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オークキングを倒した!

「ゼッタイニ ユルサナァァァアアアアアイイッッッ!!!!!」


 オークキングはその名の通り、まさにキングに恥じない出で立ちであった。

 通常は不可能だが、キングの称号を有する故か、鉄製の牙と鉄製の爪、二つの武器を装備していた。赤く煌めく眼光は視界に映る全てを「破壊してやる!」と断言しているかのような、それ程までの風格を備えていた。


「これがっ、キング!!」


「ひるむな! だいじょうぶ! ぼくたちなら、きっとかてるさっ!」


 俺はメシュアの励ましを受け必死に走った。

 オークキングは威力もさながら、攻撃範囲の広さも強みである。


 俺みたいに貧弱な人間であれば飛び石の一つや二つでノックアウトしてしまうだろう。そうなればメシュアも危険に晒される。それだけは絶対にできない!


「うおおおおおお!!」


 俺は鉄の鎧の上から、さらに分裂し薄くなったメシュアを纏っていた。

 二重の防壁。これはもはや要塞ともいえよう。

 それでもオークキングの攻撃は俺にダメージを与え得るものだった。


「くそ、なんてやつだ!」


「ユルセネェエエエエッッ!! オオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!」


 オークキングが唸りを上げるだけで大地は轟き(くう)は揺れる。激しい咆哮は俺の胸部を殴打し、荒ぶる拳は土煙を巻き上げた。

 オークキング! 僅か一匹でオーク20体以上もの戦闘力を有すると言われる獣人族の長!!


「それでも、俺たちなら勝てる! そうだろ、メシュア!!」


 細かく分裂したメシュアが、一斉に応えた。


「もちろん!!」


 メシュアの叫びに応じ、俺は大声で詠唱する、


「クローズ!!」


 俺の詠唱にてメシュアは瞬時に半分(・・)のビー玉と化し消えた。

 これによりオークキングの標的は俺一人に限定された。

 目立つ奴から攻撃する、というオークキングの習性をついた奇襲である。


「ウオオオオオオオオオオオオッッ!!」


 だが、オークキングには考えねばならないことがあった。怒り狂っている暇などはなかったのだ。


「かかった!」


 俺は分裂したメシュアを半分しかクローズしなかったのである。

 オークキングはまんまと地面に張り付いたメシュアを踏みつけ、そして横転した。


「ガアアアアアアッ!?」


 俺はもう一度クローズを唱えた。

 残りのメシュアもビー玉となって消えた。


「サモン!!」


 そして、完全な状態のメシュアをオークキングの頭上(ずじょう)目掛けて召喚したのだ。やることは決まっている。あれだけの大岩を吸収したメシュアは、もう立派な凶器だ。


「やれ! メシュアッ!!」


「まかせろいっ!!」


 メシュアは『ゴブリン林』の道を塞いでいた大岩をオークキングの頭上(ずじょう)で解放した。

 大岩は容赦なくオークキングの頭上目掛けて落下していく!


 横転したオークキングが体勢を立て直すよりも早く、その大岩はオークキングの頭を容赦なく叩き潰したのであった――!!




「やっぱ、メシュアは”凄い”スライムだな!」


「へへっ! あたりまえだろ!」


 こうして、俺は『オークキング』討伐クエストをクリアしたのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

面白い、続きが気になる、期待できそうと思って頂けた方には↓の☆☆☆☆☆で応援していただきたいです!つまらなかったら☆1,面白かったら☆5を頂けると光栄です!ブックマークや感想、レビューなどもばんばんお待ちしております!!

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