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アイドルバスター 印税の偶像  作者: おでん信用金庫
3/12

少年院帰りの少女[西覇王 ルナ①]

前回までのあらすじ


真織、アイドルやるってよ



翌日

緑一色(リューイーソー)女学院 1年2組教室



みのり「えぇっ、結局アイドルやることにしたの!?」


真織(まおり)「声がでかい。もうちょっとボリューム下げろ」


みのり「ご、ごめん。それにしても驚いたわ。あんなにアイドルを毛嫌いしてたのに。コスパ悪い、とか言って」


真織「聞いてみると、言うほどコスパ悪くなさそうだった。それに、即金で100万もらったしな」


みのり(うわぁ、完全に金で釣られてるわこの子)


真織「つーわけで、あの竹内とかいうプロデューサーから、私たち目線で()()()()()がいないか探してほしいそうだ」


みのり「よさげな子って?」


真織「アイドル界に一石を投じる、新たな逸材だ。みのり、誰かそういうやつ知らねぇか?」


みのり「う~ん、そうねぇ。そう言われてパッと思いつかないってことは、いないんでしょうね・・・」


真織「う~ん、やっぱそうだよな・・・」


担任((おか) 美玖(みく)・地学教師)「皆さん席について。朝のホームルームを始めます」


生徒たち「は~い」


担任「はい、皆さん静かに。今から転校生を紹介します」


生徒たち「ざわざわ(×生徒数)」


真織「・・・転校生?」


みのり「珍しいわね。入学式から1週間経ってから転校してくるなんて」


みのり「もしかしたら、真織の言う()()()()()かもしれないわよ?」


真織「まさか、そんな偶然あるわけねぇよ」


転校生「お、おはようございます・・・(入室)」


生徒たち「おぉ~っ」


真織(オドオドしてて、パッとしない奴だな・・・)


担任「では、黒板に名前書いて自己紹介して」


転校生「は、はいっ・・・」


みのり「・・・なんか普通の子っぽいわね」


真織「ほらな。アイドル界に一石を投じそうな奴がそう簡単に見つかったら苦労しねぇよ」


みのり「それもそうね」



転校生「東雲(しののめ)女子少年院から来ました『西覇王(にしはおう) ルナ』と申します」



真織・みのり「「アイドル界に一石を投じそうな奴が来た!!!?」」


ルナ「・・・えっ?」


担任「彼女は隣の3組に転校してきました。みんな仲良くするように」


真織・みのり「「そんでもって隣のクラスなんかい!!!」」


担任「そこの2人、うるさいですよ」


みのり「す、すみません・・・」


担任「あとで生徒指導室に来なさい」


真織「行けたらね」


担任「絶対行かない時の常套句(じょうとうく)やめて」





1時間目終了後

生徒指導室



担任「もう二度と、ホームルーム中に騒いではいけませんよ」


みのり「はい、申し訳ありませんでした」


担任「・・・金木さんは?」


真織「以下同文です」


担任「賞状みたいに略さないで」


真織「もういいですか。3組に用があるんですけど」


担任「ダメです。あなたは特にダメです」


真織「おかしいな、謝ったのに」


担任「コピペで述べた謝罪文は謝罪とみなしません」


真織「しゃーない。みのり、ちょっと3組行って、あの西覇王とかいう子の情報色々集めておいて」


みのり「わかったわ、真織(左手敬礼)」


担任「あれ、なんで私の許可もなく勝手に解放される流れになってるの?それと蓮川(はすかわ)さん、左手で敬礼するのは不敬に値するから気をつけなさい」


みのり「はい、わかりました先生!(左手敬礼)」


担任「あら、それは宣戦布告ということかしら?」


みのり「では、失礼します(退室)」


担任「無念。真面目だと思ってた生徒にネグレクト(無視)されたわ」


真織「・・・丘先生。さっきの転校生、少年院から来たって言ってたけど、どういうこと?」


担任「言葉通りの意味よ。彼女はこの前まで少年院にいたの」


真織「え、何かやったの?」


担任「私も詳しくは知らないんだけど・・・素行の悪い男子高校生、いわゆるヤンキー10人を袋だたきにして、病院送りにしたとかいう噂を耳にしたことがあるわ」


真織「病院送りか・・・とてもそんなことするような感じはしなかったけどなぁ」


担任「私もそう思った。人違いなんじゃないかとも疑ったわ。でも彼女は、『自分がやった』と認めているのよ」


真織「ふ~ん。人って、見かけによらないんだな」


担任「そうね。ところで金木さん。あなたさっき西覇王さんのことを『アイドル界に一石を投じそう』って叫んでたけど、あれはなんだったの?」


真織「アイドル界に一石を投じそうな子を探しているんですよ」


担任「・・・ふ~ん」


真織「先生もやりますか、アイドル?」


担任「ぶふぅ~~~~っっっっ!!!?(お茶を噴き出す)」


真織「ぐへぇ~~っっ担任からのまさかの綾鷹スプラッシュ!!!なに驚いてんすか、冗談で言っただけですよぉ~」


担任「なっ、ななな何を言っているの金木さん!?わっ私がアドッアドルドドドドドアイドルなんてやっっ、Yaaaaaaaぁぁぁぁるわけがないでしょ・・・っっっっ!!!?」


真織「いや、だから冗談だって」


担任「だって私今年で28よ!?こんなアラサーのババアがアイドルなんてやれるわけないじゃないのよ!!!?ないじゃないですかぁぁぁっっっ!!?」


真織(私の声が、届いていない・・・!?)





昼休み

1年2組教室



みのり(右目に包帯)「というわけで、得た情報を報告するわね」


真織「ちょっと待て。どうした、右目?」


みのり「殴られた」


真織「・・・なんで、誰に?」


みのり「それは順を追って説明するわ」


真織「え、情報収集のフローチャート上で殴られたん?」


みのり「そういうこと。じゃあ本題に入るわ。とりあえず、これを見て(紙を渡す)」


真織「ん、西覇王についての情報メモか・・・」




[西覇王 瑠菜についての調査レポート① by Minori☆]


・東雲女子少年院にいた

男子生徒ヤンキー10人を病院送りにした暴力事件を起こした

・女子




真織「・・・」


みのり「とりあえず、そんなところよ」


真織(き、既存の情報しかねぇ・・・それに、『女子』とかいう情報を苦し紛れにかさ増ししようとしているのが滑稽(こっけい)すぎる・・・!)


みのり「どう、参考になった?」


真織「う、うん・・・すごい参考になる、なりました」


みのり「そう、よかったわ!」


真織(言えない。これさっき全部先生から聞いた情報だなんて言えない。せっかくみのりが右目を殴られてまで、調べ上げてくれたんだから・・・ん?)


真織「あれ、結局誰になんで殴られたの?」


みのり「西覇王さんに色々聞こうとしたら、彼女に殴られたのよ」


真織「えっ、西覇王に殴られたの!?」


みのり「えぇ。殴られる直前、とても怖い顔をしていたわ。それに口調も乱暴だった。『しつけぇぞクソアマが』って言ってた」


真織「マジか・・・やっぱ人は見かけによらねぇんだな」


みのり「そうね。で、どうするの真織?アイドルに勧誘するの?」


真織「う~ん、私の独断ではなんとも・・・とりあえず、竹~内Pに相談だ(Pに携帯発信)」





456プロダクション



P「・・・面白そうな子を見つけたんですか?」


真織<おう。なんか過去に暴力事件を起こして少年院にぶち込まれてた奴だ>


P「え~、カタギじゃないじゃないですか」


真織<え、アイドルってカタギじゃなきゃ駄目なの?>


P「すごく駄目です」


真織<あっそ。結構面白そうだと思ったのにぃ~(通話終了)>


P「・・・」


P(たしかに聞く限りは面白そうではあるけれど、流石に前科者をアイドルにするとなるとコンプライアンス的な問題に引っかかりそうだしなぁ・・・)


社長「竹内君、ちょっといいかな」


P「はい、なんでしょう四郷(しごう)社長?」


社長「なんかね、ライバル事務所の343(サシミ)プロダクションが新しいアイドルプロジェクトを企画してるらしくてね」


P「343が・・・」


社長「それでね、『プロジェクト・リベリオン』が343プロの新規プロジェクトに遅れを取るようだったら、君クビにするから」


P「えっ」


社長「それじゃあ、頼んだよ」


P「ちょっ、待ってそんな急に・・・」


社長「あ~おしっこ漏れる漏れる!!(退室)」


P「・・・」


P「・・・(真織に携帯発信)」


真織<あ、どうしたプロデューサー。さっき通話したばっか・・・>


P「前言撤回だ真織ィ!!!その西覇王とかいう前科持ちなんとしてもアイドルにスカウトしろ!!!分かったなァァァ!!!?」



説明しよう!普段穏やかな竹内Pは、会社からの圧力やストレスが蓄積すると、それを発散させるために凶暴な性格になってしまうのだ!


プロデューサーは大変

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