悪者月曜日がやってくる。
俺は迫りくる黒い影から逃げ続けていた。奴は俺が弱って勘弁する
のを待っているのか、俺と合わせた速度でやってきている。
その顔は暗くてよく分からないが、どうやら笑っているようだ
「お願いだ!こっちに来ないでくれ!」俺は叫ぶ。
だが、奴はずっと俺を追い続けていた。
俺は今までの休日ライフを思い出す。今までの平日で疲れ切った体を休ませる、
日曜日はまず、悠長な朝から始まり、ゆっくりトーストを食べ、テレビを
見ながら昔の戦隊ものの思い出浸り、懐古厨になって、ゆっくりと
時を過ごす。
俺はいつからこんなやつに追われていた。もう一度、俺は振りかえり
奴のつり上がった目を見たとたん、目をそらす。
そうだ、俺がこうなったのもサザエさんのエンディングからだ。
あのいつもの悠長な歌とリズムを聞いた途端、なんだか知らんが
暗い気分になった。
そう思ったら急に後ろから奴が追いかけてきやがった。
暗闇で走る俺は理由を考える。何故、俺はあいつが本能的にあんなに
嫌いなんだ!?逃げる理由は!?そして、奴は誰だ!?
その時、俺は何かに躓いてこけた。暗闇の中、床に思い切り顔面を
ぶつけた。
「くそっ!?なんなんだ!?」俺は何でこけたか手でさぐり、微かに
光が見える目もとまで持っていく。
「!!」俺は思わず絶句した。それは月曜日に使う、プレゼンの資料だ。
あの腐れ部長が指示した腐れプレゼンの腐れ資料だった。
俺は後ろを見る。奴は立ち止まってはいない。猛然とした勢いで
今まであった俺との差を詰めていたのだった。奴は目をひきつらせ、
口を曲げ、体を揺らし走る。だが、ふしぎとそいつは笑っているようにも
思えたのだ。
アイツは悪者なのか?
俺の頭の中に疑問がわく。俺は猛然と走り迫る奴を疑問のまなざしで
みながらも、笑っているように思える奴に取り込まれる事を受け入れた。
少し、苦痛だったが、慣れれば何とかなりそうだった。優しい想いの
月曜日であったのだ。
俺に快眠の波がやってくる。多分、起きたらきっと月曜日だろう。
それにこんなことをも忘れてしまうだろう。俺は閉じようとする瞼に抵抗を
覚えず、ゆっくりと体を沈めていった。
その時である。
月曜日の体越しに何か俺の事を蔑むように見つめる、嫌な野郎の顔が
目に入った。そう、いままで付き合っていた日曜日のようだ。
奴の顔はざまぁみろ、と言っているかのように俺の事を見下している。
「……ああ、そういう事なのか、そうなのか。」
俺はすべてを悟った。
月曜日を悪物に染め上げる。そのような理由を創るのは普段の
厳しい平日とは明確な差を付ける、「日曜日」というものがいるからなのだ、と。
だが、きっと俺が月曜日と付き合い始めたら、忘れてしまうだろう。
また、日曜日を何も考えもなしに受け入れてしまうだろう。
俺は奴の蔑む視線をみながら、月曜日となった。
日曜日って、鬱ですよね。
ああ、サザエさんが終わってしまう……。そんな感情で書きました。
ちょっと鬱だったのに凄まじいスピードで書き上げてしまいました。
ええ、一発で思いついたので。
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