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仁王立ち
堀の格好は仁王立ちに変わっていた。
「高橋くんもさ、大見先生、嫌いだったでしょ?」
「教室がざわつく度に時間取ってさ、授業の内容もだらだらだらわかりにくいし。嫌いだったでしょ?」
嫌いだった。
「見てたらわかるよ。いっつも睨みつけてるじゃん。あれ、前髪が邪魔して先生には気づかれてないの、上手くやってるよね。」
僕はまた少し馬鹿にされているようだった。堀からの嘲笑の視線は間違いなく僕に刺さっていたはずなのだが、不思議と痛くはなかった。
「大見先生とかだけじゃなくてそういうの、全部嫌いでしょ。無駄な時間とか、筋の通っていないこととか。」
「なんかずっともやもやいらいらしてない?自分が何をしたいのか、どういう人間だったのか、わからない感じ。」
堀は僕の目を覗き込んだ。初めて目にする井戸に興味をひかれた子供のように。




