1話
この世界で、を書いてる途中で思いついた物を投下します
楽しんでもらえれば、嬉しく思います
紅い水溜まりの中に、私はいる
夢だ、これは夢
いつも、私が視る不思議な夢
その中の一つ
なぜ、夢か分かるかと訊かれれば、理由はある
一つ、私が現れない
二つ目、夢の中の私は、男性だ
三つ目、見たことのない服装や建物ばかり
最後に、その人は直に死ぬ
そろそろ、始まる
あの『少女』との出逢いが、夢の終わりを意味する
「ちっ、戦場で死ぬは武士の極み、か?
ふざけ…やがって、まだだ……まだ斬りてえ」
血溜まりに溺れた男は、いつも、そう言う
この人は、よく分からないが兵士かなにかなんだろう、と予想する
斬りたい、人を、強い敵を、それだけが望み
しかし、彼は死ぬ
自分の行動の結果、卑しい獣
大勢の人に取り囲まれて、刀で斬られたから
「俺の、命、誰にも…やらねえ
せめて、この刀で、自分の命を断ってやる」
刀を震える手で握り、首もとに宛がう
この人は、敵を斬りたいと願う
「あんな、のは……認めねえ」
無理だ、貴方は死ぬ
自殺なんかしなくてもだ
「ち、くしょ」
「ーーねえ?
お侍さん、ちょっといい?」
男(私)が、ゆっくりと顔をあげる
満月を背に、そこに少女はいた
淡い光を浴び、輝く黒髪
こちらを見下ろす深紅の瞳、小さく笑みを形作る小さな唇
薄い朱に染まった頬、白い肌、着ている服は瞳と同じく紅い
14歳くらいのを可愛らしい少女がそこにいた
「てめえは、何者だ?」
「さあ、誰だったかな?私が何者かとか考えたことないや」
そう、鈴を転がしたような音色で答える
死の間際なのに、俺は美しいと感じた
初めて、人相手に美しいと感じた
恋煩いでも、したのだろうか?
まさか死に際に、仏からのせめてもの情けか?
いや、或いは悪鬼の類いか?
「まだ、斬りたい?」
そう訊いてきた、仏からのではないな
もちろんだ
俺は、まだ斬りたい
まだまだ斬りたい
「そっか、じゃあ戦える場所に連れてってあげる」
「……本当、か?」
「うん、私が貴方の魂を連れてってあげる」
そう言うと、少女は血溜まりの中にいる私の傍まで来ると座り込んだ
そして、両手が俺の身体に触れる白い肌が俺の血で赤く汚れる
…ソレすらも美しく見えた
「どうしたの?」
「あ、あ…頼みがある
俺の、刀を、預かってく、れ」
震える手で少女に刀を差し出すと、それを両手で抱きしめてくれた
「貴方は、これから死ぬけども魂は『別の世界』に行くの
そこで、貴方の望みを叶えたらいい
その時まで、これは私が預かってあげる」
「…すまねぇな、恩に着る…ぜ」
…もうすぐ、終わる
夢の終わりが近い
にこにこと笑う少女
さて、終わりだ
「ねえ、もうすぐだよ?」
えっ?まさか、いつもはここで終わるのに
アレは、まさか、私に向かって言っている!?
「あはは♪もうすぐ手渡せるね、人斬りさん♪」
そこで、景色は途切れた
ぷつんと、唐突に
『シェリス!!シェリス!!シェリス!!』
ああ、誰かが私を呼んでいる
なら、早く起きなくては
「この世界で」をメインにやるつもりです、こちらの更新は遅くなると思いますが
お許しくださいませ