を乗せた飛行機は成田空港に到着した。


預け荷物がない為さっさと出ようとした少女は、しかし眼鏡に袖を掴まれる。


「何?」


不機嫌を隠さずに尋ねる少女に眼鏡は笑顔で答える


「いや〜、ここで活動する為にも色々必要だろ?」


そう言いながら親指で後ろを指す眼鏡。視線をそちらに移すと、


「何これ?」


海外旅行などで使う大きい同種のスーツケースが大量に流れてきた。


「うん、全部電子機器だよ」


「誰が運ぶの?」


「勿論、私と子猫ちゃん」


「子猫ちゃんゆうな。それより、この数どうやって運ぶの?」


眼鏡は「ふふふ」という怪しい笑みを浮かべて、


パチィンッ


フィンガースナップをすると、どこからともなくゴルフカーみたいなのが出てきて、次々とスーツケースを運んでいく。


少女はその光景を呆れ顔で見ていた。


「金持ちが……」


「子猫ちゃんもお金持ちだろう?それから、用意周到と言ってくれたまえ」


その後、ゴルフカーを連れて出口に出ると、目の前に中身空っぽのコンテナを積んだ10トントラックが停まっていた。


「すごい迷惑……」


「え、これがお迎えの車だけど……迷惑だった?」


「他の人にって意味だよ。分かれ、クソ眼鏡」


「はぁ、相変わらずだねぇ。それより、これが日本での活動拠点となりまーす!」


「こ、これが?」


少女は驚きに目を見開き、眼鏡に問う。


「なんかまずった?」


「誰が運転するの?」


「子猫ちゃん、大型自動車免許持ってなかったっけ?」


「持ってるけど、運転したくない。めんどい」


「そんなこと言わないでよぉ〜」


これからすることには相応しくない会話をしている内に、全てのスーツケースが積み終わったのか、コンテナの扉が閉まる。


「さっさと出発しよ!」


言うが早いか、眼鏡は助手席に座り、手招きしている。

少女は諦め顔を作り、運転席に座る。


「で、どこいくの?」


「ここに行ってくれ!」


ケータイの地図を広げて示した場所は東京都内にある今は使われていない倉庫だった。


「いや〜、第二倉庫とか憧れるよね!なんか悪の組織っ!って感じで」


「この厨二病患者が」


そんな会話が車内で繰り広げられた後、2人の乗ったトラックは動き出す。


目的地は先程示した東京都内にある第二倉庫だ。





第二倉庫はドラマとかでよく見るように赤錆が酷く、しかし、レトロな雰囲気も出ていて秘密基地のような印象が強い。


中は10トントラックが二台入るくらいの広さで雑然としている。


「片付けなきゃ入らないねぇ……」


隣の眼鏡がそう呟くと、どこからともなく黒の執事服を着た執事が出て来て、その人が指を鳴らすと、そこかしこから使用人と思われる人が出て来た。


「え!?全然気づけなかった……え?……え?」


「気づけなかったのも無理ないよ。だって子猫ちゃんのお父さんの手解きを受けた人達だからねぇ」


「で、でも、そんなことに一言も……」


「子猫ちゃんが引き取られる前のことだからね」


少女が黙り込むのを見ると、眼鏡が執事に指示を出す。


「この倉庫の中、片付けといて。あ、でも、私が必要そうな物は捨てないでね」


「「かしこまりました。お嬢様」」


使用人全員がそう答えると一斉に動き出した。

倉庫内は10分もかからずに片付いたので、少女がバックで10トントラックを倉庫のど真ん中に停める。


「次はコンテナを改造して!」


眼鏡が再び使用人に指示を出すと、同じように全員が45度腰から上を曲げて、返事を返すと、コンテナ、並びにトラックの改造が始まった。


1人の執事が改造組から抜け出すと、眼鏡と猫耳の少女に話しかける。


「お嬢様、並びに子猫様、改造にお時間を頂戴したいのですが……よろしいでしょうか?」


「うん、いいよぉ〜。じゃあ、子猫ちゃんと私は近くの銀行に行ってるねぇ〜」


「かしこまりました」


「勝手に話進めんな……まあ、いいけど」


「んじゃ、出発進行〜!」


銀行に行く途中、眼鏡が少女に話しかける。


「子猫ちゃんの銀行口座って何個あるの?」


「2つ」


「それってアメリカと日本?」


「うん」


「不便じゃない?」


「アメリカと日本でしか仕事しないから平気」


「そんなもん?」


「そんなもん。それと、子猫ちゃんゆうな」


「そんなこと言わないでよぉ〜」


眼鏡はそう言うと、少女のフードの中に手を滑り込ませて猫耳をもに始めた。


「ひゃうっ……!?」


「ゲヘヘヘヘへ、最高ですなぁ〜」


「触ってんじゃねぇよ!触っていいのはパパだけだ!」


少女はそう言うと、眼鏡の手を振り払って2メートルほど飛び退く。


「つれないなぁ〜」


そんなことを話しながら銀行に向かっていると、チャラチャラした強面のお兄さんたちが、少女と眼鏡に話しかける。


「ねえねえ、俺たちと遊ばない?」


「うっせ……もっとカッコよくなってから声かけろよ」


「あ?なんか言ったか、ガキ!せっかく遊んでやろぉとしてたのによ!」


怒鳴られた少女が戦闘態勢に入ると、眼鏡はわざとらしく肩をすくめて、下がっていった。


「やろぉってのか?この俺たちと!?」


「バ、バカだ!ここにバカがいる!」


「そんな華奢な体で何が出来るってんだよぉ!」


言うが早いか、兄ちゃん達3人組は殴りかかってくる。

が、少女は全く動揺していない。


「外見だけの素人が……」


そう呟くと同時に少女の体が動いたと思うと、既に、兄ちゃん達3人組は地面に泡を吹いて倒れていた。


「何したのかさっぱりだったよぉ〜」


「当然、パパの技だから」


「ま、こんなクソな奴らでも金くらいは持ってんだろ」


「口悪い」


「子猫ちゃんだけには言われたくないなぁ」


「むぅ……」


眼鏡は、倒れた男達の懐を弄り、財布を取り出すと、現金を抜き出す。


「全部で12万かぁ……持ってないもんだね」


「それより、さっさと行く」


「はいはい」


そんなことがあったが、特に危険なこともなく、銀行に着いた。


「今日はどのようなご用件でしょうか?」


銀行の中に入ると、銀行の女性職員が2人に話しかける。


「お金を引き落としに来たんだけど……」


「では、こちらの番号札でお待ちください」


「ありがとぉ」


カウンターの前にあるソファに座ると、眼鏡が少女に話しかける。


「で、軍資金はいくらくらいあるのかな?」


「わからないけど……最低6千万はある」


「6千万かぁ……ちょっと厳しいかな?」


「でも、パパが振り込んでくれてるかもしれない」


「かなり信用してるんだね」


「勿論。だってパパだもん」


「羨ましい」


眼鏡が最後に小さく呟いたので、何かと思い少女が聞き返そうとした時、タイミング悪く、少女達が呼ばれる。


「眼鏡、何やってるの?」


「ああ、ごめんごめん」


立ち上がっても眼鏡が立ち上がらなかったので、少女が不思議そうに尋ねると、眼鏡は無理矢理笑顔を貼り付けカウンターに向かう。


少女の名前、当ててみて下さい!


答えは15話でわかると思います。


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