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リボルバーハート  作者: がっかり亭
第十二章:無限装填
53/59

12-3

 長官の叫びに俺は耳を疑った。

 こんな次元の戦いで、俺に出来ることがあるとは思えない。

 いまさら心臓が人より多いだけの俺なんか――

「まだチャンスはある!! こいつには、超スーパーガールの力はコピーしきれない!!」

「はははっ、くだらない嘘をついて!」

「いや、お前に超スーパーガールの力はコピーできない。なぜならあれは【幼児特有の全能感】から来る能力だからだ」

 は?

「なんだって?」

「彼女は、20年近く昏睡していた人間だ。だからその精神は幼児そのまま。だからあれほど常識外の力が出せる」

 ちょっと待て。

 りりんはどう見ても20代半ば。

 だったら、彼女は体が大きいだけの幼児――

 高校に行っていないというのは強がりで、そもそも小学校にすら――

「だが、お前は違う。常識、社会通念、科学知識。様々な枷がお前を縛る。彼女ほど自由な思考を持っていないお前に、あの力は使いこなせない!! あれは誰より優しい彼女にしか使いこなせない力だ!!」

 そうか! 長官がなぜ、りりんを戦わせなかったのか。

 コピーや洗脳を恐れていただけじゃない。

 彼女が幼い子どもだからか!!

「……俺は」

 両の拳を地面に叩きつける。

「何している……っ!!!」

 震える脚を無視して拳を軸に体を起こす。

 小さな子が戦っていて。

 そんな小さな子を戦わせないために戦っている長官がいて。

 ここで立たなきゃ男じゃない。

 長官が、抑えてくれている間に、何とか体を起こしていく。

「舐めるなよ。僕の能力をただのコピーだと思っているのか? ははっ、超AIの計算能力はその程度なのか」

「なんだって?」

「僕の力は、純粋な超能力だ。相手の脳神経を透視とテレパシーで読み取ってその構造を解析し、念動で脳を作り変えて能力をコピーする……! 誰がソルティの脳を作り変えて能力をくれてやったと思ってる!」

「まさか、キミは!!」

「そうだ! 自分の脳を作り替えればいい!! 常識なんて海馬から消してやるよ!!」

 コロナの目がぐるんぐるんと回り出す。

 頭を、自分でいじくっているのか!?

「はははははは! 俺の望む世界を作り出せるチャンスだ! 邪魔させるわけがない!!」

 やばい。

 時間がない。

 立て、立て、立て――

「もう、しょうがないんだから」

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