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この顔、見覚えがある。
前に、地下アイドルを題材にひとネタを作ろうと思って、調べていた時に見つけた顔だ。
それこそ、こないだの飲み会で、アウトにコイツのアカウントを見せた覚えもある。
「アンタ、みっしぇる?」
「……だったら何? フーン、アンタみたいなのでも知ってるんだ」
あれほど怒り狂っていたのに、知られていることが嬉しいのが、隠しきれてない。
わかるよ、その気持ち。
メジャーな芸能人じゃない身からしたら、知られているってのは、それだけ嬉しいことだ。
「何でアイドルがこんなマネしてんの」
「この社会が腐ってるから」
わお、超テンプレ。
「ふぅん、よっぽど嫌な目にでも遭った?」
「アンタみたいに女を売り物にするヤツにはわかるワケない」
してませんけど!!
ブルマ=エロっていうお前のアタマの方がおかしいだけですけど!!
「どんなにいいパフォーマンスをしても集まるのはキモい男どもばっか。歌なんかまともに聴いてない。どいつもこいつも、応援してます~なんて言って、そのくせぜーんぶ体目当て。キモいリプにキモいDM……風俗行けよ!! キモすぎんだよ!! そんな奴らばっか!! そんな奴らが作った男社会! 腐り切ってる!」
よくもまぁ、ぺらぺらと。
「エロい目をむけるな!! ホントの私を見ろ!!」
意識高い系のSNSで見かけるような、他人の言葉のパッチワーク。
芸人で言えば、人のネタを寄せ集めるようなもの。
中身のないヤツがすることだ。
「悲劇のヒロインぶってんじゃないわよ。こっちはアンタのSNSだってこっちは見たことあるんだよ」
「はぁ? それが何」
「ふだん、化粧品や雑貨ねだるようなツイートを繰り返してさんざん貢がせておきながら、体目当てでキモイなんて言うの筋が通ってなくない? パフォーマンスで引き付けられないのを自覚してるからワンチャンを匂わせて繋いでたんでしょ? 相手が体目当てになるのは当然。もし男が悪いんならもっと女性ファンがいるよ。アンタに女性ファンがいる? 全然いないくせに。自分のファンをキモいとか言ってんじゃねえ!! 全部がダサいんだよ!!」
「――っ!!」
あー、すっきりした。
半分は芸人として実力不足の自分にも言ってるんだけど、だからこそ、芯を食っていた。
女性ファンのほとんどいない自分だってエグられる威力だ。
コイツにだって刺さらないはずがない。
予想通り、怒りのあまり、顔を真っ赤にして、言葉も出ないみたい。
「あんたに、何がわかるあああああああああ!!」




