第3惑星『ガイア』PVP無差別級予選大会
「ウェポンブレイク!」
「ガイアクリエイト!」
敵の振り下ろした大斧が俺の武器を破壊する。
凄まじい破壊エフェクトが舞い散り、武器へのダメージが視界の端に表示される。
すぐさま長槍を作り出し、相手が振り下ろした斧を盾替わりにする前に突き出す。
「大車輪!」
スキルにより敵の体はコマのように回転し始める。
振り下ろされていた筈の斧が異様な速度で引き戻され、俺の槍を弾いた。
が、
「うっ!?」
おそらく敵は訳が分からないだろう。
なぜなら弾くつもりだった武器が容易く砕けたと思ったらいきなり穂先が伸びて体に突き刺さったのだから。
「すげぇよあんた。俺が本戦まで取っておくつもりだった奥の手まで使わされたよ」
「ちっ、だがまだだ、戦いはここからだぜ」
そう言いながらバックステップで距離を取ろうとする斧使いだが、精神的動揺を見逃す程俺は甘くはない。
「リリース。刺し貫け」
俺が纏っていた鎧が溶解。
1本の槍とそれに結び付けられている鎖に変形し、拘束した。
「土魔法の弱点は起動の遅さと射程、連発が効かない点にある...これからどうなるか、分かるよな?」
彼は仮にも最終戦まで戦い抜いてきた猛者だ。普段ならば、たとえ拘束されたとしてもすぐさま抜け出すことが出来ただろう。
が、動揺しているところに追い打ちをかけた今、即座の反応は出来まい。
「土に還れ」
「今!ここに!第3惑星ガイアの最強が決定したァァ!
【ガイアソーサラー】の【土星】さんがPVP大会無差別級で優勝だ!」