3話
日常パートです
少し短めですが、投稿したくて投稿しました
楽しんでいただければ、幸いです
…朝、か
ん?何か隣が膨らんでいる?
誰か入っている?
まさか
「……エミリーさん、朝ですよ」
「やだぁ、まだ寝るー」
「そうですか」
素直に返事しましたね、まったく
仕方ない
「今日は、どうしたのですか?」
「ん?今日はね、シェリスを驚かしたくて」
「そうですか、びっくりはしました」
えへへ、と笑うので軽く頬を突いた
彼女は、特に気にした様子もなく笑う
「シェリス」
「なんでしょう?」
「おはよう」
「…おはようございます」
着替えてから、朝食を済まして屋敷の外に出た
今日は、快晴か
「どしたの?」
「いえ、エミリーさんや旦那様は吸血鬼なのに朝起きて、わりと平気な顔で太陽の下を闊歩してるなと、今更ながら気になりまして」
きょとんとしてから、腕を組み「うーん」と唸り、考え込んだ
そして、ぽんと手を叩きー
「ー気合い!!
もっと熱くなれよ♪」
「……そうですか」
「うん♪」
吸血鬼にとって日光は根性論で堪えれるモノだったか?
後日、ジェイクさんに尋ねたところ『自分達の祖先には、人間と交わった者が何代か居て
吸血鬼としての純度は他に比べて低い代わりに抵抗力があるだけ
しかし、人間よりは寿命は長い
また、純粋な吸血鬼は日光に堪えれない
その反面、その能力は自分達とは比較出来ない程の強さを有する』
と、言われた
根性論では、ないのか
「ねー、今日はどうするの?」
「そうですね、教会にでも行きますか?」
「教会かー、わかった」
この街の教会は、吸血鬼に友好的でジェイクさんも、たまに通っている
「十字架は、なんとも無い」と、の事で昔はよくエミリーさんと連れていって貰っていた
そして、この街が出来た、120年前からあるらしい
「あら、いらっしゃい
エミリー嬢と、シェリス」
考えてる内に、着いたようだ
1人のお婆さん、シスターエリスが声を掛けてくれた
シスターは、エミリーさんが駆け寄ると頭を撫でた
「あらあら、今日はどうしたの?」
「何となくだよ、シスター」
「あら、そう?
会いに来てくれただけでも、嬉しいね
シェリスもいらっしゃい」
「お元気そうでなによりです、シスター」
「ジェイクの言った通りだ、相変わらず堅いね
今日は、メイド服なのかい?
お洒落すれば、いいのに」
「訂正をお願いします、今日も、です」
「いつも、だよー
まったく、困っちゃうよねー?」
「ええ、そうだね
父親が、型破りだったから真逆なのかねぇ」
父、か
ジェイクさんも言ってましたね
「型破り神父で、気に入らない相手をぶん殴るのを見てた
で、よく殴りあってた
だからか、腐れ縁が出来ていつの間にか友人になってた」
と、神父らしくない行動だ
街の人には、受け入れられてたようだけど
いいのか、それで?
「服装は、個人の自由です」
「はいはい」
「はいはーい」
……はぁ、真似しなくていいのに
楽しんでるな、エミリーさん
やれやれ
しばらく、シスターと過ごし昼食も御世話になり
そろそろ帰るとシスターに伝えた時だった、教会の扉が開いた
振り向くと、同い年の修道服姿の女の子がそこにいた
金髪碧眼の少女、名前は確かー
「ー久しぶりですね、フーナさん?」
「ひどっ、フィーナ!!
フィーナ・ローエン!!」
アレ?間違えた
おかしいな、覚えてるつもりだったのに
こちらの様子を見て、ハァーと溜め息を吐かれた
そんなに、不満なのか?
「ねぇ、シェリス」
「はい、イーナさん」
「違う!フィーナ!!」
「そうでしたっけ?」
「そうなの!!」
なんか必死な人だなぁ、見ていて飽きない
こう、一生懸命なところが微笑ましい
「ねえ、シェリスはなんでフィーナの名前を覚えてないの?」
「さあね、私には分からないわ
多分、あの子なりにからかってるんだろうさ」
……からかってるつもりは、ないんですがね
なぜか、間違えるだけで
「久しぶりなのは、確かね
アンタ等、屋敷からあんまり出ないし」
「必要なら、出ます
教会には、来ませんが」
「いや、来てよ!?
暇だー、せっかくだし教会行くかーってなノリで!!」
「フィーナ、それはいけないよ?
ここは、教会なんだから」
「うわー、エミリーに諭された!!
私、シスターなのに!?」
「疲れませんか、そのテンション?」
「誰のせいよ!!」
ん?誰のせい?
分からない、最初からだったような
それとも、違った?
うーん
「や、もういいよ
あたしが悪かったよ、だから気にしないで」
「はぁ、わかりました」
「がんばった、フィーナはがんばったよ」
「うう、ありがと
エミリー」
エミリーさんに、慰められている
なにか、悪いことした気分になる
なる?いや、ならない
あ、思い出した
1ヶ月前も同じやり取りした
「すみません、からかうと楽しくて
フィーナさん」
「からかってたんかーい!!」
「はい、わりと」
「アンタは~」
フィーナさんは、幼少期に知り合った
いわゆる、幼なじみだ
彼女は、シスターだがよくサボる
わりといい加減だけど、名前に関してはこだわる
原因は、主に私だけど
…さっきまで、素で忘れてた
「ねえ、フィーナ?
さっきまで、何してたの?」
「ん?子供達と遊んでた、いやー、元気だねえ」
「おやおや、シスターとして学ぶべき事をほっぽって、遊んでたのかい?」
あ、詰んだ
これは、御愁傷様としか
「では、帰りましょう」
「ひどっ!?」
「…自業自得です
さ、エミリーさん」
「バイバイ、シスターとフィーナ」
「ああ、また来なよ」
「はーい」
さっさと、エミリーさんを連れて去りましょう
そうしよう
後ろから、薄情者とか聞こえますが無視で
教会を出ると、絶叫が聞こえた
ふぅ、今日はあの感情は出なかった
刀は隠したから、問題ないはず
くいくい、と袖を引っ張られた
「なんですか?」
「楽しかったね♪」
「はい、また来ましょう」
「うん♪」
まあ、いいか
今は、保留にしても
今だけは