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ミッション;ハル先輩&健太

ミッション02;社内弁当組の作成者を解明せよ

作者: 黒坂 志貴

なろうラジオ大賞6、参加させてもらってます。

同じキャラで他のお題も書いてみようと、チャレンジしました。

「主任、今日も力作ですね!」

「オマエ、またコンビニか?たまには作ってみろよ」

「俺、苦手で・・作ったら毎日遅刻しますよ」


主任は結婚前から料理が趣味で、今は妻と二人分を主任が作っているそうだ。それを朝昼は各自で、と取り決めた共働き料理苦手男子の先輩が、羨ましそうにつっかかるのはよくある光景で。


周囲は畑や民家、山に学校とのどかな環境下にある職場では、外でランチとなると車で10分はかかるし選択肢も少ないから、自作やコンビニ等の持ち込みをデスクでとる事が多い。


チャリ通勤の俺も自作弁当だ。両親が離婚した小4の頃から積極的に家事をやるようになったし、それほど苦痛でも無い。働きながらオレ達兄弟を育てているのに、人に頼ることが苦手な母を見ている方が辛かっただけだ。


その流れで今は家族三人分の弁当も作っているが、上手い訳じゃない。困らない程度に出来るだけで、前日の残り物もレンチンも使うし、映えもしないんだよな。

まぁ、特に好き嫌いも無いしこだわりも無いから、腹がふくれてある程度バランス良ければオッケー、みたいな感じ。


「う~、外めっちゃ寒かった」


車に置き忘れていた弁当を持って来たハル先輩が、隣の席に座る。相変わらず彩りよくて可愛いい弁当だ。


「どうかした?」


ヤバ、凝視し過ぎかも?


「スミマセン、あ、いや、いつもキレイなお弁当だな、って」


付き合ってると言ってもこの1カ月、まだクリスマスに一緒にケーキ食って、正月に近くの神社に初詣行ったくらいで、自然にスマートに振舞えるわけない。どころか会社で毎日顔合わせるだけで意識してしまうから、ミスらないよう仕事するだけでいっぱいいっぱいだ。


「あ~、でもコレ、お母さんが作ってるんだよね。妹のと一緒に。なんか恥ずかしいな」


う~ん、課長なら『そんなんじゃ嫁にいけないぞ』とか言いそうだ。この辺りじゃ根強い価値観でもある。クソだよな。


「恥ずかしくなんてないですよ。お母さんだって楽しんでるのかな?って思います」


「そう、見えるの?」


「はい。なんなら、材料も献立考えて買ってるんだからあなたに勝手に使われると計画潰れる、とか思っていそうです」


「・・・ソレ言われた事あるんだけど。うちのお母さんと、知り合い?」


「俺も食材管理してると思いますし、仕方なく作られた弁当には見えませんよ」



嬉しそうに笑ってキレイに完食したハル先輩と、来週ランチデートする事になった。

読んで下さって、ありがとうございます。

どうせならお題全部でシリーズ作品にしてみようかな?と画策中。

ぜひ、お付き合いください。

イイネや評価いただけると、非常に励みになります。

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― 新着の感想 ―
よくありそうな社内のランチ風景がほっこり描かれていますね。他のお題のも見つけたら読んでみますね。
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