表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の望みは……  作者: 甘栗
5/13

5話

なるほど、確かにエミリーさんの言った通り驚いた


「来るのを心待ちにしておったぞ、シェリス

それに、ローゼンハイド親子

まあ、そこのソファーに座るとよい」

「はーい」


エミリーさんは、素直に座ったが私は立ち尽くしていた


彼女の長い黒髪は、夜を思わせる輝きを放ち、幼さをもった顔に、ややつり上がった青い瞳

薄く朱に染まった頬に、小さな口から時折見える牙

新雪のような白い肌、それを赤いドレスに身を包んでいた。その姿はどこか神秘的な美しさを持っているように感じたのだ


「おや?

父とは、違い

いきなり殴り掛かってはこんか」

「そのような事を、父はしたんですか?」

「ああ、暇潰しに奴のいた教会を破壊したからだ」


呆けていた私を見て、彼女はくっくっ、と手で口を覆い笑った

なぜ、そこで笑えるのか分からない

原因は、あっちにあるようだし


「ああ、自己紹介がまだだった

私の名前はアリア・オーキス

この街の『代表』だ

まあ、アリアでよい」

「純血、だと聞いてますが」

「そうだ、だが

それがどうした?

この街の管理、運営に関係ないだろ?」

「そうですね

失言でした」


頭を下げると、「あまり気にしてないから、上げろ」と言われた


「んで、アリア

なんで、シェリスを呼んだ?」


そうだ、なぜ、呼ばれたのか聞いていなかった

彼女は、ティーカップに口を着けていた


「まあ、座れ

お前達、話はそれからだ」


ジェイクさんと顔を見合わす、ジェイクさんは溜め息を吐き座った

私も、後に続き座る

エミリーさんを真ん中に右が、ジェイクさん

左が私だ


満足そうに頷き、ティーカップを置いた


「シェリス、お前を呼んだのは単なる好奇心だ」

「好奇心?」

「ああ、そうだ

魔力の塊みたいな小娘と出逢っておったろ?」

「そうなの?」

「えぇ、何者かは知りません

ただ、向こうは私を知ってるみたいだったが

ところで、貴女はあの時いたのですか?」

「アリアで良いと言ったろうに

ああ、屋根の上から見ておったよ」


彼女が何者か知ってるのだろうか?

なら、色々と聞きたい事もあるのだけど


「アレに関しては知らぬ

が、お前を知ってたか、しかも殺害を促し斬らせるとはな」


愉快そうに笑っている

エミリーさんが、こちらを見つめてくる


「ホント?」

「…相手に言われるがままに斬っていた、と言えば確かですがね」

「どうやってだよ?」

「一刀両断です

刀を握ったら不思議と使い方が浮かんだので」


ウソだ、夢で視た男の技術を使っただけだ

そんな事は、正直に話せない

話す必要ないだろう


「ま、殺された者も正気でなかったが

それより、私はあの小娘が何者か知りたくなった

故に、接点のありそうなお前を呼んだのだ」

「調べるつもりですか?」

「無論だ、この街で人を操り殺害をさせたのだ

興味を持つと言うものよ」

「けっ、要は殺害を不問とするから手伝えとか言うこったろ?」

「察しがいいな

ジェイク坊や」

「ナリはテメエの方がガキだろ」


「ふっ、よく言う

見た目は、大人だが中身は子供のお前に言われたくないわ」

「へぇー、お生憎様だかな

俺には妻と娘に、保護してる子供もいるんだ

テメエみたいな、ちんちくりんとは違うんだよ」

「な、なな!?

キサマっ、よりにもよって人が気にしとる事をっ!!」

「おや、そうかい?

そいつは悪かったな、ちびっこ

「なんだと、この

馬鹿者!」

「あっ、今

バカって言ったな!?」


はっ?

なに、コレ?

なぜ、私達を置いてきぼりで口喧嘩を始めてるんだ?


「シェリス、大丈夫だよ

貴女は貴女、例え誰かを殺してしまっても

私は一緒だよ」

「…ありがとう、嬉しいよ」


周りが、低レベルな争いしてるのは置いといて

少し、気が楽になった

私は、彼女と微笑み合った


「今日は、よい

帰れ

アルストロメリア!!」

「はっ、お呼びですか?

我がマイ・ロード


扉が開き、黒服を着た青年が入ってきた

銀に輝く髪に、柔らかな目付きに青い瞳

整った顔立ちに、笑みを浮かべていた

フィーナさん辺りなら、騒ぐだろうな


「客が帰る、見送ってやれ」

「仰せのままに

さ、皆様。ついてきて下さいませ」

「おう、サンキュな」

「行こ、シェリス」

「シェリス」


部屋を出ようとしたら、呼び止められた

なんでしょうか?


「奴の言葉が確かなら、何かしらの厄介事がやってくるだろう

気をつけよ」

「はい、そのつもりです」

「そうか、なら、良い」


彼女に一礼し、部屋から出る

アルストロメリアという男と目があった


「何か?」

「失礼、刀を見るのは久し振りだったもので」

「見たことがあるんですか?」

「えぇ、イキシアで主に使われてるらしいですね

私の場合は実家に飾ってありましたが」


らしい?

しかも、刀が実家にある?

私の不思議そうな様子を見て、苦笑された


「お忘れください、昔を懐かしんだだけですから」

「へえ、アイツにつかえて何年だっけ?」

「はい、ローゼンハイド卿

私は、あの方に仕えて80年が過ぎました」

「……80年?」

「えぇ、元は人間でしたから

あの方の使い魔となり、生き永らえています

主な仕事は護衛ですが」


「そうですか、がんばってください」

「えぇ、ありがとうございます

では、外までご案内致します」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


屋敷の入口前まで、出てきた


「それでは、皆様

またのお越しを」


恭しく頭を下げて、見送られる

私は、エミリーさんの傍につき歩く


「不思議な感じですね、あの人」

「んー、そうだね

アリアの横にいつの間にかいたからねぇ」

「はあ、そうですか」

「そんな事より、帰ろ」

「はい」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「お客様が、帰られましたよ」

「ん、そうか」


律儀な奴だな、相変わらず

まあ、悪いことではないが


「アルストロメリア、厄介事は?」

「…さあ、どうでしょうね

しかし、彼女を見てる限りでは

いずれ近いうちに起きそうですね」


ほお、そうか

コイツが、言うなら信じよう


「しかし、本気で調べるつもりですか?」

「ああ

だが、手掛かりなぞ得られんだろうよ」

「では、どうやって?」

「さあな、それはシェリス次第だ

当分は、観戦だ」

「承知しました、我が主」

一部、追求修正しました(14/06/15)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ