Unbreakable heart , Broken bone[初ライブ①]
前回までのあらすじ
スランプ死
6月8日(土)[TOKYO IDLE FESTIVAL:DAY1]
東京ドーム
P「おはようございます」
ゆとり「あぁプロデューサーさん。おはようございます」
P「ニューデザの3人は?」
ゆとり「もう楽屋にいますよ。初ライブといことで緊張しているでしょうから、励ましてあげてくださいね」
P「はい」
『New Desires』楽屋
P「・・・」
真織「よし、じゃあ右手が赤!」
ルナ「ふぐぐ・・・」
りんね「おぉ、素晴らしいM字開脚(連写)」
ルナ「やめっ、撮らないでくださいっ!!」
P「私のプロデュ-スしてるアイドルが初ライブ前に楽屋でツイスターゲームをやっている!!!!?」
ルナ「あぁっ、見ないでプロデューサー!!!」
P「見てません見てません(目隠し)」
真織「いや目隠しの隙間からちょっと覗いてんじゃねぇかこの変態野郎!!(目つぶし)」
P「目つぶしは効かない!!(直撃)」
真織「なにぃっ!?眼球に指が入らないだと!?」
P「高校時代、ボランティア部に所属していたもので」
真織「目の頑丈さと何の関係が?」
りんね「ルナ、次は左手が赤じゃ」
ルナ「うぇ~また赤ぁ・・・折れちゃうよぉ~・・・」
P「そこ、ツイスターゲーム続行しないで」
りんね「む、何故じゃ。せっかく合法的に女子のスカートの中を覗き見れる絶好のチャンスであるというのに」
P「ここまで下心MAXでツイスターゲームやる人初めて見ました」
ルナ「一時的に関節を外せば、いける・・・!」
P「いけない!!あなた波紋使いじゃないでしょ!!!普通に怪我するからやめて!!」
ルナ「心配してくれてありがとう、プロデューサー。でも大丈夫。私、負けないから―――」
P「初ライブに影響が出るって言ってんの!!!!!」
ルナ「えぇぇぇいっっっ!!!」
「グキッ(関節が外れる音)」
ルナ「ぎゃああああっっっっ!!!」
真織「ルナぁぁぁぁぁぁ!!!」
P「ほ~ら言わんこっちゃない!!!」
真織「・・・でも、見なよプロデューサー」
P「えっ?」
真織「指令通り、左手を赤色に置いてるじゃねぇか。弱い自分に勝ったんだぜ、あいつ」
P「できればツイスターゲーム以外の方法で勝ってほしかったです」
りんね「それだけではないぞ、プロデューサー」
P「えっ?」
りんね「ほら、M字開脚がより強調されて・・・」
P「あぁ。真面目に聞いた私が間違ってました」
ルナ「あ、あの」
真織「ん、どうしたルナ?」
ルナ「関節・・・入れて・・・」
P「じゃあ園田さん。私が腕を動かすので、あなたは西覇王さんの身体を動かないように支えていてください」
りんね「うむ。承知した」
P「西覇王さん。ゆっくり腕を動かしますから、楽にしていてください」
ルナ「はい、プロデューサーさん・・・」
P「じゃあいきますよ。でぇぇいっっっ!!!」
ルナ「あんぎゃあああああああああ!!!?」
真織「戻ってこぉぉい!!!ルナの関節ぅ!!!」
「スチャッ(関節が入る音)」
P「よしっ、入った!!!」
りんね「ぶぇっくしょん!!!!」
「グキィッ(関節が外れる音)」
ルナ「ぎゃああああああああ!!!!」
P「園田ァァァ!!!」
東京ドーム メディカルルーム
医者「折れてるよ、これ」
ルナ「・・・」
P「・・・」
医者「ツイスターゲームやってて脱臼しちゃうなら、まぁ分かるよ。つい熱くなっちゃうもんね。でもさ、骨折まではいかないと思うんだ普通。なんかしたの?」
P「・・・」
医者「ちょっと、黙ってないでなにか喋ってくださいよ。責任者でしょあんた?」
P「うるせえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ルナ「!?」
医者「!?」
P「さぁぁっきからうぅるせぇんだよ!!!ネチネチほざいてる暇があったら脱臼だろうが骨折だろうがさっさと治せやこの三流外科医が!!!!」
医者「お、落ち着きなさい君・・・」
P「落ち着いてられるか!!!俺の担当するアイドルが初ライブ前に骨折したんやぞ!!しかも楽屋でツイスターゲームしてて!訳わからんやろ!?逆にお前俺の立場やったら果たして落ち着いてられるんかこの薄汚れ白衣!!!」
医者「き、気持ちは察するがここは診療スペースだから静かに・・・」
P「他の患者誰もいねぇから別に構わねぇだろうがこのハゲ!!!」
医者「だぁぁれがハゲじゃ貴様ぁぁぁぁぁ!!!!」
ルナ「やめて!!!!」
P「っ!」
ルナ「ぜんぶ私が悪いんです。私が本番前にあんな無理したからこんなことになって・・・」
P「違います。結果的に骨折に至らしめたのは私のせいです(真犯人は園田だが)。あなたが気に病むことではありません・・・!」
ルナ「でも・・・!」
P「あなたは何も気にしないで。まずは怪我を治すことを第一に考えてください」
ルナ「・・・はい」
P「すみませんでした、取り乱して」
医者「いえ、私のほうこそ」
P「あとハゲって言ってすみません」
医者「それはマジで許さん」
ルナ「あの、医者」
医者「医者に対して『医者』って呼ぶ子初めて見た。で、なんだい?」
ルナ「私、ライブ出られませんか・・・?」
P「はっ?」
医者「何を言ってるんだ!そんなことできるわけないじゃないか!!」
P「そうですよ。いま無茶をしたら今後のアイドル生命にも影響が出ます!」
ルナ「でも・・・あの2人の足を引っ張るようなこと、したくないんです!」
P「・・・」
ルナ「私は・・・New Desiresのお荷物なんです。歌もダンスもイマイチでいつもアドバイスを貰ってばかり。要領が悪くていつも空回り。そしてこんな大事な日にすら迷惑をかける始末・・・そんなの嫌なんです。私をここまで支えてくれたあの2人の恩を、仇で返したくないんです!!!」
真織「・・・ったく、わけわかんねぇこと気にしてんじゃねぇよ」
ルナ「っ!?」
P「金木さん、それに園田・・・楽屋で待機しておくように言っておいたじゃないですか!」
真織「へっ、いつまでもあんな所で待てるかよ」
りんね「うむ。わらわは我慢弱いからの」
ルナ「・・・」
真織「なぁルナ。お前、自分がお荷物だなんて思ってたのか?」
ルナ「ぇ、だって私、歌もダンスもそんなに上手くないし・・・」
真織「はぁ・・・お前なぁ、もうちょっと自分に自信持てよ」
ルナ「えっ?」
真織「お前、歌もダンスも上手いんだからよ。3人の中で1番」
ルナ「え・・・でも、いつも2人からアドバイスされてばかりだし」
りんね「む。アドバイスを受ける者が実力不足と決めつけるのは、ちと考えが甘いの」
ルナ「っ?」
真織「あぁ。別に上手い奴にアドバイスしたらダメなんてこたぁねぇだろ。私らはな、この中で一番実力のあるお前が、さらに成長できるように助言してただけだ」
ルナ「そうだったん、ですか・・・!」
りんね「そうじゃ。お主の歌やダンスが下手だと言われてしまうと、それに劣るわらわたちのメンツが立たんじゃろうが」
ルナ「ご、ごめんなさい!」
真織「そうだ。お前はお荷物なんかじゃない。誰にだってお前のことをお荷物だなんて言わせない。だからルナ、お前も自分のことをお荷物だなんて二度と言うんじゃねぇぞ」
ルナ「・・・はい!!!」
P「・・・」
P「西覇王さん、彼女たちが言うようにあなたは足手まといなんかではありません。だから今日は無理しないで。今回のライブは、金木さんと園田さんだけで・・・」
りんね「む、お主は何を言っておるんじゃ?」
P「え?」
りんね「わらわたちは、これから3人でライブに出るぞ?」
P「は。いや、ですから西覇王さんはいま骨折していてですね・・・」
りんね「だから?」
P「だから、って・・・骨折してたら踊ることなんてできないでしょう!?たとえライブに出たとしても、3人中骨折していない2人しか踊らないなんてことになったらアンバランスじゃないですか!」
真織「へっ。そこでな、いいアイデアがあるんだよ」
P「えっ」
真織「よく見ろよ。さっきから私たち、腕プラーンってなってるだろ?」
P「えぇ、まぁたしかに・・・」
真織「さっき骨折してきた」
P「」
次回、初ライブ(重症)!