表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

二郎 ep0

二郎15歳8月。


「神様。今朝食べた生っぽいホルモンに寄生虫がいて、そのせいで家族が死にませんように。お願いします。」

二郎は布団の中で祈る。合わせた両手にさらに力を込め、瞑った目をさらに押し込み、思いが届くように念押しする。

「よし、これで大丈夫。」

動悸がおさまっていく。が、さらに別の不安が二郎を襲う。

「神様。弟と自分を不老不死にしてください。あと、母と父とおじいちゃんも。消えたくないです。」

3度、早口で言う。不安は少しずつ小さくなっていく。二郎は眠りについた。


二郎15歳12月

二郎は祖父の家で泣いていた。12月に入って毎週通うようにしていた。

明らかに祖父は以前より小さくなっている。顔の皮膚も弛み、以前とは違った印象を受ける。祖父が何かを話す度に、先を想像して涙が出る。


「神様。アダルトサイトで、昔、母のパソコンが固まりました。あの時個人情報が盗まれてませんように。これから悪用されませんように」

「神様。自分と身の回りの人が永遠に健康でいられますように。」


きっと大丈夫。祈りは届く。泣きながら眠りについた。


二郎16歳12月

「神様。家族全員が健康で邪悪に襲われることなく生きれますように。祖父の病気が治りますように。」

「神様。家族全員が健康で邪悪に襲われることなく生きれますように。祖父の病気が治りますように。」

「神様。家族全員が健康で邪悪に襲われることなく生きれますように。祖父の病気が治りますように。どうかお願いします。」


二郎は祈る。不安は消えない。


二郎17歳4月。

祖父にご焼香を上げる。涙は出ない。祖父が生きている時に流し尽くしてしまった。


祖父が死んだ時、二郎は天啓を受けた。

人は死ぬ。祈りは届かない。


私の神は私だ。私を信じる者は救われる。そんな世界を作ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ