悩みの種《奏視点》
私《七咲奏》は悩んでいた。悩みの種は最近できたギャング《翠雨》だ。現在この街には4つのギャングが存在している。1つは私が率いるソプラノ、ギャングの中で最も大規模な組織になっている。2つ目は柳雪さん率いる翠雨、現在わかっているだけでもスタンさんやタークスさんなどの少数精鋭となっている。3つ目は神崎カナさん率いる戦者、人数は現在判明しているだけでも10名程度、定期的に警察を殺して回るテロリスト集団だ。最後がさっくんさん率いるWINNER、人数は20名近くでソプラノの次に人数が多い。そして各ギャングはある程度敵対関係になっている。その中でも今大変なのはうちと翠雨の状態だ。こちらはカインさんをやられている。まあ、カインさんが喧嘩を売っていたらしいが、救出時にさらに数名殺されたのと警察と混戦状態になったのもあり、かなり翠雨を敵視している者が多い。だが相手は少人数とはいえかなりの精鋭揃いだ。戦者やWINNERなら1人1人慎重に倒せば行けるのだが、1人1人が強いとなるとそれでもかなりキツイ…しかも向こうは指名手配が雪さん1人に対して、こっちはかなり多い、その人たちが捕まれば、こっちのダメージがデカくなってしまう…
「うーーん…」
私がそんなことを考えていると1人の男性が拠点に入ってきた。
「おはよー!って奏さん1人?」
「ここの拠点は今1人だね。」
彼はウェン、顔出しゲーム実況をしている。元社会人としてブイブイ言わせていたらしくソプラノでは経理や他ギャングとのいざこざ解決などをメインに動いてもらっている。
「あ!そうじゃん!ウェンくんに頼めばよかったじゃん!」
「?」
「今さ、うちと翠雨が冷戦中じゃないですか〜それを解決しようと思ってるんだけど、どうしようかな〜って」
「あーなるほど…勝つのは行けそうですが…費用エグそうですね〜…しかも小規模対大規模だと…」
「そうなんですよね〜ちゃんと元凶のカインくんはちゃんと刑務所行ってもらいましたけどね」
「うーん…そうですね〜一度雪さんと奏さんで1対1で話し合ってみてはどうでしょうか?」
「なるほど…」
「これでもし奏さんが納得しない、雪さんが納得しないとなれば戦争ということでどうでしょうか?」
「いいですね…それじゃあまずは連絡先を手に入れるところからですねー」
「あ、それなら雪さんの連絡先知ってる人がいるはずですよ?」
「え!誰?」
「春風空さんですよ〜」
春風空さんは、ゲーム配信メインで活動しているVtuberで雪さんとかなり仲がいい。
「いつ連絡先交換してたんですか?」
「それが、昨日たまたま会ったらしいですよ。まだ翠雨とはちゃんとした戦争中じゃないし、雪さんと空さんは仲がいいので喋っていく流れで連絡先交換したらしいです。」
「じゃあ、すぐ呼びましょう!悩みの種はすぐに除去しましょう!」
そして私はすぐに空さんは呼び出した。
「どうされましたか、ボス」
「雪さんと連絡先を交換したらしいわね。私と雪さんでギャングボス同士で話したいのよ。聞かないかしら」
「わ、わかりました!」
[もしもし、雪さん、今大丈夫ですか?]
[空さんですか。大丈夫ですよ。何かありましたか?]
[えっと、うちのボスが雪さんと話したいらしくて…可能でしょうか?]
[全然大丈夫ですよ。ただし罠と判断した瞬間全力で潰しに行きます。]
[はい。わかりました。]
[じゃあ、今から1時間後に8059のカフェ集合でいいですか?]
「どうですか?ボス」
「大丈夫よ。」
[大丈夫だそうです。]
[わかりました。では失礼します。]
そこで通話が切られてしまった。
「それじゃあ私も帰りますね」
「えぇ、助かったわ。」
そして空もその場を後にした。
「さて、どうしようかなぁ〜てか、確か8059のカフェってサツキさんが経営してなかったっけ?どうしよう…三つ巴なっちゃいそうなんだけど…」
サツキさんは歌うまゲーム配信者で有名な方で、戦者に所属している。腕前は戦者の中では上位で、普通に上手い。
「まあ、なんとかなるか…いろいろ準備しないとなぁ〜…」
そして私は雪さんと会うための準備をしていくのだった。