第63話 ロムルスさんの相談に乗ってあげたのである
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レイヴンは、父親であるロムルスさんを、顔を合わせないレベルで嫌っている。
いかにも思春期の女子っぽいけど、高位貴族でしかもナンパ野郎な父親だったら家庭事情が複雑なのもうなずけると思ったので、何も聞かないでおこうと思った。
もしかしたら当主様のようにあっちこっちの女に手を出したのかもしれない。というか、それしか考えられない。
……ただ、嫌っているわりには父親と似ているのは平気っぽいのよね。
そこは思春期特有のこじれた愛情ではないのが不思議。
……ということは、お家騒動がガチめにヤバめの内容で、それでレイヴンが激しく父親を嫌っているという可能性があるのか……。
とにかく、首は突っ込まないようにしようっと。
――と、思っていた時期もありました。
現在のワタクシ、なぜかロムルスさんの相談相手になっております。
いやぁ、だってさぁ……。
あまりに娘に避けられていて、背中がすすけているのよ。
ちょっとかわいそうになってきて、なぐさめたら相談されてしまった。
「むしろ父様に相談したほうがよくないですか?」
「あの女ったらし野郎に、娘について相談してマトモな答えを返すと思うのかね?」
疑問形で返されてしまった。
「……まぁ確かにそうですけど……。なら、自分の娘について、もうちょいどうにかしますもんね」
私じゃなくて、ケイラお嬢様のほう。
苦手意識を持って逃げてるもんね。
……裁判のときはキッパリ言っててカッコよかったけどさ、でも、やっぱり父様にも問題があるワケで。
ロムルスさんが私を見て苦笑する。
「君は苦労をしているからか、非常に大人びていて達観している。あのガレスがちゃんと父親として君に対応しているのを見て、それはガレスの努力ではなく君が娘であるというところが過分にあるとわかった。……そんな君を見込んで、私にアドバイスをくれないか?」
ナンパ口調ではなく、真剣に頼み込んでくる。
「……うーん。レイヴンのことですよね? レイヴンは話したくないみたいだから、私もあえて聞かないようにしているんですけど」
困ったなーと思いつつ、弁解する。
ロムルスさんはうなずく。
「レイヴンの気持ちは……わからなくもないんだ。辺境伯家の問題でね……。それはともかく、どう接していいのかわからない」
当主様と同じこと言ってるし。
「……父親ってそういうものなんですか? そしてなぜ私には『どう接していいかわからない』って言わないのかと疑問に思いますがそれはおいといて。……娘を難しく考えすぎじゃないかなって思います。あと、待ってても向こうからくるタイプじゃないのなら、自分が行くしかないですよ」
そう言ったら目を見開かれた。
私はロムルスさんを見てうなずく。
「わかってると思いますけど、レイヴンを待っていてもロムルスさんのもとへはやってこないと思います。彼女、自分に利がないとか用がないって思ったら、ほぼ関わらないようにしますし。……ま、そう見せかけつつ情に篤かったりするんですけど……。それも、そこまでの関係を築かないと無理ですし。『親子だから』っていうふわっとした関係性じゃ、レイヴンは動きませんよ?」
ロムルスさん、私を凝視していると思ったら、うなずいた。
「……そうだ。その通りだな。非常に納得出来たよ」
そう言うと、ため息をついた。
「……昔から、娘がほしくてね。跡取り息子は生まれていたんだが、その後はずっと子宝に恵まれなかったんだ。そして、ようやく出来たのが娘で、ものすごくかわいがってしまったんだよ。……それがちょっと問題になってしまい、そして、肝心の娘にも嫌われてしまった。かまいすぎたのかな……」
ロムルスさんがそう愚痴っているけど……。
あのレイヴンが、かまわれすぎで避けるかあ?
ならハッキリと完膚なきまでに言うよね。
「ウザいから近寄らないでくれる?」
……ってさ!
私は頭をかいた。
「うーん、違うと思いますねぇ。……というか、聞いた感じじゃ双方に誤解がある気がします。確かにレイヴンはロムルスさんを避けている、つまりは拒絶を示しているんですけど、最初はそのナンパ口調のせいかと思ったんですよ。父親がナンパ野郎って嫌だろうなって。でも、そうじゃなかった。それ以外だと、私の知らない家庭の事情じゃないかなって思います。少なくとも、かまいすぎたとかいうかわいい話じゃなさそうですよ?」
ロムルスさんが黙ってしまった。
おや?
心当たりがあるのかな? それが原因とはわからないけど。
「……ロムルスさんが歩み寄らない限り、レイヴンは拒絶したままだと思います。そして、互いの想いは食い違っているように感じます。ちゃんと話し合ったほうがいいんじゃないですかね? 父様にも同じことを言って、父様は休み中に義姉様と話し合ったようですよ?」
知らんけど。
でも、そんな感じのことは言ってた気がする。
ロムルスさんはしばらく黙ったままだったが、急に頭を下げた。
「……そうだな。私はレイヴンの父親だ。私が歩み寄るべきだ。ありがとう、リリス嬢」
「いいえー。私は白黒ハッキリタイプなので思ったことをバンバン言いますけど、そういう人ってそんなにいないんだなって、最近気づきましたので~」
ロムルスさんが苦笑した。
連日投稿してましたが、いったん休憩します!




