マジックアタッカー
「ところで…」
受付嬢が青年を見つめる
「君…役職はどうするの?」
「ふぇ?」
青年は間の抜けた声を出す
「だから役職だよ、パーティー作るなら決めといたほうがいいよ?」
「なるほど…ところで役職の種類とかは…?」
「それぐらい知っておいてよ…」
受付嬢が呆れたように呟く
受付嬢は役職の一覧を指さしながら言った
「君は魔法の適性が高いから…メイジかヒーラーかな…」
「これは?」
青年はある役職を指差す
「あぁ…マジックアタッカーね…」
「これだけは絶対やめたほうがいいよ」
受付嬢が言う
「なんでなんですか?」
青年はとても不思議そうに問う
「この役職はデメリットが大きすぎるんだよね…」
受付嬢が説明を始める
「この役職はメイジが前衛に立って攻撃する役職なんだよね…」
「つまりマナが切れれば全滅確定、しかも魔法耐性が高い敵の場合は打つ手がなくなるんだよ…」
青年が答える
「いいじゃないですか!」
「でしょだからやめたほうが…って、えぇ!? 話聞いてた!?」
「はい! もちろん聞いてましたよ?」
青年は笑顔で言った
「じゃあなんで…」
「いや だって俺、マナが普通の人の2倍ぐらいあるんですよね?」
「確かにそうだけど…」
受付嬢は困ったように答える
「じゃあいいですよね!」
青年は目を光らして言う
「はぁ…わかったよ…」
受付嬢は諦めたように呟いて書類を書き始めた
「本当にマジックアタッカーでいいのね?」
「はい!」
受付嬢は書類を見せながら言う
「じゃあこれでパーティーメンバーの募集するからね」
「お願いします!」
彼 シドの職業は「マジックアタッカー」になった
「ちなみに…」
青年が問う
「パーティーを作ったってことは10層以上は…」
「パーティーメンバーが2人以上じゃないと駄目です!」
受付嬢は即答した