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深まる潜在力
英里は不思議なやつだ。これは確かだろう。多分。
彼女は北海道に三歳の頃まで住んでいて、六人兄妹の次女らしい。犬が好きだと言っていたけど道で通り過ぎる犬に反応したことは一度もなかった。しょぼい嘘をつくものだ。あともう少し大げさなものだったら、始めから疑っていたというのに。
机をひっくりかえしてから一週間(正確には八日間)経った今日も、英里は学校に来なかった。連絡は取り合っていたが、二人で顔を合わせるということはなかった。多分避けられている。俺の方も冷め始めていたから、それについて特に思うことはなかった。
それでも、英里の爆発の原因が俺にあるのではないかという考えはよぎったりした。
「俺のせいだったりする?」聞かない理由もなかったので尋ねてみると、「違うよ」とだけ返ってきた。英里は文末に(笑)を付けないタイプだ。それが俺をたまに不安にさせる。そんな小さなことを気にしているのはダサいから、指摘したことはないけど。




