終幕
私はそこで目が覚めた。蓮がいい感じにやってくれたのだろう。目の前には警察が3人、1人はよくコラボをしてくれているKAIさんだ。他のお二人とは面識はないと思う。
「見逃してほしいとはどういうことですか?」
そのセリフで私はこの状況の全てを理解し蓮が何をさせたいのかもわかった。
「ソプラノのボスである七咲奏さんと幹部である七瀬カインさんを利用してソプラノとの友好関係を築こうかなって」
「そんなの不可能よ」
声を上げたのは後ろで倒れている七咲奏さん。
「ボスと幹部、その他にもたくさんの組員を殺してる。その時点でその道はないわよ」
「今、その結末を決めつけるのは早計ですよ。それに結末を決めるのは我々翠雨です。このまま抗争を続ければ私と奏さんは永久指名手配、既に戦いの天秤は翠雨に傾いている今、このままならソプラノのは医療費や罰金刑などで火の車、さらにソプラノを辞める人も現れてもおかしくない。」
「…」
「もうわかるでしょ?もう負けてるんです。翠雨は7名中2名が死亡中、そちらは23名中17名が死亡中、すでに人数差は覆ろうとしている。さらにボスは倒されている現在、私の要求を飲まない組員はPONとしか言えませんね」
「クソ…」
「カインさん、あなたが蒔いた種でしょ?最後まで責任を持って下さいね。」
その後翠雨とソプラノの抗争は意外とすぐに終わった。同盟という形で決着がついたのだ。だがそれは形式上そう見えるだけで本当の同盟における契約はそんな生やさしいものではない。
同盟1:ソプラノと翠雨の戦闘は禁止
同盟2:ソプラノは翠雨が警察または別ギャングとの戦闘時に助けに入ること
同盟3:ソプラノは固定金の1割を翠雨に授与すること
この三つが今回の終戦における契約だ。ソプラノは断るという選択肢はなかった。だが、この終戦はいろんなストリーマーが取り上げることとなった。
・・・
《七瀬カイン》
「いやぁ…すごかったなぁ」
【雪が化け物すぎてワロタ】
【あんなんチーターや!】
【あそこまできたらもう未来視じゃん!】
俺は一度クロスパラレルからログアウトして配信終了前の今回の雑談タイムに入っていた。
「いやね、喧嘩売ったのは悪かったけどこんなになるとはね…」
【少しは反省しろよ】
「するする。てか、まさか蓮さんが出てくるとは思ってなかったなぁ」
蓮さんが出てこなければもしかしたら…いや、あの時点で決着はついていた。ゆきさんのことを打ち取るのは難しかっただろう。
「はぁ…次はどうしようかな」
・・・
《七咲奏》
「おつかれー!」
【おつぅ】
【お疲れ様!】
【大変だったね】
「本当に大変だったよ。あそこまで追い込まれるなんて…そう言えば飛龍さん、今回目立ってなかったけど、スタンさんにやられてたらしいよ」
飛龍さんはソプラノのメンバーでもかなり上位の実力の持ち主で勝てる人は数少ない。まさかそこにスタンさんを当てるとは…もし飛龍さんが勝てていれば結果は逆転まで…
「いや…ないかぁ〜」
最後があの状況だ。勝てても多少条件が良くなった程度できっと勝ち負けは変わらなかっただろう…
「ほんとにチートすぎてしょ!」
でも1番今回予想外だったのは…
・・・
《星影志穂・蛇野縁理・夏色花火》
「いやぁ働いたね」
「まさか志穂さんがあんなに覚醒するなんて」
「ふふふ…これでもうポンコツ呼ばわりはさせないよ!」
志穂さんは今回の抗争のMVPと言っても過言ではない。それほどの活躍をしていた。いろいろしていたが1番大きいのは今回殺害したソプラノメンバーはボス幹部含めて17名、そのうちの6キルを志穂さんがやってのけた。もちろんタークスさんは戦闘専門じゃないし、スタンさんは飛龍さんと戦ってたり、雪さんとハイバーさんは最後の締めに動いていたりしていたので動けるのが私たち3人しかいなかったのはあるが、それでも6キルというのは相当だ。
「どうやったんですか?」
「敵がいる場所に手榴弾投げまくっただけだよ。」
「なる…ほど」
手榴弾は強いがここまでできるほどだろうか?理由は彼女にある。志穂さんはPONと呼ばれているが、その実、強者でもある。頭は良くないし、タークスさん程の戦略家でもない。スタンさん並に強い訳でもない。志穂さんはどちらかと言うと雪さんよりだ。天賦の才、感覚でなんでも出来てしまう天才肌…もしかしたらスタンさんですら負ける可能性があるほどだ。ゲームの上手い人達にはそれぞれ異名のようなものか付いている。
雪さんは怪物
スタンさんは変異
カインさんは化け物
そして志穂さんは
天才




