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誰が人魚を殺したか  作者: 凪子
【序章】
3/213

2







「何しに来たの」


壁際に立って腕を組み、透子とおこ剣呑けんのんな表情で問いただした。


「何回も電話した。それにメールも」


男性は溜息まじりに、


「携帯見てなかったろ」


「お互いさまでしょ」


取り澄ました彼女の顔から足先まで、男性はじろりと眺め下ろす。


どこか憮然とした様子に、透子は眉を寄せた。


「何?」


男性は透子の膝丈スカートを指さし、


「短すぎるんじゃないか」


「わざわざそんなこと言いに来たの?だったら帰って」


両手で男性の胸あたりを押しやると、彼はその手を掴んで言った。


「島に帰る」


島という単語に、透子のまぶたが引きつった。


「今晩の船を予約してある。お前も一緒だ、透子」


「いきなり、何で……」


茫然と言った語尾が掠れてわななく。彼はそれには答えず、透子の手を引いた。


「行くぞ」


「ちょっと待って。私まだバイト中だよ」


「帰らせてもらえ」


「できるわけないでしょ、そんな勝手なこと」


離してよ、と透子は腕を振りほどこうと大きく振った。


それがまともに顔面に当たりそうになって、那智なちは身をのけぞらせた。


予期せぬ闖入者ちんにゅうしゃに、二人の動きが硬直する。

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