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その一部始終
五時限目の英語だった。大見の英語。我が校随一の退屈さを誇る授業の一つだ。この授業の終わりにはいつも髪がぐしゃぐしゃになっている。暇すぎて髪のセットがうまくいっているかどうかが気になってしまうのだ。
なにせ大見は昼休みが終わりほとぼりの冷めない教室に、静かになるまで待つという古典的な方法で冷や水をかけるような男だった。静かになった後に訪れるあの気まずさを好み、堪能しているのだ。
そんな授業も半ばに差し掛かったころ、突然堀はちゃぶ台返した。大きな音が鳴り、全員の肩が強張った。先生も。
教室中が絶句している数秒の間に、堀はおすまし顔で荷物をまとめ、すたすたと教室から、そして学校から出て行ってしまった。




