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リボルバーハート  作者: がっかり亭
第一章:装填
1/59

1-1

【シンギュラリティ】

 人工知能の進化が人間の予測を超える域に達すること。またそれによる人間社会の大きな変化。

 技術的特異点。


 俺には心臓が6つある。

 

 突然、何を言い出すんだと思うだろう。

 だが、事実だ。

 生まれつき、俺には心臓が6つあった。

 それはポン・デ・リングのように輪になって並んでいたらしい。

 妊婦の検診では、心音が複数あるので3つ子か何かだと思われていたらしいが、実際には一人とわかって大騒動だった、らしい。

 医学的には確率はゼロじゃない。

 結合双生児には心臓が2つのケースもある。

 だが、6つとなるともはや医学的どうこうというより天文学的な確率だそうだ。

 本来なら、はっきり0だと言っていいレベルらしい。

 6つ子として生まれるはずが、胎児の段階で結合して一人になり、心臓だけが残った……ということのようだ。

 本来双子として生まれるはずが、一方の体に取り込まれ腫瘍になっていた『ブラックジャック』のピノコのエピソードは有名だと思うが、あれの6つ子版をイメージするとわかりやすいかもしれない。

 ともあれ、嘘のような話だが、俺――出花遭人でばなあうとは、そうして生を受けた。

 ちなみに、アウトなんて名前は親の嫌がらせでつけられたわけじゃない。

 野球を全く知らない曾祖母が、「人に遭うことこそが人生だ」というポリシーでつけたらしい。

 アウトという単語を聞いたことくらいはあっただろうから、響きだけ頭に残っていたのが災いしたんだろう。

 ギリギリまで「縁人えんど」との二択だったそうだから、どっちにしろどん詰まりなスタートだ。

 そう考えると俺の人生は最初からアウトだったのかもしれない。


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