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洗濯機とポケットティッシュ

作者: 昼野十二時

ドラム式洗濯機の蓋を開けた瞬間、ポロッと白い塊が出てきた。


「・・・あぁ、まじか」


ジーンズのポケットに、ポケットティッシュを入れたまま洗濯してしまった。

幸い自分の衣類のみだったが、30代になって20数年ぶりの失敗に地味に落ち込んだ。

バサバサとシャツを伸ばして干しながら独り言を呟く。


「なるほどね、お母さん」


小学生の頃にティッシュを洗濯して、母親に注意された時のことを思い出した。


「バスタオルにめちゃめちゃ付いてる・・・」


繊維に絡まったティッシュを地道に取り除きつつ、母親もぶつぶつ言いながらやっていたのかなと思いながら懐かしさと寂しさに浸っていた。


ただ、顔は自然と笑っていた。


1週間前に娘が生まれ、現在、体調が安定するまで妻と娘は妻の実家で生活している。

これから娘がポケットに入れたティッシュを洗濯するときが来るかもしれない。

いや、むしろ来てほしい。

ついに来たかと。


そして、娘が親になったときに


「なるほどね」


と独り言を言っているのを想像する。


その時が楽しみで仕方がない。


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― 新着の感想 ―
[一言]  そういう些細な、生活の感覚を。世代で継いでいくことが、ひとの営みなのですね。  ティッシュなら、まだいいですが、大事な紙だと大変なので、気をつけろとの警告的教訓かと。
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