第64話 私の凄さを思い知らせてやるのである
反省したロムルスさんはレイヴンと話そうとするが、とにかくレイヴンが避けまくる。
「……レイヴ……」
レイヴン、とたんにドアをパタンと閉めて閉じこもる。
ロムルスさんがノックしても、いっさい返事なし。
食堂でも、ロムルスさんがわざわざ食事の時間をずらし待ち構えていたら、レイヴンは外に出てしまった。外食に切り替えたと思われ。
で、いなくなったころに戻ってきて食事を食べだしたよ。徹底的すぎるね!
どこで話しかけようが徹底無視するレイヴン。
うーん、ロムルスさんがちょっとかわいそう。
だけど、深い事情を知らないので、これ以上は手出しできないよね。無理やりはよくない。
レイヴンは気難しいからね……食事関係だとあんなに欲望に素直なのに!
どうしたもんだかねー。
当主様はずっと忙しそうに朝から晩までどこかに出かけている。
ちゃんと帰ってきて夕食と朝食を食べているので、フラフラしているわけではないようだ。
たまにギークリーさんたちと打ち合わせしているし。
だけど、進展はないみたいでなんの報告もない。
ついでに、ケルベロスのお肉を奪い返したという報告もない。
で、痺れを切らした私は、
「休みも終盤ですし、蛇を狩りたいと思います!」
と、クランのみんなに宣誓した。
みなさん顔を見合わせているんですが、これは決定事項ですよ!!
「その闇ギルドとやらのために、なぜこちらが耐え忍ばねばならんのよ!? 対立してんなら、相手を潰すつもりでいくしかないでしょ!? かかってこいやあ! 返り討ちにしてやるわ!」
すでに返り討ちにしてますけどね。
当主様たちが来てから、めっきりと襲ってこなくなってしまった。
「……連中が闇討ちをやめたから、ストレス発散できなくてイライラしてるみたいだぜ?」
とか、誰かがヒソヒソ話した。
「そうですが何か!?」
せっかく楽しくなってきたところでピタリと闇討ちをやめたのよ。
「陰湿な根性なしどもに怯える私ではないわー!」
全滅させてやるわ!
ソッチも根性見せやがれ!
レイヴンは軽く肩をすくめる。
「確かに、そろそろ蛇を狩らないとリリスのおいしい蛇料理が食べられないよな」
と、同意してくれた。
地味ーにレイヴンからハードルを上げられた気がするけど。
で、でも、蛇の肉のから揚げっておいしいって聞いたもん! きっとおいしいはずだもん!
――そういうわけで、蛇を探しにやってきましたリリスちゃん御一行様です。
ですが蛇は見つからず、代わりに闇ギルドの連中がわんさかと現れました。
ま、そうだよね!
クランの人間がわんさかいるクランハウスより、護衛が少なく油断している(と考えているであろう)外のほうが狙いやすいよね!
「リリスちゃんの凄さを見せつけてやるわあ!」
「大暴れすんなっつってんだろ!?」
ギークリーさんに怒られる。
「いーやでーす!」
コイツらのせいで蛇が狩れなかったんだし!
ケルベロスの胴体も奪われたし!
「『聖杖』」
私はリリスロッドを取り出し、魔力を注ぎながら振り回した。
「レイヴンほどではないけど、食の恨みは深いのよ! 肉返せ! ……リリース、ムーンカッター!」
凶悪なほどに大きな刃物が飛んでいった。
敵味方が呆気にとられる中、惨殺死体が量産された。
「かかってこいやあ! 肉を奪われた恨みを思い知れ! 代わりにお前らを食材にしてやるわあ!」
とか、冗談を言ったらドン引きされた。
そりゃ、怖いか。
……とはいえ。
ちょっとばっかり不利ではある。
現在のメンバーはギークリーさんの他、前に護衛についてくれたドーバーさん、エイツさん、パーズさんだけだ。
レイヴンとロムルスさんが不在。……ちょっと話し合っているのよ。
そもそもが、ロムルスさんに頼まれて私はこの場にいたりするのですが。
厨二ギルド、思った以上に本気を出してきてかなりの大人数を投入してきたわ!
――と。
「ガキがこんな時まで我儘を言ってんじゃねぇ! お前がやられたらおしまいなのが理解できねーのか!?」
ギークリーさんがマジギレしてしまった。
「正真正銘のお子様ですけどね。……でも、わかりましたー。というか、私はやられませんけどね?」
聖属性の魔法使いの恐ろしさ、全方位に見せつけてくれるわ!
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