第68話 庇ったらまたキレられたのである……
結局、襲撃があったので蛇狩りはできなかった。残念。
でも、レイヴンですら『まだ蛇肉ゲットできてないから一狩り行こうぜ!』って言いださず、みんなで帰途についたのよ。
で、ギークリーさんが知らせたらしく当主様がいつもより早く帰ってきた。
「リリス! 無事か!?」
何を言ってるんでしょ?
「私の魔法を知ってて、そのセリフが出ます?」
私がキョトンとしながら言ったら、当主様が怒鳴る。
「首を飛ばされたらさすがに無理だろうが!」
「父様レベルの人じゃない限り、首を飛ばすのが無理でしょ」
私、結界と身体強化が使えるのよ?
さらには瞬間で治癒できるんだから、そこらの厨二病どもには無理だって。
心配性にもほどがあるなと呆れながら返した。
ギークリーさんたちが苦笑している。
ロムルスさんもこの場にいるため、レイヴンだけがいない。
当主様は疲れたようなため息をついた後、ロムルスさんをギロリとにらんだ。
「……なんのために呼んだか覚えているか? ロムルス」
「わかっている。たかがあんな程度の人数で足止めを喰らったのを反省しているよ。罪ほろぼしに、闇ギルドはこの私、ロムルス・シルバーウインドがなんとしてでも潰そう」
なぜか決意に充ち満ちているロムルスさんを見た当主様が、毒気を抜かれたように戸惑っている。
「……反省してるって……。どういうことだよ?」
パーズさんが当主様に耳打ちする。
当主様、とたんに目を輝かせた。
「……そういうことか。なら、しかたがねーな! そうだぞリリス、俺以上の強い奴はいねぇってお前はわかってるから、お前がカバーしたんだな。さすが俺の娘だ!」
当主様が私をワシャワシャ撫でます。
犬を褒めてるんじゃないんだから、もうちょっと手加減して。
私を撫でるのをようやくやめた当主様が、優越感をたたえた顔でロムルスさんを見る。
「ま、お前に俺レベルを求めるのが間違ってたって、俺も反省したよ」
ロムルスさん、即言い返した。
「は! ちょっと娘に責められて落ち込んでいたからふるわなかっただけだ! 私は現役だぞ? あんな程度の連中など敵にもならん。お前こそ、調査とやらが長引いているではないか! 肝心な時にそばにいないのはお前もだろうが!」
怒るロムルスさんに呆れる当主様。
「……そばにいないって……。つーか、連中がそんな簡単に尻尾を出さねーのは知ってんだろ? 手間取るからお前を呼んだんだし」
「そうですよロムルスさん。父様は戦うのが得意なんですから。他を求めちゃダメですって」
私がピッと人差し指を立ててロムルスさんをたしなめ当主様を庇うと……あれー? またみんな固まってるー。
当主様が、私に怖い笑顔を向けた。
「……ハッ! ちょっとたるんでたな。あんな連中、すーぐつるし上げてやるわ! ――いいかリリス、俺は戦うだけが能じゃねーんだよ。なんでもできるんだ! だから、お前を襲った連中はすぐ判明するし、安心して学園に戻れるようにしてやる。ちょっとだけ待ってろ。わかったな?」
あれれれれー? 当主様も笑顔で怒ってるやー。なんでだろ?
私はとまどいながら、小さく首をかしげる。
「……えと、うん。父様って頭脳戦も得意だっけ? そうは見えない――」
「安心しろリリス。俺は戦闘においてはすべて得意だ」
最後まで言わせてもらえず肩をバシッと叩かれた。めっちゃ痛いんですけど。
「……うん……」
返事は『イエス』のみしか許されないようなので、曖昧に返事をした。
ギークリーさんは苦笑している。
そして、ドーバーさん、エイツさん、パーズさんは爆笑しているわ。
ロムルスさんはいい笑顔!
「無理をするな、ガレス。頭脳戦は私に任せておけ」
「お前はすっこんでろ。この俺が、リリスの敵を全部丸裸にしてやるわ!」
……うん、なんか、やる気満々でなによりです。
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