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当たり前の起伏
二人の会話の内容まではわからなかったけれど、英里の方が口数は多いようだった。洋介は困惑した様子で、英里はくすくすと笑っていた。気に入らなかった。
俺と英里はまだ恋人同士のはずだ。お互いに別れを切り出さずにいる。それがなんだ。彼氏には連絡をよこさず、放課後こっそり男と会っているとは。それが洋介で、密会の場が二年四組とはなんとも大胆なものだ。
そこまで考えると、次はこの密会が何回行われているのかどうかが気になり始めた。何度も会っているのだとしたら洋介はいったいどんな気持ちで俺と話していたのだろう。今日が初めてなのだとしたら、明日のあいつはいったいどんな顔をして俺の前に姿を現すのだろう。




