表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイドルバスター 印税の偶像  作者: おでん信用金庫
7/12

既得権益にふれたよ[改名]

前回までのあらすじ


役者は揃った



4月下旬

456プロダクション 応接室



P「それでは本日より、この3人で『プロジェクト・リベリオン』として活動していってもらいます。皆さん、よろしくお願いします」


真織(まおり)「うぃーす」


ルナ「よ、よろしくお願いします」


りんね「うむ」


P「これから今後のスケジュールについてお話します。皆さん、メモのご準備を・・・」


真織「・・・ちょっといいか、プロデューサー?」


P「おっ、どうしました?」


真織「その・・・『プロジェクト・リベリオン』ってユニット名、もうちょっとなんとかならねぇか?」


P「えっ?」


真織「なんかもうちょっとスッキリした名前がいいというか・・・」


りんね「うむ、よくぞ言った真織。わらわも同じ意見を抱いておったぞ。その名前は少々風情がない」


ルナ「実は、私もちょっと・・・」


P「・・・」


P「そうですね。ではまず、新たなユニット名を考えてみましょうか」





30 minutes later



P「じゃあ皆さんが考えたユニット名を一斉にオープン!」


真織「マネタリズムレイディズ!!」


ルナ「Death(デス) Force(フォース)


りんね「いちゃラブお庭番」


P「「「あダーメだこりゃ!!!」」」


真織「んだよ、なにか問題でもあんのかよ!?」


P「ありありです!みなさん自分の主張をユニット名に出しすぎです!マネタリズムとかDeathとかいちゃラブとか!」


ルナ「ダメなんですか?」


P「ソロユニットならよいですが、皆さんは3人組です。それぞれの主張が激しすぎるのも問題なんです」


りんね「なるほど・・・では『金・暴力・SEX』というのはどうじゃ?」


P「よくもまぁそんなもの提案してくれましたね」


りんね「ダメ、か・・・(落胆)」


P「何故そんな真剣に落ち込めるんですか」


ルナ「まぁたしかに、アイドルのユニット名に『暴力』ってワードはよくないですよね」


P「まぁその後のワードもダメなんですけどね。いや、むしろそっちのほうがアウトなんですけどね」


ルナ「え、『SEX』のことですか?」


P「一応全年齢対象の作品なので、そのワード二度と発言しないでください」


りんね「では、『金・暴力・性交』というのはどうじゃ!?」


P「園田さん、あなた当分なにも回答しないように」


りんね「む・・・わらわのスーパー人志くん人形が・・・!」


真織「う~んそうだなぁ。アイドル界に新たな風を吹かせるんだもんな・・・」


真織「じゃあたとえばさ、『ニュージェネレーション』みたいな・・・」


P「ダメです」


真織「えっ?」


P「既にそんな感じの3人組ユニットあるんでダメです」


真織「そ、そう・・・」


ルナ「あっ、じゃあこういうのはどうですか。『リリーホワイト』」


P「世界線違うけどそれもあります!訴えられかねないので、むやみに既存のアイドルユニット挙げるのやめてください!」


真織「んなこと言われても知らねぇしな。じゃあトライアド・プリム・・・」


P「あります!!」


ルナ「プランタ・・・」


P「あります!!!」


真織「ポジティブ・パッシ・・・」


P「金木さん!!!」


ルナ「ギルティ・キ・・・」


P「西覇王(にしはおう)さん!!!」


りんね「SEX ZONE」


P「「「園田ァァァッ!!!!」」」





30 minutes later




真織「大東亜共栄圏ズ」


ルナ「HOT MOTTO」


りんね「前々々戯」


P「これひでぇな」


真織「悪ぃ、朝シリアル2杯しか食ってないから頭回らなくて」


P「頭回るに足るレベルの摂取量だと思いますが」


りんね「わらわも、今朝はラザニアしか食しておらんの」


P「朝から食べるものじゃない」


ルナ「わ、私はえっと・・・えっと・・・」


P「無理に朝食大喜利に参加しなくて大丈夫ですよ、西覇王さん」


真織「よし、明日までの宿題にしようぜ。明日もっかい、候補を出し合うんだ」


りんね「うむ、それがよいな。では、失礼する」


P「ちょ、待ってください!まだ今日の本来の目的を果たしていないんですが・・・!」


りんね「悪いの。そろそろ新着エロ同人誌の更新時間じゃから、早く帰らねばならんのじゃ」


P「ゴミみたいな帰宅理由やめて」


真織「私もそろそろ路上ライブ(小銭稼ぎ)してこないといけねぇしな」


P「路上ライブしてる人に殺されますよ」


ルナ「食パン700枚!!!」


P「ようやく捻り出した解答がそれですか、西覇王さん」


ルナ「あれっ、他の2人は?」


P「もう帰りましたよ。エロ同人閲覧と小銭稼ぎのために」


ルナ「・・・?」


???「お疲れさまで~す」


ルナ「っ!?」


P「あ、お疲れ様です形無(かたなし)さん」


???「あっ。もしかしてこの子が、例のプロジェクトの?」


P「えぇそうです。西覇王さん、彼女はアシスタントの『形無ゆとり』さんです」


ルナ「はっ、初めまして・・・西覇王ルナと、申します・・・」


ゆとり「はじめまして、形無ゆとりです。よろしくねルナちゃん」


ルナ「・・・」


P「どうしました、西覇王さん。顔色が悪いようですが・・・」


ルナ「へっ、いやなんでも・・・ないです!」


P「そうですか」


ルナ「・・・」


ルナ(ゆとりさんが部屋に入ってきた瞬間、あの人からとてつもない殺気を感じた気がするんだけど・・・気のせいだったのかな?)


ゆとり「で、こんな時間までなにやってたんですか。今日はスケジュール確認のだけのはずじゃ?」


P「実は・・・新しいユニット名を考えていたのですが、なかなか決まらなくて」


ゆとり「なるほど」


ゆとり「じゃあたとえば・・・『New(ニュー) Desires(デザイアーズ)』ってのはどうですか?」


P「・・・えっ?」


ゆとり「真織ちゃんは金。りんねちゃんはいちゃラブ。あなたは力。それぞれアイドルとは程遠いものを求めてアイドルになった。だから『New Desires』・・・直訳で『新たなる欲求たち』」


ルナ「新たなる、欲求・・・!(めっちゃかっこいい!!)」


ゆとり「えぇ。あなたたちのプロフィールを読んで、まっさきに思いついたんです。あ、ごめんなさい余計な口挟んじゃって!」


P「いや・・・それでいきましょう」


ゆとり「え」


P「シンプルですが、しっかりと彼女たちのことを表現している。ですがこのシンプルさが、我々には思いつけなかった。客観的な視点から生み出された、素晴らしい名前だと思います。それに・・・」


ゆとり「・・・それに?」


P「これ以上のユニット名が、彼女らから出てくるとは思えないので!!!」




こうして、『プロジェクト・リベリオン』は『New Desires』に改名した。略して『ニューデザ』、どこかから苦情が入りそうな略称であることを、プロデューサーは気付いていなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ