〜ある夜の出来事〜
車は藤田が予約したホテルに止まった。
心音は車から降りると藤田に一礼だけして、そのままホテルの中に入って行った。
そして藤田が予約した部屋に入ると、心音はベッドに横たわった。
(私……もう……歌手には戻れないのかな……)
心音の眼から、自然と涙が流れてきた。
心音はその涙を止めることが出来なくなり、ベッドの上で号泣した。
しばらく泣いた後で、心音は何気なしにメールの確認をした。
すると、その携帯電話に見たことも無いアドレスからのメールが届いていた。
心音は不思議に思いながら、前やりとりしていた友達かもしれないと思い、メッセージを送った。
【えっとー誰かな? 携帯替えちゃってわからないから教えて】
するとその相手からメッセージが返って来た。
【君が今欲しいものを私は持っています。騙されたと思って→をクリックして下さい】
心音はそのメッセージを見て、ただの悪質メールだと思い、その相手を拒否設定にしようとした。
だがその携帯電話の画面は、急に真っ暗になった。
そして次の瞬間、その画面は怪しい光を放ち出した。
【ありがとうございます。ご注文の品は明日その部屋に届きます】
そしてそのメッセージを表示した後、携帯電話は元の画面に戻った。
(い……今の……何……!?)
心音は今自分の眼の前で起こったことが全く理解出来なかった。
そして藤田にすぐ電話して今起こったことを説明した。
「うーん……でも特にスマホそれから誤作動もしてないんだよね?」
「なら何も問題無いと思うよ……」
「その怪しい光?はよくわかんないけど……」
「多分まだ病み上がりだから、何かと勘違いしているんじゃ無いかな?」
「とにかく今日は早くお休み」
心音はその藤田の言葉で一つ気になり、再度そのメールを確認しに行った。
だが、さっき見たはずのそのメールは消えていた。
心音は、その事実に異常な恐ろしさを感じた。
そして、その恐怖に耐えられなくなり、ベッドの中に潜り込んだ。
そして、気付いたらそのまま眠ってしまっていた……。
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