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リボルバーハート  作者: がっかり亭
第十章:視点
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10-2

 何をされたか、わからなかった。

 ただ脳天から衝撃と激痛が全身に走り、膝をついていた。

 体から噴いた煙で雷が落ちたのだと理解する。

「な、によ、コレ……」

「言ってなくて悪かった? クラウレンの【天】に能力を頂いたの。フフッ」

 視界がチカチカしてまだ戻っていなくても、性格の悪さ丸出しの笑い声はわかる。

 能力を頂いた?

 そんな、ふざけたこと……!

「私の新たな能力は雷撃。そう、クラウレンの上級幹部である【雷】に選ばれた私にふさわしい!!」

 自慢してくれているのはありがたい。

 内容は聞くに堪えない自画自賛だけど、回復の時間が稼げる。

 今、距離を詰められて触られたら終わりだ。

「アンタ、焼かれて死ぬのがいい? それとも塩の柱になりたい? ああ、それか、塩漬けのローストにしてあげましょうか。ははっ!!」

「例えがつまんないのよ。芸人に汚え笑い顔を向けるなばか」

 完全回復まで喋らせてたらいいのに、我慢できなかった。

 わたしが見たい顔は、わたしが見せたい顔は、そんな歪んだものじゃない。

 心から笑ってほしいのだ。

 緻密な伏線改修だろうが、一発ギャグだろうが、ドッキリだろうが、風刺だろうが、下ネタだろうがなんでもいい。

 笑ってくれさえすればそれでいい。

 だけど、人を苦しめてヘラヘラする笑いだけは違う。

 そんなもの、プロの芸人として絶対に許さない。

「ホンット、ウザすぎ!!」

 帯電で髪を逆立てながら、雷撃を放とうとするソルティ。

 けど、遅い!

「ふっ!!」

 ビーム縦笛の吹き口に息を吹き込む。

 すると、笛のお尻からビームが放たれた。

「なっ、ぎゃあっ!?」

 距離があることで油断していたソルティの顔面にビームが炸裂する。

 仮面に命中し、そのまま後ろに吹っ飛ぶ。

 こっちだって、触れたら塩にされる奴に対して、遠距離で戦う手段くらい用意してる。

 怪力が活かせないから、メインウェポンには出来ないけど、隠し武器としてなら充分だ。

 もちろん、殺傷力は極力弱めの設計になっている。

 ビームの飛び道具は、貫通力を考えるとあまりに危険だし、わたしだって人殺しにはなりたくない。

 厳密にはビームそのものじゃなくて、わたしの身体能力で吹き込んだ息を、ビームで熱して射出したものだ。

 いわば、アツアツの空気砲だ。

 だから、物理的な破壊力はそこそこあるけど、命を奪うほどじゃない。

 その証拠に、ソルティも起き上がろうとしている。

 回復させたら雷を落としてくるに決まってる。

 このまま追撃!

 縦笛をビーム剣の状態にして、突っ込む。

「よくも! よくもォッ!!」

 自分の周りに、めったやたらに雷を落としまくるソルティ。

 これでは近づけない。

「ひとの商売道具に傷をつけやがってえええっ!!」

 商売道具?

 そう思ったけど、さっきの衝撃で仮面は飛んでいて、下から血のにじんだ素顔があらわになっていた。

 整った顔立ちなのは間違いないし、普通に美人だ。

 その言いようからして、モデルか何か――

「あ」

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