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リボルバーハート  作者: がっかり亭
第十二章:無限装填
51/59

12-1

「あはははははははは!! 思い通りだ!! 狙い通りだ!!」

 あの常識を超越した超スーパーガールの力を、コピーされてしまった。

「お前のAS能力は……コピーか!!」

 異常に多彩な能力。

 カバネやハガネと全く同じ力。

 思い至らなかった自分の愚かさに、内臓から絞り出すような声が漏れた。

「はははははは!! そうだよ!! 最初から、最強の能力者をコピーすること、それだけが目的だった!!」

 そんな、馬鹿な。

 じゃあ、ハガネもカバネもソルティも、壊された街も、奪われた命も――

「クラウレンはこのために! テロもこのために!! 強い奴を呼び出せれば、それでよかったんだよ!!! ちょうどいいのが来てくれて助かるよ!! ははははははははははは!!」

 だから、長官は最強の超スーパーガールの出動に慎重だったんだ。

 最強だからこそ、呼ぶわけにはいかなかったんだ。

 コピー能力者が現れたら致命的だから――

 倫理観を持っていない相手に、あの力が渡った――

 全身が総毛立つ。

 どんな修羅場でも味わったことがない、寒気が全身を貫いていく。

 そろそろ立ち上がれるほどには、体の機能は戻ってきている。

 しかし、恐怖が体を震わせて、ついたままの膝が起き上がろうとしてくれない。

「それでも、ゴカクってことでしょ!! だったら気合で勝つ!!」

 確かに、これで五分になっただけだ。

 彼女になら、まだ打てる手がある……か?

 超スーパーガールが強烈なパンチを放つ。

「対策してないとでも思った?」

 コロナが目を見開いた。

「えあっ!?」

 すると超スーパーガールが後ろに吹っ飛んだ。

 そのまま倒れて動かない。

「きさま、何をした……?」

「念動力で脳を揺らしたのさ。肉体が無敵でもそこは強化されてないからね」

 そん、な。

 最強の超スーパーガールが、こんなにあっさりと……。

「まだだ!! 諦めるな!!」

 ビルの外壁に叩きつけられていたバケツ長官が、そのビルを蹴ってコロナに突っ込んで行く。

 超スーパーガールにも引けを取らない凄まじいスピード。

 全身を弾丸にしたバケツ長官のパンチが、コロナの腹に突き刺さる。

 威力の余波で、長官の頭のバケツにも亀裂が入っていた。

「ぐっ、案外やるね……! だけど、これもコピーすればいい――」

 コロナの目が、全てを射貫くように鋭くすぼめられる。

 しかし、その目が今度は驚愕に見開かれた。

「なんだ、なんだお前……!! 人間じゃないな!!」

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