〜事情聴取〜
そんなある日、病室に警察がやってきた。
警察はそれまでずっと藤田とやりとりをしていた。
藤田は心音の状態を気遣って面会を断ってきていた。
だが、心音の声が復調していることを聞き付けた警察に、同伴でも構いませんのでとお願いされた為、面会を許可することにしたのだった。
そして警察は、心音に今回のガス爆発によって起こった火事について焼け跡から推測した当時の現場の状況について話し出した。
「おそらく状況からしてガス漏れか何かだと思いますが、気になるのはその損傷の程度なんです」
「全て燃えていてよくわかりませんが、何人かがそこにいた形跡が残されていました」
「それもそのガス漏れ直前に……」
「あの日……何があったかどんな些細なことでもいいので覚えていませんか?」
心音はその時の衝撃が凄かった影響で、その前後の記憶が飛んでしまっていた。
そしてその時のことを思い出そうとすると、頭が痛くなってくるのを感じていた。
その様子を見た藤田は、警察と心音の二人の間に割り込んだ。
「やはり……まだ時間が必要です」
「今日のところはお引き取り下さい」
「本当に何も覚えてないですか?」
心音からどうしても情報を聞き出したい警察は、改めて心音に尋ねた。
「はい……」
心音は警察に対して、短く返答した。
「……わかりました……」
「それでは何か思い出したら署まで連絡して下さい」
それだけ言い残すと、警察は病室を出たのだった……。
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